就労継続支援B型の人たちに向けたWebワークの働き方とスキル

ワクセル編集部

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アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_GIF-TECH’sさん_働き方

就労継続支援B型でWebワーク特化型の事業所を運営する『GIF-TECH’s(ギフテックス)』によるコラム第2弾。GIF-TECH’sはブロックチェーン業界も視野にいれ、労働時間や在宅支援の観点から、その方にあった働き方を提供しています。実際に事業所で働くとしたらどんな働き方なのか、そして今後の展望についてお話を伺いました。

その人に合った働き方をしてほしい

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_GIF-TECH’sさん_ブロックチェーンゲーム

GIF-TECH’sは就労継続支援B型の方を対象とした事業所です。B型の方を対象に展開しているのには、明確な理由があります。まずは「就労移行支援」と「就労継続支援」の種類や違いについて簡単に説明します。

「就労移行支援」とは、就職する一歩手前の方が対象となるイメージです。雇用契約がなく、賃金の支払いは基本的には発生しません。たとえば、以前に就職はしていたけど、けがなどの理由で今までの仕事ができなくなってしまって、パソコンスキルを学び直して事務職に就きなおすという感じです。

「就労継続支援」には「A型」と「B型」の2種類あります。

「就労継続支援A型」は雇用契約があり、雇用するときは都道府県の最低賃金が必須となります。職場で障がい者の方も一緒に働き、業務内容に応じた賃金を払っていることが一般的です。

「就労継続支援B型」は雇用契約がなく、出た利益を分配するような仕組みが多いように感じます。一概には言えませんが、たとえば、ボールペン1,000本を組み立てて出た利益を、みんなで分配する、という感じです。比較的、中度〜重度の障がいがある方などが多く通所されている印象です。

以上の枠組みがあるなかで、なぜ就労継続支援B型を選んでいるのかといいますと、雇用契約がなく、最低賃金の縛りがないので自由な発想がしやすいからです。最低賃金があると高単価の仕事を中心に受けなければいけなくなりますし、パートナー様たちにも毎日働いてもらうようにしなければいけません。就労継続支援B型はその縛りがないので、働き方の融通が利くことがメリットのひとつです。

一般的に、就労継続支援B型は簡単な作業になりがちです。仕組み上、生産性やマネタイズ能力が低くても運営できてしまうので、平均工賃はずっと上がらないのが実状です。最初はなぜこれに甘んじているのかと疑問でしたが、生活保護をもらっている方は、収入が15,200円を超えると、国に返納する義務があると分かりました。

一方で、生活保護は受けずに、収入を増やしたいという要望を伺うこともあります。GIF-TECH’sでは、その方のご希望やスキルに応じて高工賃を稼げる仕組みにしているので、生活保護を抜け出せるように努力している方もいます。

ブロックチェーン関連事業も視野にいれた働き方を提供

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GIF-TECH’sは働き方に決まりがありません。週5回の勤務が適している人、週1回くらいに抑えたい人、何が適するのかはその方次第です。毎日通所される方の場合で10時〜15時で休憩1時間、それを週5日間です。

週間の労働時間は最大20時間なので、障がい者雇用で一般企業へのトライアル就職の基準を満たしています。この20時間で安定して仕事ができれば、一般企業でも働ける可能性がみえてきます。就職をしたいと考えている方はそこを目指しています。

長時間働けない方では、週に1回2時間だけの方もいますし、一時的に稼働をストップしている方もいます。ここでは働いて売上をあげることが目的ではありません。GIF-TECH’sは福祉施設なので、長期的に皆さんの生活が安定し前に進むことを目的としています。

在宅支援も行っていて、現在では5、6名がオンラインで就労しています。Web会議ツールで打ち合わせをしているので、通常のオフィスワークとまったく変わらないですね。また、在宅と通所をかけ合わせたハイブリットでの働き方もあります。世の中に価値を提供することができれば、働く形は何でも良いんです。

現在この事業所はWeb2.0領域を中心に扱っていますが、試験的にブロックチェーンゲームも取り入れています。2023年春にもうひとつの事業所をつくる予定で、そこはブロックチェーン関連事業を積極的に導入させようと考えています。

例えば、可能性があるなと感じているのは、NFTゲームやブロックチェーンゲームをプレイしてお金を稼ぎ、報酬は日本円で支払うというモデルです。ゲームの種類は、カードゲームやRPG、シューティングゲームなどさまざまあります。簡単なパソコンワークとブロックチェーンゲームを組み合わせた事業所をつくれば、今まで受け入れられなかった方も受け入れられると考えています。 

ブロックチェーン業界に着目したのも、同じ中学校出身の友人が、『CoinPost』という国内最大級のブロックチェーンメディアの創業者であることが大きく影響しています。

その友人と共同出資でジョイントベンチャーの『株式会社WAVE3』を立ち上げていることもあり、ブロックチェーン業界とは縁があります。そのつながりがあるから、GIF-TECH’sにさまざまなゲーム企業から協力してもらうことができたと思っています。もともとブロックチェーン業界と福祉には垣根があると感じていたので、僕たちが橋渡しの役割を担っています。

インターネットの力で障がい福祉の世界を変える

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_GIF-TECH’sさん_プロフィール

インターネットの力で障がい福祉を変えることが僕たちの経営理念です。PCを使うことが正解ではなくて、「Webワークを通じてどのようにその方の人生を豊かにしていくか」を一人ひとり考えています。

PCを使うことが出来さえすればいろいろとできると思う人が多いですが、順番は逆です。必要性を感じてから、それに応じたPCスキルを学んだ方が圧倒的に伸びます。働きながら学べるというのは専門学校にも近いかもしれません。本格的なWeb3.0ワークに触れながら、実践練習の場として活用していただければと思っています。

将来的には、日本全国どこの障がい者施設でもブロックチェーンゲームやWEB3.0ワークがすぐにできて、暗号通貨が稼げるプラットホームを作っていきたいです。これが実現すれば働き方の大きな変革になります。今後は僕たちだけではなく、いろんな福祉企業などと協力して5大都市から地方へ広げていきたいと思っています。障がい者就労の現場をWebのチカラで前進させていくのが今後の展望です。