サーフィンを通じて海の大切さを伝えたい!世界大会の入賞実績を持つプロサーファーが教える「海の学校」とは?

ワクセル編集部

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神奈川県や和歌山県を中心にサーフィンを教える「海の学校」の校長を務め、同名の社団法人の理事も務める堀口真平(ほりぐち しんぺい)さん。ハワイを拠点にプロサーファーとして活躍してきた堀口さんが「海の学校」を立ち上げるに至った経緯や、今後の展望についてお話を伺いました。

子どもたちにサーフィンを伝える「海の学校」をスタート

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若い頃からプロサーファーを目指していて、今はハワイに住んでいます。ハワイのサンセットビーチで大会があって、そこで7位入賞したのが実績としては大きいですね。レッドブル社にスポンサーされたり、雑誌の表紙になったりもしました。

もともと父親がプロサーファーだったので、自然と自分も目指すようになりました。小学生のころはサーフィンは楽しいという気持ちだけでプロになりたいとは思っていなくて、中学生くらいからプロサーファーになりたいと意識し始めました。

「海の学校」を始めたのは、友人が亡くなったのがきっかけです。サーファー友達としてビッグウェーブに乗っていこうよ、と一緒にやっていたバディが、海の事故で亡くなってしまったのです。彼には芸能人の彼女もいて、これから芸能界にも出て一緒にサーフィンを盛り上げていくぞ、と話していました。その頃から子どもたちにもサーフィンを伝えていこうと意気込んでいたのですが、その矢先に彼が亡くなってしまいました。メディアに出るとか、ビッグウェーブサーフィンのてっぺんを2人で目指すとかはもうできない…でも学校ならできるな、と思って始めたのが「海の学校」です。

海を綺麗にすることの大切さや海の価値を学ぶ「海の学校」

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一般社団法人「海の学校」はプロ、アマのサーファー、ボディーボーダーなど日頃から海を生活の一部として親しんできたメンバーと海や人と愛する有志の人員により構成され、2006年より全国各地で活動を続けてきました。

その活動の一環として、親子のサーフィン体験教室を開講しています。サーフィンを体験するのはほとんどが子どもですが、子どもが楽しんでいるのを親は見ています。親は子どもたちの笑顔の姿を見て「海を汚さないようにしよう」と考えるようになります。サーフィンの体験、海の安全、すべては「海を綺麗にしていこう」というメッセージに繋げており、海は若い子の心身を共に健康に育てる場であることを伝えたりしています。19年くらい続けていて、大体1年に6〜8回開催しています。2025年は8回開催の予定です。サーフィン未経験の子どもたちがほとんどなので、喜んでもらえることが多いですね。

立ち上げ当初は協力者も少なくて、右も左もわからないままやっていました。特に資金面が大変でした。最初は全部自腹で、ボランティア状態。お手伝いさんの弁当など必要経費は全部自分で負担してもらっていました。プロサーファーとして海からお給料をもらっていたので、「海にもらったお金を海に返すんだ!」という気持ちで活動に取り組んでいました。具体的には、全国各地をサーフィンで回って友人に声をかけて、気のいい友達を仲間に入れるところからコツコツと始めていきました。

今ではスタッフも皆成長していて、大切にしている想いが隅々まで伝わっているので、僕がいなくても回るくらいになっています(笑)。

今後は、「海の学校」をいろいろなところで開催していきたいと考えています。サーフィンは興味があるけど、きっかけが掴めないと思っている子どもたちに、サーフィンの文化を拡げていきたいですね。また、その活動を通して、海や自然を守ることの大切さを伝え続けていきたいです。今は力強い仲間が増えてきたので、全国各地でも開催できるかなとは思うのですが、さらに活動の幅を拡大していくのであれば、国の補助金なども必要かなと思っています。

地球に生かしてもらっている立場であることを忘れない

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私が「海の学校」の活動を通じて一番伝えたいことは、時間の使い方と、友達と楽しく生きていくという価値観です。たとえばお金をたくさん持っていて、良い車を持っていて、良い物をたくさん食べて、というのも1つの幸せかもしれません。でも、私はお金があるなら少しでもサーフィンに使いたいと思っています。サーフィンを通じて、人の繋がりが生まれたり、子どもたちに笑顔が生まれます。そして、みんなで地球を綺麗にすることで自然への恩返しができます。

自分が死んだときに、地球に「お前が生まれてくれてよかったよ」と言ってもらえるような自分でありたいですね。地球に生かしてもらっているという立場なので。生きているうちに社会の意識改革を、とまではいかないまでも、地球に人は立っているんだよということを伝えていきたいです。