TVディレクター「マッコイ斉藤 」
× 株式会社GALDir Media「小泉陽嗣」
× ワクセル
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テレビ業界でディレクターとしてさまざまなヒットを飛ばし、最近ではYouTubeでも活躍が目覚ましいマッコイ斉藤さんと、東京ストリートコレクションなど2万人規模のイベントを制作する株式会社GALDir Media(以下、ガルディアメディア)の小泉陽嗣さんを招いてTALKSESSIONが行われました。
今回は、テレビとイベントの制作の裏側だけではなく、今後のエンタメ業界がどのように変化していくのか、お二人の視点から話を聞かせていただきました。
インタビュアーはTikTokで活躍している「くびれ姉さん」ことタレントの渋沢一葉さんです。ぜひ最後までご覧ください。
SNSで様変わりしたイベントの集客事情
渋沢: まず小泉さんにお聞きしたいのですが、ガルディアメディアとはどういった会社なんでしょうか?
小泉: 僕の会社は主にイベント制作を行っていまして、2019年には「Tokyo Street Collection」というイベントをパシフィコ横浜で行い、2万人を動員しています。
渋沢: 2万人!?すごい大規模なイベントですね。
続いて、マッコイさんも自己紹介をお願いします。
マッコイ斉藤: 僕はもうYouTuberですよ。
渋沢: YouTuberなんですね!?私デビューして17年になりますが、デビュー当時から「テレビディレクターのマッコイさんといつか仕事がしたい」と思っていたんですが(笑)
まず最初に、お二人からバラエティ番組、イベントの舞台裏をそれぞれ教えていただきたいです。
小泉: やっぱりイベントを作る上で大切なのはキャスティングです。でも、キャスティングって順番を間違えると上手くいかないので、その辺は意識してやっていますね。
集客については、最近はSNSがすごく多様化しているので、10年前といまでは様変わりしています。
渋沢: 私も規模はまったく違うんですが、イベントやショーを作っていて、集客が本当に大変です。2万人集めるなんて本当にとんでもないことです。
小泉: いまはテレビで人気がある人をキャスティングしたからと言って、人が集まるわけではなくなりました。
一方で、認知はまだそこまでじゃなくとも、コア層に人気のあるYouTuberをキャスティングすると一気に集まることもあります。
でも協賛企業の賛同を得るためには、YouTuberだけキャスティングするわけにもいかず、
テレビで活躍している認知タレントも組み込む必要があるので、そのバランスがとても難しいです。
悪いことの先読みがテレビをつまらなくする
渋沢: マッコイさんにもテレビ番組の裏側について伺いたいです。
私は、有吉さんと7、8年くらいレギュラーをやらせてもらっていて師匠と慕っているんですが、一番きつかったのが、その番組で雪山に水着で何時間も放置されたことなんです。
マッコイ斉藤: 僕も半年くらい前にやりましたよ。アイドルグループの恵比寿マスカッツに水着を着てもらって、真冬の相模湖に落としました。
渋沢: そういうのっていまはコンプライアンス的にダメなのかと思っていたんですが…。
マッコイ斉藤: みんなやらないだけで、ダメじゃないですよ。「心臓麻痺を起こして死んだらどうする?」って悪いことを先読みして、テレビがつまらなくなっているんですよ。
渋沢: マッコイさんはYouTubeもやられていますが、いまはSNSとテレビが共存してきていますよね。
今後どうなっていくと思いますか?
マッコイ斉藤: YouTubeって素人さんがやっているので、編集レベルが本当に低かったんですが、最近はテレビの人がどんどん参入してきているので、YouTubeがよりテレビっぽくなっていると思います。
編集技術、テロップ技術、音を付ける技術が上がってきているので、よりテレビっぽく観られるようにYouTubeは進化していくでしょうね。逆を言うと、テレビは本当に危ういと思います。
渋沢: この点については、色んな人がテーマとして扱っていると思うんですが、やっぱりテレビって危ういんですか?
マッコイ斉藤: 危ういですね。だからいま、若年層を取り戻すために若者向けの番組を作り始めていますよね。
昔は世帯視聴率を取ろうとしていましたが、いまはそこを捨ててテレビのコア層を作ろうしているので、3、4年前とは考え方が大きく変わってきています。
いまはYouTubeに若いコア層が取られているので、テレビに人気を戻すために、コント番組がとても増えていますよね。
SNSの台頭で好みが細分化、ターゲットを絞ったコアなイベントに
小泉: 僕は仕事柄テレビも観るんですけど、最近はどっちかっていうとYouTubeのチェックをすることの方が多いです。
さっきの集客の話になるんですが、僕が知らない子たちがものすごい集客力を持っていることもあります。
でも移り変わりがとても速いんですよね。フォロワー数が多く、ブームになったTikTokerがいても、3ヶ月経ったら全然集客力無くなっていることもあって。
あと、かなり有名になってきて、今後が楽しみだなと思っているところで、不祥事が出てしまうことも多い。
渋沢: そういえばそうですね。。そういう方って事務所に入っていない人が多いですからね。
小泉: 大事なタイミングで不祥事もあり、人気の入れ替わりがとても速いので、大型イベントがとてもやりづらくなっています。万人受けする大型イベントってコンセプトもまったりしているので、人が集まりにくい。
いまはどちらかというと、ターゲットを絞ってやるコアなイベントがやりやすくなっていると感じます。
渋沢: コアなイベントというと、どういったものでしょうか?
小泉: 昔はテレビでブームが生まれて、共通認識が強かったですが、いまの若者はあんまりテレビを観ず、スマホでYouTubeとかTikTokを観ますよね。
個人がそれぞれ好きなジャンルを観るようになって、好みが明確に分かれるようになったので、しっかりコンセプトを作って、ジャンルを分けたイベントをやらないとうまくいきません。
渋沢: すごくシビアな世界ですよね。私もイベントに呼んでいただくこともあるんですけど、数字を見られているなって常に感じています。
小泉: 僕もInstagramのフォロワー数や、Twitterのフォロワー数を見て、「この子たちをイベントにキャスティングしたらこれくらい反響があるんだろうな」と予想を立てます。
でも「フォロワー数が多い」イコール「集客ができる」というわけではないので、インプレッションの数とかを見ながら、このアカウントに本当に力があるのかシビアに見ますね。そこら辺の見極めがイベントを作る上で大変かなと思います。
フィールドを変えて新たな挑戦へ
渋沢: 改めて集客を意識した活動を頑張ろうと思います。
次のテーマですが、マッコイさんがYouTube番組を始めたきっかけを聞きたいです。
マッコイ斉藤: やっぱり時代の流れですよね。
テレビの視野の狭さというか、あれをやっちゃいけない、これをやっちゃいけないって、いい子ちゃんじゃなきゃいけなくなりました。そのうちに、ただご飯を食べて、クイズをやるっていう流れが本当に嫌になっていました。
そんな時に家に帰ると息子や娘がYouTubeを観てるんですよ。テレビのリモコンにYouTubeのボタンや、Netflixのボタンが付いているのを見た時に、もしかしてこっちのフィールドに行ったらもっと面白いことができるかもしれないと思ったんですよね。
小泉: マッコイさんのYouTubeを初めて観た時は衝撃を受けました。力のある人がYouTubeに入ると全然違うんだなって感じましたね。
マッコイ斉藤: ありがたいです。YouTubeと言っても、配信するということはテレビと一緒なので、そんな恥ずかしい編集や適当な編集はできませんから。
でも、どんどんYouTuberの編集技術は上がってきていると思いますよ。
渋沢: お二人に今後の野望についても聞きたいです。
小泉: YouTuberがこれだけいらっしゃるので、「YouTuberアワード」のようなイベントは、まだどこもやっていないのでやってみたいですね。
YouTubeにも色んなジャンルがあるので、ノウハウ系部門、バラエティ部門とか、ジャンルを分けてやったら面白くなりそうだなと思います。
YouTubeって世界中で観られますから、最終的にカンヌ映画祭みたいに世界的なイベントができたらいいですよね。
マッコイ斉藤: YouTubeアワードジャパンとかね。それが実現した際には、ぜひ私を初代MVPあたりに……。
今後ともズブズブの関係でお願いします(笑)
いま、Hulu、Netflix、Amazonプライムとかさまざまな配信サービスがあって、全裸監督のようなシリーズドラマが世界中で観られて、どこで大ヒットが出るのかわかりませんよね。だからこそテレビにこだわらず、作品を撮り続けていきたいと思います。
僕は50歳を過ぎているんですけど、いまだに映画だけ当てたという実感がないので、映画を当てたいですね。
小泉: 楽しみです。映画のジャンルはもう考えているんですか?
マッコイ斉藤さん: 僕は北野武さんに憧れて生きてきたので、アウトレイジとか武さんの映画は全部観てますけど、やっぱり笑いなしで勝負しているのがカッコいいと思うので、笑いなしの不良映画を撮りたいです。
渋沢:
その際はぜひ渋沢もお願いします(笑)
今日は本当にありがとうございました。
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