経営者対談

サステナブルスカーフブランドROSEFFY代表
廣瀬彩乃 × ワクセル

今回のゲストは現役大学生でありながら起業家としてスカーフブランド「ROSEFFY(ロゼフィー)」を立ち上げている廣瀬彩乃(ひろせあやの)さんです。

ROSEFFYのスカーフは再生素材を使い、土へ還るサステナブルなファッションアイテムです。
*ROSEFFY:「Rose」(英語で”バラ”)と「Fluffy」(英語で“ふわっとした”)の2つを組み合わせ、“ふわっと香るバラのような心地良さを届けたい”という想いを表現しています。
廣瀬さんのスカーフやサステナブルといった分野に興味を持った背景や、どのような想いでブランドを立ち上げているのかを詳しくお伺いしました。
(MC:ワクセル総合プロデューサーの住谷・メディアマネージャーの三木)

祖母のスカーフをきっかけに、ブランドの立ち上げを決意

廣瀬彩乃×ワクセル_20211025廣瀬さん土に還るスカーフ1

三木: 廣瀬さんはサステナブルスカーフブランド「ROSEFFY」だけでなく、2020年9月にSDGsを啓蒙するプロジェクト「HANDS UP(ハンズアップ)」も立ち上げられ、「SDGs×オシャレ」をテーマに活動の幅を広げていらっしゃる、今後注目の学生起業家です。

住谷: 学業と並行して起業するのって、すごいバイタリティですよね。
起業に至ったきっかけや、スカーフに着目した背景を教えてください。

廣瀬: もともとファッションが好きだったのですが、スカーフというファッションアイテムに着目したきっかけは、祖母が使っていたお古のスカーフを受け継いだことでした。

私自身コロナの影響を受け、計画していたロサンゼルス留学に行けなくなり、すごく落ち込んでいました。
そんな私を見て、祖母が優しく私にスカーフを巻いてくれました。その時、「スカーフって、世代を超えて受け継がれていくものなんだ」と、とても感動して、そのような文化を大切にしたいと思ったのです。

服やカバンにスカーフを巻くだけで、いつもと違う印象に見えますよね。スカーフは使いまわしができて、トレンドも問わない、とてもサステナブルなアイテムです。
私はそれまでスカーフをファッションに取り入れたことがなかったんですが、一度使ってみるとどハマりしてしまって、自分でデザインしてみたいと思うようになった程です。

スカーフを通して、環境問題に取り組んでいきたい

廣瀬彩乃×ワクセル_20211025廣瀬さん土に還るスカーフ2

廣瀬: 起業に至った理由を一言で言うと、「自分の想いを形にしたかった」からです。
ファッション業界が抱えるマイナスな部分をプラスにしたいなと。
スカーフを通して、「環境問題に取り組みたい」という私の気持ちを形にして、皆さんに伝え広げていきたいと思いました。

SDGsという言葉に興味を持ち調べたところ、ファッション業界が地球環境に大きな負荷を与えていることを知りました。

また、あまり知られてはいないですが、ファッション業界は世界で第二位の環境汚染産業だと言われていて、大きな問題となっています。
そういった顕在化した課題など、今まで知らなかった一面を知り、これは変えていくべきだと思ったのです。

自分の力で変えることは難しくても、自分と同じ世代に伝えていくことはできると思い、友人と一緒に「HANDS UP」の活動を始めました。

好きで始めたことならば、悔いを残さずやりきりたい

廣瀬彩乃×ワクセル_20211025廣瀬さん土に還るスカーフ3

廣瀬: 自分がやりたいと思ってやり始めたことなので、好きで始めたことなら悔いを残すことなくやりきりたいという気持ちが私の原動力です。
自分の夢に向かって動いていると、応援してくれる仲間や周りに共感してくださる方もいました。そんな時に、「まずできることから始めてみるのが大事」という声を聞いて、クラウドファンディングにも挑戦しました。

住谷: 廣瀬さんが挑戦したクラウドファンディングでは、開始半日で目標金額を達成されたそうですね。
それだけ多くの方に応援されているという証拠だと思うのですが、やはりSNSでの発信も努力されたのですか?

廣瀬: 発信はすごく頑張りました。
後ろ盾がない普通の学生ということもあり、信頼を得るなど壁はありましたが、クラウドファンディングは自由に想いを伝える場所だと思ったので、SNSを使って動画や、写真・文章で表現をしました。

ちなみに同時に動かしていた「HANDS UP」は、<イベント>、<SDGsスゴロク>、<グッズ販売>、<講演会>の主に4つの活動を行っています。

イベントでは、ヨガとビーチクリーン(海岸清掃)を組み合わせて、ゴミ拾いをしてからヨガをするイベントを行い、楽しみながら環境問題や自然にも触れてもらっています。
講演会では、ファッションをメインに、素材の話をしたり、服から出るマイクロプラスチックがおよぼす影響についてお伝えしています。

もちろん「土へ還る」サステナブルファッションアイテム・ROSEFFYのスカーフも、使う素材にこだわっています。「キュプラ」と呼ばれる再生繊維で、本来は綿糸には使用されずに破棄されていたものでしたが、資材の有効活用のために開発された素材です。焼却したときに有害物質が発生せず、微生物によって分解される性質を持っています。
また、「ムレにくい」「なめらか」「温度調節に優れている」「光沢のある高級感」といった機能性にも着目し、スカーフの生地に取り入れることを決めました。

ファッションを軸に、地球や人に貢献できることを考えたい

廣瀬彩乃×ワクセル_20211025廣瀬さん土に還るスカーフ4

三木: 廣瀬さんのTwitterを拝見しましたが、フードロスについても取り上げられていらっしゃいましたね。
そういった観点も次の視野に入れているのですか?

廣瀬: はい、私ができる範囲はまだまだ小さいかもしれませんが、フードに限らず世界には色々な「ロス」問題があるので、それを解決できるよう動いていきたいです。

それに合わせて、ROSEFFYのロゴも刷新しました。「人と人がつながるような円」をイメージしたデザインで、ファッションやオシャレを通して地球や人、たくさんのつながりを作っていきたいという思いがこもっています。

ワクセルのように共感してくださる方々とのつながりを大事にして、まずはROSEFFYを育てていきます。
SDGsという言葉がよく使われるようになりましたが、昔はそんな言葉を用いないで、きちんと地球に寄り添った生き方をしていたはず。言葉にとらわれず人の思いや考え、温かさに触れていけるような企画をしていきたいです。

今後もファッションを軸として、少しでも環境について考える機会を作っていくことが目標です。

住谷・三木: ワクセルでもエシカルをテーマにしたプロジェクトを行っております。
今後もぜひ、コラボレートをして一緒にイベントを開催したりと、思いを広げていきたいですね。


トークセッション一覧にもどる