【現地レポ】今年も有楽町で開催!第37回東京国際映画祭
東京国際映画祭とは?
レッドカーペットで豪華な俳優陣がドレスをお披露目
今年は吉田大八監督の『敵』が三冠を獲得
東京ミッドタウン日比谷の広場でゴジラ・フェスも開催
東京国際映画祭とは?
今年も11月に開催された、国内最大級の映画祭「第37回 東京国際映画祭」に行ってまいりました。
東京国際映画祭は日本で開催される国際的な映画祭で、毎年10月〜11月に行われます。アジアの映画作品の発展のために開かれており、日本の作品だけでなくアジアを中心とした海外作品も多く出品されています。
今回会場である有楽町エリアへ行ってみると、有楽町駅前には東京国際映画祭に出品された複数の作品のポスターパネルが展示され、最新映画を確認しようと、立ち止まって吟味している人も多くいました。
展示パネルのそばでは、出品作品の上映会チケットが販売されており、一般の方でも視聴できるようになっています。
街中の至る所にポスターが掲示され、レッドカーペットをイメージした赤い装飾や、映画のフォルムをイメージしたアートなどが特設展示されていました。
今回の第37回東京国際映画祭の予告編はこちらです。出品作品を一挙に見ることができます。
また、東京国際映画祭の詳細については、過去にもご紹介しているのでぜひご覧ください。
レッドカーペットで豪華な俳優陣がドレスをお披露目
東京国際映画祭の開幕初日・10月28日には、多くの人が俳優たちのレッドカーペッドのウォーキングを見ようと押し寄せました。
女性陣が華やかなドレスで登場し会場を盛り上げたほか、監督や豪華俳優陣がインタビューやサインに応じるなどの姿が見受けられました。
オープニング作品としては白石和彌監督の『十一人の賊軍』、センターピース上映作品としてはリドリー・スコット監督の話題作『グラディエーターII』が選ばれ、上映されました。
▪️白石和彌監督『十一人の賊軍』
2024年製作/155分/PG12/日本
配給:東映
劇場公開日:2024年11月1日
▪️リドリー・スコット監督『グラディエーターII』
2024年製作/148分/R15+/アメリカ
原題または英題:Gladiator II
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2024年11月15日
また、最終日・11月6日のクロージング作品は、クリストフ・オノレ監督の『マルチェロ・ミオ』でした。
▪️クリストフ・オノレ監督『マルチェロ・ミオ』
2024年製作/120分/フランス
原題または英題:Marcello Mio
今年は吉田大八監督の『敵』が三冠を獲得
今年の東京国際映画祭は、208本の作品が上映され、61,576人もの観客を動員しました。
今年の気になる受賞結果は、以下の通りです。
▪️受賞作品
- 東京グランプリ/東京都知事賞、:『敵』(吉田大八監督)
- 審査委員特別賞:『アディオス・アミーゴ』(イバン・D・ガオナ監督)
- 最優秀芸術貢献賞:『わが友アンドレ』(ドン・ズージェン監督)
- 観客賞:『小さな私』(ヤン・リーナー監督)
- アジアの未来 作品賞;『昼のアポロン 夜のアテネ』(エミネ・ユルドゥルム監督)
- エシカル・フィルム賞 『ダホメ』(マティ・ディオップ監督)
▪️受賞者
- 最優秀監督賞:吉田大八監督(『敵』)
- 最優秀女優賞:アナマリア・ヴァルトロメイ(『トラフィック』)
- 最優秀男優賞:長塚京三(『敵』)
- 黒澤明賞:三宅唱監督、フー・ティエンユー監督
- 特別功労賞:タル・ベーラ監督
注目すべきは、吉田大八監督の『敵』が、最高賞の「東京グランプリ」・最優秀監督賞・最優秀男優賞の三冠を獲得したことで、日本の映画作品に評価が一気に集まりました。
一方で、日本国内では去年の『正欲』に比べて報道が控えめで、今年はあまり注目を浴びませんでした。とはいえ、優れた作品であることに変わりはなく、ぜひ見てみてほしい一作です。
▪️吉田大八監督『敵』概要
2023年製作/108分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ギークピクチュアズ
劇場公開日:2025年1月17日
東京ミッドタウン日比谷の広場でゴジラ・フェスも開催
東京ミッドタウン日比谷前の広場では毎年恒例の巨大スクリーンが設置されていました。今回は「ゴジラ・フェス」が開催され、昨年の東京国際映画祭のクロージング作品であり、アカデミー視覚効果賞も受賞した『ゴジラ-1.0』の監督・山崎賢氏の公開対談などが行われました。
ゴジラファンが殺到し、広場は人でいっぱいに。入れない人もいるほどの人気ぶりでした。
インタビュアーの「撮影中に予想外だったことは?」という質問に対して 、「奄美大島で撮影したかったんだけど、許可が下りなくて、結局千葉のキャンプ場で撮影したよ(笑)」と答える山崎監督。
迫力あるゴジラの登場シーンの裏側を、ユーモアを持って話してくれました。
また、1954年11月3日に怪獣映画『ゴジラ』の第1作目が封切られたことから、11月3日は「ゴジラの日」とされており、ゴジラ・フェスの行われた11月3日には、対談の最後に山崎監督と来場客でゴジラの誕生日ケーキを前にバースデーソングを歌うサプライズも。
山崎監督は、「さとし(賢)コール」の声援に応えながら、「絶賛2作品目も製作中ですので」と公表しました。続編の発表にファンも歓声を上げ、熱気に包まれたままゴジラ・フェスは終演しました。
その後、ゴジラの着ぐるみとの握手会でまた人が殺到。行列ができていました。
東京ミッドタウン内にて『ゴジラ-1.0』の上映もされていましたが、他にも魅力ある作品がたくさん公開されていました。
まだ東京国際映画祭へ行ったことのない方は、気軽に行ける国際映画祭として、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
▼2023年の東京国際映画祭のレポートはこちら