コンプレックスを強みに変える全盲のキャラクターデザイナー「解釈を変えれば世界が広がる」

YUKA YUKA

YUKA YUKA

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_広山侑加 YUKAYUKA さん_ご本人

YUKA YUKAさんは、緑内障により27歳で視力を失うもキャラクターデザイナーとして活動を始め、『きのこ姉さん(通称きのねぇ)』というキャラクターを使ったグッズを販売。また、視覚障がい者の選択肢のひとつになるように、点字つききのこ姉さんタロットカードを制作しています。そんなYUKA YUKAさんに、これまでの経験や今後の展望についてお話しいただきました。

全盲になって見つけたキャラクターデザイナーの道

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 広山侑加 YUKAYUKA さん_イラスト

私は8年前に失明したのがきっかけで、キャラクターデザイナーになりました。点字も読めないし、スマホも使えない、一人で外出も出来ない。何をするにも時間がかかって、目が見えない自分に何ができるのかまったく思い付きませんでした。

失明したあとはとても落ち込み、不安や恐怖に支配されていて、「明日なんて来なくていい」と日々思っていました。どこにもぶつけられないごちゃ混ぜになった怒りや悲しみといった感情を神様にぶつけてメンチを切ってました。見えてないのに(笑)

前向きな考えはできず、ネガティブな方向ばかり考えて沼にはまっていく感覚で、恐怖心から抜け出したい一心で没頭できるもの、希望を持てる何かを探しました。

けれども働かなくては生きていけません。目が見えなくなった自分にどんな仕事が出来るのか?と考えまくりまくって、小さい頃に何をしてどんなときが楽しかったのか?自分は何をしたいのか?と、向き合いながら記憶を掘り起こして考えました。記憶を辿っていくと、子供の頃に自然とお絵描きをしていて、私の落書きを見たお母さんが喜んでいたことを思い出しました。

だれにも教わらず落書きをしていたなら、目が見えなくなった今でも描けるんじゃないか。描いたらお母さんは喜んでくれるんじゃないかと思って、イラストを描き始めたのがきっかけです。

大好きなポップなきのこに、自分の思いを込めたキャラクターを作りたい!と思って誕生したのが『きのこ姉さん(通称きのねぇ)』です。きのねぇはコンプレックスを抱えて悩んできたキノコ。だけど、葛藤してきた悩みや弱さを認めてコンプレックスも逆に生かしてチャームポイントにしています。

私も全盲になった事がコンプレックスでした。でもそれを強みに変えて愛おしいものに出来たらいいなと思って、その想いをきのねぇにのせました。

目が見えないから気づいたこと

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 広山侑加 YUKAYUKA さん_3人

レーズライターという絵を描く道具があって、まずは落書き程度の絵を描き始めました。失明して自分ができることが見つかったことがめちゃくちゃ嬉しかったので、うまいとか下手とかは考えず、絵の道に進むことにしました。

目が見えないので色づけするのが難しく、イラストレーターの方に色づけをお願いして、イメージを共有しながらグッズや作品をつくっています。

苦労した点は、イメージして絵を描くことです。現物を見て絵を描くことはできないので、自分の記憶をたどるのですが、目が見えていたときにちゃんとものを見ていなかったことに気付きました。

たとえば、自画像を描こうと思ったときに、過去の記憶だけではうまく描けず、描き直すために触ってみるけれどうまくいかず、悶々としながら描いていました。

幸いにも四天王寺のご住職さんにバッタリ出会うことができ、絵を教えてもらう事でコツを掴んで徐々に上達していきました。

タロット占いが視覚障がい者の選択肢に

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 広山侑加 YUKAYUKA さん_タロットカード

失明後、自分のしたいことや目標を立てるにも、自分自身を知ることが大事だと思いました。そこで生年月日から自分の特徴や深層心理を知れる占いや統計学にはまって、そのうちのひとつがタロットカードでした。

また、タロットカードをコレクションしている方も多いので、きのねぇのアート作品にすると面白いんじゃないかと思いつき、2022年の半ばに実施したクラウドファンディングでは、200名以上の方のご支援により300万円の資金を調達することができました。

失明した時に楽しめる趣味や職業の選択肢が少なくて苦労したので、視覚障がい者の方の選択肢が増えるようにきのねぇタロットを楽しんでもらえたらと思っています。

今後のビジョンとしては、視覚障がい者に対してタロット占いの育成や、雇用などの仕組みづくりをしたいと考えています。また、きのこ姉さんには「THIS IS ME.これが、あたし」というキャッチフレーズのもと、私自身が全盲になってから気づいたこと、ありのままの自分を受け入れる大切さなどの思いを込めています。

そんな思いのあるきのこ姉さんが一人立ち出来るように講演や絵本づくりなど、さまざまな国に展開して元気を届けたいです。それが少しでも早く実現するよう、一歩一歩地道に頑張ります。