「“おすそわけ”の力で社会課題を解決する」OSUSO CLUBが推進する新しい社会貢献のカタチ

新田 拓真

新田 拓真

2024.09.04
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東日本大震災で被災した経験から、日本人の伝統的な精神「おすそわけ」の素晴らしさと可能性を感じ「おすそわけで世界を変える」を人生のテーマに掲げた新田拓真(にったたくま)さん。国や行政が対応できない社会課題を民間の力で解決するために設立したOSUSO CLUBは、現在約300社が参加し、地域や社会に貢献する活動を展開しています。周りの企業や個人を巻き込みながら力強く推進する新田さんに、OSUSO CLUB立ち上げの経緯や、今後のビジョンについて伺いました。

OSUSO CLUB(おすそクラブ)立ち上げの思い

東日本大震災で被災した際、約2週間ほど自衛隊の支援が届かず、民間の人々がお互いに助け合いながら問題を乗り越えていきました。この経験を通じて、私は「おすそわけ」の持つ可能性を強く感じました。

それ以来、国や行政が対応できない課題を民間の力で解決したいと考えるようになり、最前線で活躍するNPO法人を支援する仕組みをつくりたいと思うようになりました。そこで、民間の力で社会課題を解決する新しい国づくりを目指し、『OSUSO』を立ち上げたのです。

OSUSOを立ち上げるなかで、課題解決に共に取り組む仲間が必要だと感じ、社会貢献クラブ『OSUSO CLUB』を設立しました。現在、素敵な企業やNPO、自治体と協力し、約300社がこのクラブに参加しています。

現在取り組んでいるプロジェクトのひとつに、小田原市の町おこしがあります。このプロジェクトでは民間企業が主体となり、自治体も後援という形で参加しています。地域の課題を解決するために、それぞれの強みを「おすそわけ」しながら協力してソリューションを提供しています。

OSUSO CLUB(おすそクラブ)のメリット

クラブというからには入っていただける企業には満足していただけるものを提供したい。「社会貢献していく人・個人を増やしたい」「社会的投資をできる企業を増やしたい。」という想いから作られていて、加入することで3つのメリットがあります。

OSUSO CLUBは、「社会に貢献する人や企業を増やしたい」「社会的投資を推進する企業を支援したい」という思いから設立されました。クラブに加入することで、次の3つのメリットがあります。

<コミュニティの要素>

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 新田拓真さん

OSUSO CLUBは、社会貢献に熱心なメンバー同士が交流できるコミュニティを提供しています。ここでは、同じ志を持つ企業や団体がつながり、新しいプロジェクトに共同で取り組む機会を得ることができます。また、リアルな場で素敵な企業や経営者とつながることが可能です。

小田原プロジェクトなどのOSUSOが運営するプロジェクトに参画し、自社が関心のある活動を選んで参加できる仕組みもあります。さらに、クラブメンバー同士が協力し、情報発信やメディア連携を通じて、多くの人々にその取り組みを広めることができます。

<従業員の参画が可能>

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OSUSO CLUBは、企業だけでなく、その従業員も社会貢献活動に参加できる仕組みを提供しています。アプリやセミナー、ボランティア情報などをパッケージ化し、従業員が簡単に参加できるよう支援します。これにより、企業全体での社会貢献活動がより広がりやすくなります。

<社会貢献の可視化>

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OSUSO CLUBは、企業が行った社会貢献活動をデータとして管理し、可視化するためのダッシュボードを提供しています。特に大手企業向けに、SDGs関連の取り組みがどれだけ進展したかを定量的に報告できる機能を備えています。この可視化サービスは、企業の取り組みを整理し、従業員との議論に使える時間を増やすことにも役立ち、非常に好評です。

OSUSO CLUB(おすそクラブ)のビジョン

現在、OSUSO CLUBのメンバーは約300団体ですが、今後さらに日本全国のNPOとパートナーシップを結び、1,000団体以上に拡大することを目指しています。企業の参加も首都圏にとどまらず、47都道府県に支店を設立し、地域に根ざした企業が集まる全国規模の組織に成長させていきたいと考えています。

クラブ会費は月額1万円以上からで、各企業が無理のない範囲で継続できるように設定されています。OSUSO CLUBは、参加企業が満足できるコンテンツを提供し、さらなる企業の参画を促進する土台を築いています。

全国的に広がって、1万社、10万社と増えていけば、国や行政が対応しきれない課題にも民間の力で継続的に取り組めるようになると思います。そのために現在は創業期のコアメンバーを集め、全国に向けて組織を展開していく準備を進めています。

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