輸入物販で成功するための秘訣。行動力が生み出すビジネスチャンス

西村 幸子

西村 幸子

2024.03.11
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_西村幸子さん

西村幸子さんは、2018年4月に輸入物販会社をフェリストレード設立。海外で人気の『ゆいクッション』の独占販売権を取得し、全国の小売店などに販売しています。現在は、ご自身の営業経験から生まれた100社への商品提案代行サービス『ものbee』を展開。「思い立ったらすぐ行動」をモットーとする西村さんに、その原動力について伺いました。

”輸入の神様”からノウハウを学んで独立

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私は2018年に輸入物販を行う『株式会社東京フェリストレード』を設立しました。この当時、省エネ関連のコンサルティング企業に勤めており、会社には内緒で起業したんです。

私は元々、海外で働くことに興味を持っていました。ある時、“輸入の神様”と呼ばれる輸入業の専門家に出会い、その方からの話を聞くうちに、海外の面白い商品を見つけて日本で売るということに魅力を感じるようになりました。海外に行って、現地の人と仕事ができるというキラキラした世界に思えましたし、自分でもできそうだと思っちゃったんです。

会社員時代は残業が多く、月に200時間以上残業をしていて、休日出勤もあったので、「会社を辞めて起業できたら良いな」と漠然と思っていました。起業に関して不勉強だったこともあり、起業が怖いとか勇気が必要ということもありませんでしたが、結果的にそれが良かったのかもしれません。

10年ほど会社員をやっていて、仕事が忙しすぎてお金を使う暇もなかったので、それなりの貯蓄がありました。そのお金をどう使おうかと考えていたタイミングで、輸入業の先生と出会ったので、先生にコンサルティング料を支払って勉強させてもらいました。

起業してからずっと取り扱っている商品は、海外で人気の『ゆいクッション』です。輸入コンサルティングを学ぶ一環として、先生と共に香港へ買い付けに行った際、このユニークなクッションを見つけ、日本での独占販売権を獲得しました。『ゆいクッション』の最大の魅力は、見た目の愛らしさにあります。多様な使用方法については、主にお客様から教えていただくことが多いです。

会社員時代は内勤の事務職だったので、営業経験はありませんでした。コミュニケーションが得意なタイプでもないので、最初は商品をどのように販売すれば良いか分からず、売上はゼロでした。

販路開拓のため、東京ビッグサイトで開催される展示会への出展を決めました。そこで、大手量販店の関心を引くことができ、『ゆいクッション』の全国展開のきっかけとなったのです。

商品提案代行サービス『ものbee』を開始

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輸入コンサルティングを受けていたときに同期が10人ほどいました。その同期とは自分たちの事業の状況について、今でも情報交換しています。私は展示会への出展を通じて販路を拡大することができましたが、そうではない人もたくさんいます。

展示会に出展しても販路が広がらない同期からは、私がどのように販路を拡大したかについて質問を受けることがあります。海外で人気の商品を日本に持って来れば売れるだろうと考えられがちですが、必ずしもそうではないのです。

その輸入コンサルティングでは買い付けのやり方は教えてくれるのですが、買い付けした商品を日本でどのように販売していくのかというマーケティングについては教えてくれません。

輸入アイテムの物販に限らず、ご自身で商品をつくっている方も含め、周りに商品の販売で苦労されている方がたくさんいました。物販は本当に大変なので、知り合いから物販をやりたいと話をされると、私は辞めた方が良いとアドバイスしてしまうくらいです。

物販でうまくいってない人からたくさん話を聞いているうちに、うまくいかない共通の原因に気づきました。それは、そもそも行動が不足していることです。良い商品を持っていれば売れると思っていて、宣伝活動や営業活動をほとんどやってないのです。口コミや紹介で多少は売れますが、爆発的なヒット商品というのはほとんどありません。

私が販路を開拓できたのは数多く営業に行ったからです。飛び込み営業にも行きましたし、ダイレクトメールを送ったり、SNSに投稿を続けたりと、思いつくものはすべてやりました。コンサルティング料や商品の仕入れ、展示会への出展で資金がほとんどなかったため、お金をかけずに営業を行う方法をすべてやりました。

最初に取り組んだのは、『ゆいクッション』のInstagramアカウントからインテリアショップのアカウントへダイレクトメッセージを送ることでした。しかし、ダイレクトメールを過剰に送りすぎてしまったようで、メッセージがすべて削除されてしまいました。

この経験から、メッセージを送りすぎるのは良くないと学び、代わりにインテリアショップのホームページの問い合わせフォームから連絡を取る方法に切り替えました。60件のメッセージを送った結果5件の返信があったので、効果的だと思いました。

大手企業にもホームページからメッセージを送って営業できないかと調べていたら、大手量販店がホームページ上から商品のエントリーを受け付けていることがわかりました。『ゆいクッション』でエントリーして、大手の取引先が増えました。

問い合わせから成功した会社40〜50件をエクセルでリストアップし、物販で苦戦している仲間に無償で配りました。それでもみんな一向にアクションがないのです。理由を尋ねたところ、「面倒くさい」との返答がありました。それなら私がやろうと思い、5万円で営業を引き受けることに。それが商品提案代行サービス『ものbee』誕生のきっかけです。

目指すは物販業界の“PR TIMES”

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『ものbee』は、優れた商品を持ちながら販路開拓に課題を抱えるメーカー向けの提案代行サービスです。このサービスでは、100社のホームページへのエントリーを実施します。ユニークな商品や市場にない新しいアイテムを持つメーカーに、ぜひご活用いただきたいです。

ただし、対象となるのは物理的な形を持つ商品に限られます。オーダーメイドのスーツや福利厚生プランのような無形のサービス、また他との差別化が難しい商品は、残念ながら対象外とさせていただいています。対象の100社には、百貨店、バラエティショップ、家電量販店などが含まれますが、当社はこれらの企業と直接の関係はありません。

エントリーする際に心がけているのは、目を引くタイトルや件名の工夫です。受取側が1日に何十通もメッセージを処理していることを考慮し、タイトルやメッセージの初めの行で注意を引くことが非常に重要です。『ものbee』をご利用いただいたクライアントには、オプションで効果的なエントリーメールの例文をお渡ししています。

今後、『ものbee』が物販業界の“PR TIMES”となるべく、全国の企業に商品提案が気軽にできるプラットフォームの構築を目指しています。営業活動に踏み出せずにいる方々が動き出すきっかけとなることを願っています。家でじっとしていても商品は売れません。とにかく行動して商品を発信していくことが大切です。