ストリートスナップから実業家へ「誰もが輝ける世界を創る」

小儀 昌弘

小儀 昌弘

2024.03.13
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小儀さん

小儀昌弘(こぎまさひろ)さんは、福祉職と平行し原宿の路上にてファッションスナップ撮影を開始し、活動規模の拡大と共にファッション広告制作事業を立ち上げました。現在ではファッション広告のみならず、派生する多くのプロジェクトを牽引しています。「人々を輝かせる」というビジョンを持つ小儀さんに、独立までの背景や今後の展開について伺いました。

写真を撮られる側から、撮る側へ

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小儀さん

僕はファッション業界におけるPR広告制作及び関連事業を手掛ける『パレードグループ』を経営しています。

ファッション撮影から派生して、ウェブメディアの運営、モデルのマッチング、美容サロンやフィットネスジムの運営、セレクトショップやファッションショーの運営など、幅広く事業を展開しています。

またミス・ミセスコンの主催を通じて、「誰もが輝ける世界を創る」ことをコンセプトに、モデルや芸能人などの限られた人種で無くとも自身を発信出来る舞台を創出しています。

かつては福祉施設で介護職に従事したのですが、万年よれよれのポロシャツにジャージ姿で過ごしファッションとはまったくの無縁でした。

もちろん「人々を輝かせる」という大きなビジョンも、最初から持っていたわけではありません。広告も写真も専門的に学んでいたわけでもなく、完全に独学から始めました。

始まりはファッションへの傾倒です。

身なりをまったく気にしない介護に従事する自分と正反対の変身願望からか、休日はなけなしの薄給を握りしめ原宿に通うようになり、流行りのファッションに身を包んだ非日常に没頭しました。

その過程でいつしか街ゆくお洒落さんがファッション雑誌の取材班に写真を撮られる『ストリートスナップ』というカルチャーに、自分も掲載されることを密かに憧れるようになったのです。

しかし本当にファッションセンスやルックス、スタイルの卓越したオーラのある人達しか撮ってもらえない現実に直面し、その素質が無かったとしても、どうしても自分を変えてくれたこのストリートスナップシーンに身を置くにはどうしたらいいのか?と思案した結果、「自分が撮る側、メディア側になれば良い」という結論に行き着きました。

自作の拙いホームページを立ち上げ、仕事終わりや週末を迎える度、朝から晩まで原宿に入り浸りストスナハントを開始しました。

独立初月から売上が60万円を超える

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小儀さん

夜勤を終えて原宿で撮影し、その足で仕事に向かう日々で、自宅に戻ることはほとんどありませんでした。福祉施設の仮眠室で睡眠を取り、シャワールームも利用していました。

最初から起業や独立を考えていたわけではありません。当初はまったくお金にならなくても、とにかく黙々と撮っては載せ、撮っては載せを繰り返していただけでした。しかし蓋を開けてみたら、結果として「お洒落だな」と思って声をかけた人の多くが、読者モデルや人気ショップ店員、カリスマ美容師など、プチ有名人だったんです。

それが功を奏し、一人撮るだけで数百数千のファンが僕のサイトを閲覧することになり、十人撮っただけで一万人、百人撮ったら十万人と、意図せずとも徐々にサイトの閲覧者が拡大。

ちょうど有料でファッション雑誌を買う時代から、スマホで無料でファッション情報を探す人が増え始めた過渡期でもあり、上手く時流に乗ることができました。

スナップサイトが知名度を得たことで、企業から次々と「うちの商品やサービスを掲載して欲しい」との企業案件が舞い込むようになり、初月から売上は60万円を超えました。さらに売上を加速させるため、ストリートで出逢ったファッションキッズ達を中心に営業部隊をつくって、案件に応じてマージンを支払う仕組みにしました。

そこからモデル志望者達とのつながりも増えてきたので、モデルのマッチングサービスも開始しました。

瞬く間に僕等の勢力は増し、原宿で知らぬ者はいないようになり、東コレのレッドカーペットにも招かれるようになりました。

テーマは「充実していない人をなくす」こと

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小儀さん

手取り20万円で介護事業をやっていた自分には失うものは何もなく、失敗したとしても再就職が可能な業種だからこそ、起業にリスクはまったく感じませんでした。特にこれと言って初期投資や経費、ランニングコストがかかる事業でも無いので。

起業して良かったと感じる点は、努力に応じて収入が幾らでも無限に増やせること、そして自由に使える時間が増えたことです。経済的、時間的な制約や、会社のルールから解放された今、アイデアを形にする喜びと充実感を日々感じています。

すべてを自分で選択できるので、安定と引き換えに人生の舵取りを会社に委ねなくてもよくなりました。

アイデアと人脈は無限にあったので経済的な苦労はありませんでしたが、事業数に対し人材不足や育成の課題に直面したことはあります。

14事業を自分がプレイングマネージャーとして、1日3時間の睡眠で365日休みなしで働いていた時期はしんどかったです。今は任せる人が育ちましたが、当初は人に任せたり、育てたりするセンスがありませんでした。

経営や商業について学ぶ機会はありませんでしたが、そうした実践の積み重ねの中で「環境が自分を育ててくれた」という感覚はあります。

今後のテーマは「充実していない人をなくす」です。これまでtoB向けのサービスが多かったですが、企業理念をさらに拡大し、より全ての人が輝けるようtoC向けサービスを展開していきます。

家と会社や学校の往復の日々をつまらないと感じているすべての人に対して、自分が人生の主役であることを再認識し、もっと充実した生活を送ってほしいと願っています。

その一心で残りの僕の命を使い切りたい。

たとえば僕と同じように起業を夢見る方には起業支援コミュニティーを。

健康的に美容や体力向上を目指せるような、自然と交流の生まれるコンタクトスポーツを取り入れたジム運営を。

そして既存のステレオタイプに囚われない、普通のOLや主婦でもご自身を誇れるようになる新しい形のミス・ミセスコンなど。

すべての人々を輝かせる、日本中から充実していない人を無くすため、邁進してまいります。

著者をもっと知りたい方はこちら