フレアバーテンダー世界チャンピオンの原点「好きなことに情熱を注ぐ」

MITSU

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2023.04.07
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_MITSUさん

MITSUさんは、フレアバーテンダーとして国内外で数々の大会に優勝しています。現在は飲食店を2店舗を経営しながら、個室サウナを運営。その他、フレアバーテンダーのショーやケータリングのバー業務、ラテプリンターの機械販売・レンタル事業など、幅広く活躍しています。世界にもその名を轟かせているMITSUさんに、フレアバーテンダーを目指すきっかけや、今後のビジョンについて伺いました。

兄に憧れ、フレアバーテンダーを志す

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私には3つ上の兄がいます。横浜のクラブファイアでバーテンダーをしている兄がかっこよくて憧れ、バーテンダーを目指す最初のきっかけとなりました。学生のときにガソリンスタンドでアルバイトをしていた頃、よく周りの人たちに「将来、バーテンダーをやってみたい!」と言っていました。

アルバイト先の子の彼氏がバーテンダーと聞いて紹介してもらったところ、その方が後に私の師匠となる太田基裕さんでした。太田さんは、当時日本で20人しかいない技術を持っている方で、ボトルを投げてカクテルを作る姿を見たとき、感動と同時に「自分が目指したいのはこれだ!」と、憧れの兄と自分の夢がリンクしたのを感じました。

「フレアバーテンダーになったらモテる!」その一心で始めてみることに。バーテンダーをやっていた兄がモテているし、自分もモテたい。それから、フレアバーテンダーを志して毎日のように太田さんがいるお店に通っていました。

当時はお金がなく、安いカクテル一杯を頼むために使うお金は1,000円だけ。それでもありがたいことに、フレアバーテンダーの技を1日1個教えてもらうのを30日間つづけました。

昔は練習用のプラスチックボトルがなかったので、酒屋で空きビンをもらってガムテープでぐるぐる巻きにして練習。割れると手が切れて血だらけになってましたが、傷は気にすることなく夢中で技を磨いていました。気づいたら自分自身がフレアバーテンダーとなっていました。

アジア人初の快挙を達成

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フレアバーテンダーとなった頃は、世界60カ国以上で約1,000店舗を展開する『TGI FRIDAYS』でアルバイトをしていました。そこで出会った仲間が、今でも仕事仲間となっています。

1988年に、トム・クルーズ主演の『カクテル』という映画が公開されましたが、実はTGI FRIDAYSが舞台となっています。TGI FRIDAYSではフレアバーテンダーの大会が行われているのですが、トム・クルーズにフレアバーテンダーの技術を教える人を選抜するために、大会を始めたのが発祥と言われています。

大会では最初から「絶対にチャンピオンになる」という気概はありませんでしたが、各国のお店で家族のようなおもてなしを受け、楽しみながら続けていました。

2003年の大会当日は誕生日だったこともあり、「誕生日に勝たなければ、人生で一生負け続けるかもしれない」と意気込んで大会に挑みました。結果は見事に優勝。世界チャンピオンは、アジア人初の快挙となりました。多くの人から「なぜチャンピオンになれたのか」と聞かれますが、正直、自分でも理由はわからないです(笑)

フレアバーテンダーひと筋の人生

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2022年7月に放送されたドラマ『フレアバーテンダーズ』では、出演する俳優さんの講師をさせていただきました。フレアバーテンダーの協会に届いたメールにたまたま自分が対応していたところ、プロデューサーが「私、お店に行ったことがあります」とひと言いただいたことをきっかけにお会いして、講師を引き受けました。

俳優さんに教える時は、テレビの関係もあるのでメディア側が望むものを的確に限られた時間でお伝えすることに注力していました。一方、本気でフレアバーテンダーを目指す方には、きらびやかな部分だけではなく、グラスの拭き方や食器の洗い方まで細かく指導します。どれくらい本気かをお互い見定めることが重要ですし、真剣な人にはお金関係なく自分の経験をお伝えしています。

フレアバーテンダーの好きな側面は、主役としてスポットライトが当たりながらも、その後のサポートや皿洗いをする裏方の両面が体感できるところです。今後、フレアバーテンダーのことをもっと知ってもらうために若手の育成はもちろんですが、自分自身も大会に出場してお客さまに満足してもらうよう全力で取り組みます。

私は、社会人を経験したことがなく、フレアバーテンダーになるうえで挨拶の仕方などを教えてもらいました。これからも、フレアバーテンダーひと筋で取り組んでいきます。将来何かに挑戦する若者に何かお伝えできるとしたら、好きになるコンテンツがあればただ情熱を注ぐことです。社会に必要なことなどは後からついてくるので、がむしゃらにチャレンジすることが大切だと思います。

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