一人ひとりの世界観に光を灯す!夢★カフェから生まれた“イキイキ働く社会”への想い

 久志本 寛子

久志本 寛子

世界観インタビューや世界観ガイドラインプログラムを通じて自己表現サポートを提供されている久志本寛子(くしもとひろこ)さん。夢を応援し合うカフェ会、夢シェア交流会など夢を応援する場をつくり、関わる方のビジョンやミッションを引き出す活動をされています。これまで経緯や具体的な活動内容についてお聞きしました。

出会いが導いた“夢を応援する”という生き方

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私は長く会社員として働いてきました。社会人になり、日々の仕事に打ち込みながらも、どこかで「自分の世界をもっと広げたい」という気持ちが常にありました。そんな思いから、会社の外で人と会うことを意識的に始めたのが、私の転機でした。きっかけはとてもシンプルで、「いろんな人の働き方を知って視野を広げたい」「自分を磨くには人に会おう」という思いからでした。最初はビジネスマッチングアプリを使って、いろんな方にお会いする中で、その人の仕事や業界の話を聞くのも楽しかったのですが、気づけば私は「なぜその仕事を選んだのか」「その背景にはどんな想いがあるのか」といった“人のストーリー”に強く惹かれていました。

その人にしかない唯一無二の物語を聴く時間が、私にとってたまらなく楽しいものでした。話を聴いているうちに、相手が自然と夢やこれからの展望を語ってくれる瞬間があり、その時間に立ち会えることが幸せだったんです。そんな経験を重ねるうちに、「この人たちの想いを、もっと応援したい」と思うようになりました。イベントに参加したり、会いに行ったりするうちに、「私自身の活動を通して応援する手段をつくりたい」と感じるようになり、始めたのが“夢★カフェ”という活動でした。

夢★カフェ”は、会社員をしながら私が主催した「夢を応援し合うカフェ会」です。参加者が夢を語り合い、叶ったかのように話すことで前向きな気持ちを共有し、互いの個性を掛け合わせて夢を叶えていく、そんな時間を提供しています。気づけばこの活動も4年が経ちました。続けられている理由は、何よりも自分自身がこの時間を通じて一番ワクワクできるから。“夢★カフェ”は、私にとって“生きる力が湧く場”であり、まさにライフワークとなりました。

ビジョン・ミッションを引き出す”インタビューの力”

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“夢★カフェ”を4年続ける中で、多くの方の夢や想いに触れてきました。そして私は気づいたのです。誰もが自分なりのビジョンやミッションを心の中に持っているということを。たとえ自覚していなくても、今の仕事を選んだ理由や続けている理由の中には必ず“想い”が存在している。けれど、多くの人はそれを言語化できずにいる。初対面の場で「私のビジョンは〜です」と語る人はほとんどいません。素敵な想いが知られないまま埋もれてしまう、それがもったいないと感じたのが、私が“インタビュー”を始めたきっかけです。

私の強みは「話を聴くこと」。そして、会社員時代にITスタートアップで、ビジョナリーな経営者の右腕として伴走した経験があります。経営者は想いが強く、話すのが上手なのに、毎回伝える内容が違ってしまったり、統一感がなくなったりすることもありました。その中で私は、社長の言葉を丁寧にヒアリングし、整理し、形にするという役割を自然と担っていました。つまり、「想いを言葉にして、伝わる形に整える」ことが私の得意分野だったのです。

この経験と、自分の“好き”を組み合わせて始めたのが「世界観インタビュー」100人チャレンジです。夢や想いを持つ方々にお話を聴き、ビジョン・ミッションの言語化をサポートする取り組みとしてスタートしました。当初は「本当に100人もできるのだろうか」と不安もありましたが、インタビューを受けた方が「良かった」と感じて紹介してくださる循環が生まれ、気づけば100人を達成していました。

私が大切にしているのは、“相手の心の温度を上げるインタビュー”です。2時間という時間を共にする中で、声のトーンや表情の変化から相手の心の動きを感じ取り、その瞬間を大切に深掘りしていく。終わったあと、みなさんが笑顔になり、「点と点がつながった」と言ってくれることが、何よりの喜びです。過去の出来事や選択を振り返ることで、「だから今この仕事をしているんだ」と自覚できる。それは、まるで自分の人生に一本の軸が通るような体験です。

一人ひとりの世界観に光を灯す

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100人の方々へのインタビューを通じて、私は確信しました。

「ビジョンやミッションがない人は、いない」ということです。

ただ、自分でまだ気づいていないだけ。あるいは、「これを言っていいのかな」「まだ完成していないかも」とためらっているだけ。そんな繊細な想いを抱える人にこそ、私は寄り添いたいと思っています。自分の想いを安心して表現できる場で話してもらうことで、初めて“自分の言葉”に出会える。そういう方々に、共鳴し、引き出し、整理していくのが私の役割です。

インタビューでは、過去から現在へとストーリーを辿りながら、その人の人生を“線でつなぐ”ことを意識しています。多くの人は自己分析を点で終わらせてしまいがちですが、私はそこを線でつなぎ、「今に至る理由」を一緒に見つけていきます。そうすることで、「過去の経験はすべて今につながっていた」と気づく瞬間が生まれます。その瞬間の笑顔や涙を見るたびに、私は「この活動を続けてきてよかった」と心から感じます。

私のビジョンは「誰もがイキイキ働く社会を創ることです。

会社員時代、職場の人間関係の悪化で心が疲れ、「もう仕事はいいや」と思った時期がありました。けれど、趣味に逃げても心から楽しめなかった。働く時間が人生の大部分を占める以上、「働くことを楽しむ」ことから逃げられない。だったら、どうせ働くなら楽しい方がいい。そう考えたときに、私にとっての“イキイキ”とは、挑戦している瞬間だと気づいたのです。挑戦によって自分の成長を感じ、新しい世界が広がる。その感覚を、誰もが仕事の中で味わえたら、社会全体がもっと明るくなる。そう信じています。

そして、私のミッションは一人ひとりの「世界観に光を灯す活動を通じて、魂の自己表現に寄り添うこと。

人は誰しも、自分の中に“光の種”を持っています。その光を見つけ、形にする手伝いをするのが、私の使命です。自分の中に眠る信念や情熱を見つけ、「これでいいんだ」と気づいたとき、その人は確実に輝き始める。その輝きが周囲に伝わり、また次の人の心にも火を灯す。そんな循環をつくっていきたい。これからも私は、“自己表現に挑戦する人”を応援しながら、自分自身も挑戦を続けていきます。

「一人ひとりの想いが、社会を変える光になる」——その信念を胸に、今日もまた新たな出会いに向き合っています。

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