たくさんの人が輝けるサポートを。新進気鋭のヘアメイクアーティストが語るメイクの価値

腰山 暁子

腰山 暁子

特殊メイク材料を使った印象的なアート作品を制作している腰山暁子(こしやまあきこ)さん。独創的なアート作品を武器にヘアメイク業界で活躍する腰山さんに、フリーランスとして活動するうえで大切にしてきたことや、ヘアメイクの魅力について伺いました。

家賃が払えないことも…辛い下積み時代を経験

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_腰山暁子さん_ブライダルヘアメイク

私はもともと美容が好きで、美容の仕事がしたくてヘアメイクを始めました。ヘアメイクのジャンルはいろいろあって、テレビや映画、媒体によって少しずつ違うのです。ファッション系と映画でも全然違っていて、映画なら映画のヘアメイクの仕事がメインで入るなど固定されていたり、業界で分かれていたりします。

もちろんジャンルを問わず何でもやる人もいます。私は何がやりたいのかはわからなくて「まずは全部やってみたい」と思ったので、いただいたお仕事は何でもやりました。最初はアイドルとかそういうお仕事から始めて、ブライダルも映画もドラマも、いろいろなジャンルをやりました。

名古屋でフリーランスとして活動を始めましたが、20代の頃に東京でヘアメイクの仕事に挑戦したいと思い上京。東京では、多くのアーティストと出会いました。その中には海外で経験を積んだ方も多く、彼らの作品を目にするたびに、自分もこうした作品を手がけたいと強く感じました。

しかし、海外で求められるメイクと日本で求められるメイクには違いがあると感じ、日本でフリーランスとしてまずは自立することを目指しました。それでも最初の頃は大変なことばかりでした。東京に知り合いはいないし、フリーランスとして十分に稼げなかったため、アルバイトも掛け持ちしていました。

家賃が払えないこともあり、いっそのこと辞めるべきかと悩むこともありましたが、「どうしてもメイク一本で生計を立てたい」「メイクの仕事をずっと続けたい」という強い意志で、困難な状況を乗り越えてきたのです。

モデルの魅力を最大限に引き出すメイク

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_腰山暁子さん_赤い花のヘアメイク

時代の流れとともにメイクのトレンドが次第にナチュラルメイクへと移行していくなかで、私は次第にメイクに対して面白さや楽しさを感じられなくなっていました。もっと海外でも通用する技術を身につけたい、そしてその技術を活かした仕事をしたいという思いから、自分が本当にやりたいことに挑戦しようと決意しました。そこで、特殊メイクと通常のビューティーメイクを合わせた新しいスタイルでやっていくことにしたのです。

メイクは、モデルさんが内に秘めている魅力に合わせた世界観を作り出し、たとえばアイラインを1ミリ伸ばすかどうかで顔の印象が変わるように、その人が最も輝けるポイントを見つけ出す仕事です。

最初は難しかったものの、毎日続けることで「この人にはこうしたほうがいい」と感覚的に分かるようになりました。10年前の自分とはまったく異なる感性を持っていると実感していますが、日々進化し続ける自分でありたいと思っています。

メイクの仕上がりによって、メイクを受けた人の心も大きく変わります。それを最大限に引き出すことが私の仕事だと言えるでしょう。女性が自分の美しさを感じることで幸せな気持ちになれるように、その瞬間を作り出したいという強い思いがあります。綺麗になることで幸せになり、その人を輝かせることがメイクの価値だと思います。

アーティストが海外でも輝けるフィールドをつくりたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_腰山暁子さん_海外でのメイクフィールド拡大

今後も、現在手がけている作品のような方向性で仕事を続けていきたいと思っています。そして、日本でも私が生み出すメイクが広く認知されるようにしたいと考えています。海外と日本を行き来することも視野に入れていて、たとえばアメリカに行く機会があれば、自分の会社を設立して、人を現場に紹介したり、色々とつなげたりしたいです。

多くのアーティストが海外で活動したいと望んでいますが、ビザなどの問題でそのハードルが高いと感じている人が多いのが現状です。そうしたアーティストたちが、本当にやりたいことを実現できるようにサポートしていきたいと考えています。

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