全国優勝も経験した現役のプロラグビー選手が得た教訓「ラクビーで主体性を育てる」

喜連 航平

喜連 航平

2023.12.20
見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_喜連航平さん_小学時代のラグビー

現役のプロラグビー選手であり、ラグビーを多くの人に知ってもらうためのコミュニティーを運営する喜連航平(きれこうへい)さん。ラグビーを始めたきっかけや、ラグビーをやっていくなかで培われた教訓について教えていただきました。

ラグビーを始めたきっかけは幼稚園の先生

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4歳の時、幼稚園でラグビーと出会いました。手品が得意な人気の先生が、伊丹市内のラグビースクールの校長を務めていて、週に一度のクラブ活動でラグビーを教えていました。私は手品が見たいという思いだけでラグビー部に入部して、それからずっとラグビーを続けています。現在、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEには、同じくその先生の指導を受けた選手が5人もいるんですよ。

ラグビーに本気で取り組むきっかけとなったのは、幼稚園の年長の時に行われた姉妹園との交流戦です。勝つとチョコレートがもらえるので、チョコレート欲しさに頑張ったら優勝しました。この時に初めて、ラグビーの楽しさを実感しました。小学校ではラグビースクールに通い、そのチームで県大会を6連覇するなど、小学校時代は負け知らずでした。

私は足が速かったので、小学生の時はよくトライをするようになりました。それを見た父親のラグビー熱がヒートアップして、父親と一緒に自主練をする日々が始まります。練習が結果につながる喜びを体感し、小学生の時にはもうプロのラグビー選手になりたいと思っていました。

全国大会で優勝したチームのキャプテンとして活躍

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_喜連航平さん_高校時代ラグビー

小学校低学年だと足が速い子どもが上手いとされますが、高学年になってくると体の強さが競技力に直結します。私は足が速かったものの体格が小さかったため、そこからトライを取るというより“指揮する”ポジションになりました。自分で点を取るよりもチームを指揮し、結果を出すことに喜びを感じるようになりました。

小学校6年間、ラグビースクールで私たちを指導したコーチは、自発的な考え方を促すタイプでした。自分たちで考えて練習したり、コーチに提案したり、練習の連絡網も私が担当していました。この経験が私の主体性を育てることになり、私のラグビー人生の原点でもあります。

兵庫県出身の私は、ラグビーの強豪校が多い大阪の高校に進学しました。多くのラグビー強豪校では1学年約50人、総勢150人の部員がいます。しかし、私が選んだ大阪桐蔭高校はラグビーで特に有名ではありませんでした。

それでもラグビーにすべてを捧げる心持ちで3年間ずっとレギュラーで試合に出場し続け、3年生ではキャプテンに就任。それまで全国ベスト8にすら進出したことがなかった私たちのチームは、春の全国大会で優勝を果たすことができました。

人間関係を学んで人として成長した大学時代

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学生時代は、チーム全体の質を高めるというよりも、個人の能力向上に重点を置いて練習していました。自分が良い成果を出せばチームのためになると、ベクトルを常に自分に向けていました。

私はチームの士気を高めるのが得意だという自負があって、自分が言い出したことに周りを巻き込んで結果にしていくという成功体験をたくさんしてきました。逆に自分より先に言い出しっぺがいると何もしないんですけどね(笑)

また、周りの人を否定しないことも意識しています。小学校から高校まで、ラグビーに恵まれた環境で良い成績を収めることができました。一方、大学時代のチームは情熱やエネルギーが不足しており、ラグビーへの意欲も疑問視されるほどでした。でも、そのチームにいたことが私のラグビー人生にはプラスだったと思います。

ラグビーで常に成功してきた人たちは、練習に不参加なメンバーに対して厳しい態度を取りがちです。私自身も大学に入学した当初は、何で練習しないのかとうるさく言っていたので、当然チームメンバーから疎まれました。

このアプローチは間違いだと気づき、自分の意見を押し付けるのではなく、相手の立場を理解し寄り添うことの重要性を学びました。他人を変えることはできません。チームを良くしようと思った時に、周りに流されず自分が誰よりも頑張ることを決めました。そのことで他人を理解する力も養われたと思います。

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