元アクション俳優がベトナムで切り開く新しい道。“サムライアーティスト”として国家イベントにも出演

勇武

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2023.11.22
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ 勇武さん

“サムライアーティスト”として、ベトナムで人気を博している勇武さん。もともとは日本でアクション俳優として12年間活動していましたが、重傷を負ったことをきっかけに、新たな挑戦をすることを決意。フィットネスジムの開業からベトナム進出まで、これまでの人生の道のりを語っていただきました。

趣味の延長からはじまったアクション俳優への道

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私は日本体育大学の在学中に、運動したいという思いから、偶然誘われたアクションクラブに参加しました。いくつかのクラブを訪れた後、『倉田アクションクラブ』に入会を決めました。その頃、ジェット・リー主演の映画『キス・オブ・ザ・ドラゴン』を観て、アクションに対する情熱が高まっていました。

当初は趣味の延長のような感覚で参加していましたが、スタントマンやアクション俳優を目指す“ガチ勢”が、クラブには多く在籍していました。私のような軽い気持ちで参加する人は珍しい存在だったのです。

それでも運動神経には自信があったので「勝ちに行こう」と決めて、技術の習得に励みました。当時は大学生だったこともあり、他の人と比べて時間があったので、練習に没頭することができました。

私のデビュー映画は、日本のアクションを代表する倉田保昭先生と、千葉真一さんの共演作品。監督を務めたのは、今や日本を代表するアクション監督である谷垣健治さんでした。重要な役を演じる機会を得たのですが、初めての演技は非常に恥ずかしい経験となりました。

それから裏方よりも出演する方が多くなってきたので、本格的にプロとしての道を歩み出し、アクション俳優としては12年間活動しました。

主演映画のリハーサル中に前十字靭帯を断裂

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しかし、8年前の主演アクション映画のリハーサル中、前十字靭帯を断裂する怪我をしました。前十字靭帯は、いったん損傷すると自然には治らず、現在は金具で固定している状態です。

アクション一筋でやってきた私は、当初このままでもやっていけると考えましたが、反応速度が落ちていたのは明らかでした。 3回ほどキックをすると激痛が走り、足が曲がらなくなります。

私が映画に出演する際の強みはアクションでしたが、その能力が落ちたため「この業界で他の人に勝つのは難しい」と判断しました。上を目指せないのであれば、続ける意味がありません。不本意ながらもアクション俳優を引退する決断をしました。

次に何をしようかと考え、フィットネスジムの開業を決めました。日本にはアクションクラブはたくさんありますが、アクションとパーソナルジムを掛け合わせたフィットネスジムは珍しいです。

「これなら成功するかもしれない」と考え、90分12,000円という強気の価格設定で挑戦しましたが、最初はお客さんがほとんど来ませんでした。それでもウェブサイトの作成やSNSを通じての宣伝など、ジムの認知を広げる努力をしました。この過程は、俳優時代の自己PRと似ていると感じました。

厳しい状況が続きましたが、救いとなったのは過去に築いた人脈でした。人の力を借りながら、少しずつ前に進んできたイメージです。

ベトナムと日本をつなぐきっかけになりたい

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現在は、活動拠点をベトナムに移しているのですが、そのきっかけとなったのは、実はヒーローショーです。俳優をやめる直前に、ヒーローものの番組に出演していたのですが、仙台のベトナムフェスティバルで、ヒーローショーをすることになりました。

そのショーが好評で、主催者から「翌年にベトナムのホーチミンで開催されるフェスティバルで、何か披露してほしい」と依頼されました。

ベトナムで初めて出演するフェスティバルに数万人が集まると聞き、「じゃあ、侍しかないな」と思いました。剣術であれば足への負担も少なく、親日国であるベトナムでは侍に対する認識も高いと考えたのです。実際、侍としてパフォーマンスを披露したところ、とても盛り上がりました。

多くの日本人が侍パフォーマンスを披露していますが、フェスティバルへの参加だけに限られるケースが一般的です。私は、そのような活動だけに満足せず、ベトナムに特化することを決意しました。

現在は日本とベトナム半々を活動拠点とし、新たなジムを開設するため物件探しも進めています。また、さまざまな人々との出会いを重視し、人脈を広げています。その縁から、首相が出席する国家イベント『Gap Go Gia Lai-Nhat Ban2022』に参加する機会もいただきました。

私は、運を引き寄せるために「やりたいことを人に伝える」ことを重視し、自分の意志を周囲に伝えています。「誰がなんと言おうとこれをやる」と心に決めたら、積極的に人に話すことが大事だと考えています。

フェスの主催者に「ベトナムでジムを開きたい」と伝えたり、飲み会で侍パフォーマンスをしていることを話すなど、さまざまなコミュニケーションを通じて支援者を得ています。

現在は、1人でのビジネス的な活動と共に、アーティストとして『SAMURAIGANG』というユニットを立ち上げ、アクション女優でもあるユリとともにベトナムの活動を活発化させています。孤児院での慈善活動や、日本企業のベトナム進出支援など、多岐にわたる活動に取り組んでいます。

また、2023年11月にベトナムで開催される大規模マラソン大会では、宣伝大使に任命されました。今後も日本とベトナムをつなぐ役割を果たすべく、精力的に活動を展開していきたいと思います。

SAMURAIGANGの活動をサポートしてくださるスポンサー様を募集しております。また、ベトナムへのビジネス展開を考えてる日本の方のサポートもさせていただきますので、ぜひともお気軽にお問い合わせください!

YouTube:
https://youtube.com/@samuraiuniversity_samuraigang?si=iEszKQh738X6yFxX

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