子どもの創造性を育む『キッドプレナーラボ』の取り組み

松尾 優子

松尾 優子

2023.11.20
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​​薬学部卒業後、外資系の診断薬メーカーの研究開発員として8年間勤務していた​松尾優子​さん。「子育てが人生最大の誇り」と語る松尾さんは、子どもたちの起業家精神を育む『キッドプレナーラボ』を立ち上げました。日本の教育システムと文化の違いに挑み、子供たちの自己表現と成長を支える取り組みを紹介します。​

子育てが変えた価値観と人生の方向性

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​​私は、薬学部を卒業後、外資系の診断薬メーカーで研究開発に8年間従事し、心臓病の診断薬の開発で社長賞を受賞するなど、充実したキャリアを築いてきました。​ 

​​仕事にはやりがいもあり、職場環境にも恵まれていたので、子供が生まれてからも仕事を続けるつもりでいました。子供が生まれるまでの私は、やりたいことは想いと努力で叶えられると信じていましたが、長女が生後3か月の時に子育ての大変さから仕事を続けることが困難となり会社を退職。初めてやりたいことが叶えられないという挫折感を味わいました。 

​​子育て中の私は「子供は自分とは別人格である」ことは理解していましたが、子供と、子供の時の自分との違いに戸惑うことばかりでした。子供の言動に素朴な疑問で「なんでそう思うの?」と聞くことがよくありましたが、子供たちはその私の投げかけを「否定されている」と受け取っていたことがあとになってわかりました。 

​振り返ると、肯定感を育ててあげることができなかったように思います。​ 

それが原因かはわかりませんが、2人の子供は不登校になりました。その当時は薬剤師をしていて、職場では楽しくやりがいをもって仕事をしていましたが、子育てでは途方に暮れることが続き、常に悩みを抱えていました。​ 

​​そして仕事がステップアップするたびに子供のことで直面する問題が起こり、「​​もしかしたら私の人生のテーマは、仕事ではなく子育てなのかもしれない​​」と考えるようになりました。「それならこの人生子供たちと真剣に向き合おう」と決心し、人生の方向性を変えることにしました。​ 

子供も30歳を過ぎた現在、私は自分の人生において「子育てこそが人生最大の誇り」だと感じています。 

『北風と太陽』のように母親が太陽のように子供たちを温かく照らし続ければ、いつか子供はコートを脱ぎ、自立する日がくることを実体験から学びました。 

​「信じて待つこと」と「肯定感をはぐくむこと」が子育てには重要であると感じています。

子どもたちの起業家精神を育む『キッドプレーナーラボ』の挑戦

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2023年6月、子どもたちの起業家精神を養うことを目的とした『キッドプレナーラボ』を仲間と立ち上げました。この活動は、2年前から、音声SNSのClubhouseでの交流がきっかけでした。

この活動を通じて日本文化、日本精神のすばらしさを知るとともに、日本の現在の教育の課題に着目し、未来の宝である子どもたちが、肯定感をもってグローバルに活躍できるよう関わっていきたいと強く思うようになってきました​ 

​​日本では、管理がしやすい「1+1=2」といったひとつの正解を求める教育が行われている傾向がありますが、​​私は「2=〇〇」の解を求める方が答えは無限であり、子供の創造性を育み、これからの日本の教育に必要と考えています。​ 

​​また日本には今も、“間違いを恥じる”文化が色濃く残っています。「誤った発言は恥ずかしい」という考え方が教育に影響を及ぼしています。対照的に、海外では自分の意見を言わないとバカにされてしまいます。​ 

​​このような文化の違いが、日本の子どもたちが意見をシェアしたり、アウトプットすることに苦手意識を持つ一因になっています。​ 

​​私たちはその課題に取り組むため、まず子どもたちが自らの考えを安全に表現できる場を提供することを心がけました。どんな意見も否定することなく、「へえ、そうなんだ!」と受け入れる姿勢で聞き続けています。​ 

​​「話を聞いてくれる大人」がいれば、子どもたちは自分の感じていることを積極的に表現し始めます。最初は目を合わせることができなかったり、他人の話を聞くことが難しかったりした子どもたちが、私たちの活動に参加して以降、学級委員会への立候補やイベントの実行委員を務めるなど、大きな成長を遂げているのです。​ 

​​中には、「生きていてよかった」と心から語る子もいます。そうした声を聞く度に、私たちの活動が決して間違ってはいなかったと感じ、私たちの原動力となっています。子どもたちの人生に、少しでも良い変化をもたらすお手伝いができていると思うと、大変嬉しく思います。​

子どもたちの夢を応援し続けていきたい

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​​現在、私たちは「こども先生」という企画を実施し、子どもたちの得意分野を大人に教える機会を提供しています。子どもは自分の得意なこと・好きなことを、自発的に伝えたい気持ちを持っています。

実施してみて子どもたちのプレゼンする力がアップしたこと、親御さんを含む大人は子どもたちが思っている以上に力を持っていることに気づくこと、プレゼンをやり終えた達成感と賞賛の感想から、子どもたちの肯定感が飛躍的にあがったことなど、想定以上の成果が得られています。 

​​また、今年 10月から開催している「こどもがつくるこどもの会社プロジェクト」では宝塚にあるリフォーム会社駒商の協力のもと、4社のこども会社がたちあがり、事業アイディアが提案されました。大人では到底できない子どもたちの発想には目を見張るものがあり、ここでも子どもの無限の可能性に気づかせていただいています。​ 

​​多くの子どもが、「自分を受け入れられている」と感じたとき、安心感から積極的に自己表現をするようになります。これまでにも多数の子どもたちが、想像を超える成長を遂げるのを目の当たりにしました。​ 

​​これからも未来を担う子どもたちが、自分のやりたいことや夢に挑戦できるよう 

​★生き抜く力 
​★夢を実現する力 
​★問題を解決する力 
​★みんなを幸せにする力 

​を育むサポートを続け、彼らの輝く可能性を信じ、これからも応援していきます。 

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