『キハ40系』が走る北条鉄道。ローカルから全国区へチャレンジする軌跡

1985年に開業し、今年で38周年を迎えた北条鉄道。兵庫県小野市の粟生駅(あおえき)から兵庫県加西市の北条町駅までを結ぶローカル線です。2022年に『国鉄キハ40系気動車』を導入したことで、全国の鉄道ファンから注目されています。今回はそんな北条鉄道の魅力や特徴、今後の展望を伺いました。

北条鉄道の魅力とは？

北条鉄道は兵庫県小野市と加西市を走る鉄道で、栗生駅～北条町駅の区間を運行しています。車窓から、田園風景を眺めることができるため、都会から癒やしを求めて来られる方もたくさんいます。大阪から電車で2時間足らずの距離なので、手軽に訪れることができるのも人気の理由です。他にも地域の方々の移動手段としての役割も担っていて、地元の方々にとって必要不可欠な存在です。

北条鉄道には鉄道会社としては珍しく、賛歌があります。新型コロナウイルス流行前に季節イベントをよくやっていたのですが、歌手の藤野ひろ子さんが参加してくださりました。そこで前副社長と藤野さんが知り合い、「北条鉄道の歌を歌ってくれないか？」とオファーしたところから『北条鉄道賛歌』が生まれました。

北条鉄道では、『おでん列車』や『ビール列車』など、さまざまなイベントを開催しています。もともとは子供向けの『サンタ列車』や『カブトムシ列車』などのイベントをやっていましたが、大人向けのものも開催することになり大人気となりました。イベント中は『北条鉄道賛歌』を流しており、賛歌は北条鉄道にとってなくてはならないものになっています。

北条鉄道ならではの特徴的なグッズ

ほかの鉄道会社と同様、北条鉄道もさまざまなグッズの販売をしています。ボールペンなど一般的な日用品もありますが、人気が高いのが『鉄印帳』です。神社や寺をめぐって御朱印集めをする御朱印帳のように、駅で『鉄印帳』に鉄印を集めるのが醍醐味です。『鉄印帳』は全国の第三セクター鉄道でやっているもので、40社ほどが参画しています。　　

また、北条鉄道で最も特徴的なグッズは鉄道部品です。鉄道で使う部品をグッズとして売っています。たとえば、『制輪子(せいりんし)』という部品があり、車でいうブレーキパッドにあたります。

ブレーキをかけるのに必要な部品ですが、長年使っているとすり減って使えなくなるので試しにグッズとして売っていたところ、人気商品となりました。主に漬物石の代わり、ブルーシートを抑えておくための重りなどの用途で使われています。

国鉄キハ40系気動車の導入

国鉄キハ40系気動車(通称キハ40)は、昭和55年前後にJRの前身である国鉄時代につくられた気動車です。気動車(きどうしゃ)とは、内燃機関や蒸気機関などの熱機関を動力として自走する列車のことです。もともとは全国で運行していましたが、電車の普及と共に徐々に数が減っています。

北条鉄道では2022年に単線だったところから線路を増やし、列車がすれ違えるようになりました。その結果、運行本数を増やすことに成功しましたが、予備の車両がなく、その際に秋田県で運行終了になったキハ40を買い取りました。

キハ40を購入するためにクラウドファンディングも行い、なんと1日で第1目標であった300万円を達成しました。さらにどんどん出資が集まり、最終的には1,300万円に到達しました。みなさんのご協力のおかげで導入が実現しました。本当に感謝しかありません。

キハ40のデビューには想像以上に多くの方がいらっしゃり、長蛇の列にとても驚きました。2023年2月には1周年記念のイベントを行い、今後も多くの方々にキハ40を愛していただけたら幸いです。

何度も廃線の危機を乗り越えて現在の北条鉄道があります。そして、2022年のキハ40導入がきっかけで北条鉄道は全国区になりつつあります。これからも成長し続け、地元から愛されつつも、全国から人が集まってくる鉄道会社になっていきます。そのためにいろいろなイベントも開催していきます。イベント情報は北条鉄道の公式Twitterで配信していますので、機会があればぜひご参加ください。

＜関連リンク＞

ワクセル公式YouTubeチャンネル
【廃線危機】地域の足を残したい!社員が大奮闘【北条鉄道×ワクセル】
https://youtu.be/Hq0gsikonCY

北条鉄道公式Twitter
https://twitter.com/HojoRail

北条鉄道公式ホームページ
http://www.hojorailway.jp/