まだ知らない自分に出会おう!カードと対話で広がる、未来の可能性

中高生の自己探求と対話を支援する活動を展開する、不二山七海(ふじやま ななみ)さんの連載コラムです。自分の強みや価値観は、一人で悩むだけで見つかるものでしょうか。高校生の実践から、まだ見ぬ自分に出会うヒントを紐解きます。

「自分の好きなことって、なんだろう?」
「自分には、どんな強みがあるんだろう?」
「将来やりたいことが、まだわからない……」
そんなふうに思ったことはありませんか?
自分のことを考えるのは意外と難しいものです。
けれど、友達やいろいろな人と話したり、何かに取り組んだり、新しいことを体験したりする中で、「楽しい!」「もっとやってみたい」「これ好きなのかも」と、ふと気づく瞬間があります。
そして、誰かの考えに触れて、自分との違いや共通点を見つけることも、自分を知るヒントになります。
CanVasでは、自己探求カードや対話、演劇などを組み合わせながら、自分の価値観や強みを探り、気づいたことを表現するワークを行っています。
今回は、高校生たちがカードをきっかけに遊びを生み出し、演劇にも挑戦した2日間の実践と、体験の様子をご紹介します!
友達と話すことで、自分では気づかなかった一面が見えてくる

とある夏、7人の高校1年生が集まり、自己探求カードを使い、自分の価値観や強みについて考えました。
カードに書かれた言葉をきっかけに、自分が大切にしていることを考え、いろいろなテーマで友達と話してみる。
すると、普段は話さないような深い話で盛り上がったり、お互いが考えていることを知ったり、相手の意外な一面が見えたり……
お互いをよく知る仲だからこそ、
「そうだよね!」「あぁだからか!」となることもあれば、
「え、そうだったの?」「そんな見方もあるんだ」「そんなふうに考えたことなかった」
と驚きや発見があるようでした。
さらに、ワークの後には、生徒たちが余った5枚のカードを使って、友達の価値観ランキングを予想するゲームを自分たちで考案しました。
相手のことを知ろうとするから、予想するのが面白い。自分との違いがあるから、新しい発見が生まれる。そんなふうに、気づきが自発的な遊びへとつながっていきました。
カードでの気づきを、体験を通して自分のものにする

1日目にカードと対話を通して自分や仲間の価値観に触れた7人。2日目は、即興演劇に挑戦しました。
参加者は全員が演劇未経験。「私は木です」「プレゼントゲーム」「次どうなるの?」「解決社長」などの活動を通して、体を使い、仲間の表現を受け取りながらアイデアをつないでいきます。
自分の発想を思い切って表現してみる。
仲間のアイデアに乗ってみる。
予想していなかった展開を、みんなでつくっていく。
難しいと苦戦しながらも、いろいろとチャレンジしてみながら、少しずつ体が馴染んできて、面白さが出てくる。
そして、演劇を楽しんで終わりにするのではなく、もう一度、価値観カードを眺めて振り返ります。
「どんなときに楽しいと感じた?」
「仲間と一緒に取り組む中で、何を大切にしていた?」
「〇〇さん、あのときここがすごかった。この価値観があった気がする」
体験したときの気持ちや行動を思い返しながら、カードに書かれた言葉と照らし合わせてみる。
すると、1日目のカードと対話で見えてきた自分への理解が深まったり、実際に体験したからこそ気づく、自分が大切にしていることや意外な強みが見つかったりします。
さらに、仲間の表現を振り返ることで、相手への理解も深まります。
カードは、日常の経験から自分を知るためのヒントになる
たとえば、探究学習でテーマを決めるとき。
気になったことを調べたり、誰かに話を聞いたりした後で、価値観カードを眺めてみます。
「自分はなぜこれに興味を持ったんだろう?」「何をもっと知りたいと思ったんだろう?」と考えることで、興味の背景にある自分の関心や大切にしたいことが見えてくるかもしれません。
そこから、次に調べたいことや、新しい問いが生まれることもあります。
部活動なら、練習や試合の後に、スキルカードを手がかりに振り返ってみます。
「今日、自分のどんな力を発揮できた?」
「仲間と協力する中で、どんなことを意識していた?」
結果だけでは見えにくい自分の行動や強みに目を向けることで、次の練習で試したいことや、チームの中での役割を考えるヒントになります。
普段の勉強でも活用できます。
問題が解けたときや、難しい課題に取り組んだときに、「どんなやり方が自分に合っていた?」「何が面白かった?」「次はどんな方法を試してみたい?」と振り返る。
カードに書かれた言葉をきっかけに考えることで、漠然とした感想を、自分の学び方や次の工夫につなげやすくなります。
カードは、正解を教えたり、自分の性格を決めつけたりするためのものではありません。
言葉を手がかりに、自分の経験を振り返り、まだうまく言葉にできていない気持ちや考えを見つけるためのものです。
選ぶカードがそのときどきで変わっても構いません。経験を重ねることで、自分についての理解も少しずつ深まっていきます。
カードで自分を知り、実際にやってみて、もう一度カードを使って振り返る
このサイクルを繰り返すことで、カードの中で見つけた言葉が、日常の経験と結びついていきます。
そして、「自分は何を大切にしたいのか」「次はどうしてみたいのか」を、自分自身で考える手がかりになります。
自分を知ることは、一度答えを出して終わるものではありません。
体験するたびに新しい自分に出会い、その気づきを次の行動に活かしていく。自己探求カードは、その積み重ねを支える道具の一つなのです。
自分への問いを重ねることが、自分なりの選択や行動につながっていきます。
自分を知ることは、未来の可能性を広げること。
CanVasは、そんな「自分を知り、未来をつくる」機会を、これからもつくっていきます。