人生最後の仕事は地球への恩返し!有害排出ガス削減に真向勝負する経営者の想い

株式会社EiShin(エイシン)は日本、アメリカで特許を取得した環境商材、エコスプレーを開発製造しています。その開発・販売の道のりは平たんなものではなく、数々の挑戦と苦労の連続でした。そんな株式会社EiShin代表取締役 安永知恵(やすながちえ)さんから、地球に貢献する事業への想いや今後の展望などを伺いました。
大切な空気を守りたい、その想いに共感する仲間と共に
弊社は環境商材のメーカーで、エコスプレーという商品を開発製造しています。内燃機関の燃焼効率を上げ、車両の排出する有害なガスを削減して燃費も改善する商品です。起業に至った理由は、「私の人生最後の仕事は、地球に恩返しすること」という想いからです。大気汚染に注目したのは、空気というものが息を止めたら生きていけない、人間にとってなくてはならないものだと考えたためです。また、目には見えないコロナウイルスが空気中に漂い、人間が生命の危機を感じた今、当たり前にある空気というものの大切さをさらに感じています。
有害な排ガスの削減をしたいと考えていた時、その当時親しくしていた工学博士で内燃機関に見識のある方に、排ガスは不完全燃焼によって排出されているため、完全燃焼に近づけることができれば有害な排ガスは出なくなることを教えていただきました。そこから車好きな方なども含めた、さまざまな分野の方にアドバイスをいただいたことで、商品の構想が固まっていきました。私自身は、作るなら使う人にも車にも優しい、自然素材を使った商品を作りたいと考えていました。開発においては、4回ほどバージョンアップを繰り返し、今の形になっています。
もう無理だと思ったときに訪れる逆転のチャンス
私が知らなかったのもあるのですが、当時燃焼効率の改善に関しての商品は、あやしいもの、オカルト商品なんて言われることもあり、信頼を得るのにかなりの時間を要しました。始めてみてこんなに大変な分野だったんだ、と痛感しました。国内ではあやしい商品が横行していたこともあって、弊社の商品や過去の導入に関する実績は証明されていても、すぐに導入にはつながりません。導入を検討される会社様は、その実績は他社の車の話なので自社の車でテストさせてほしいというケースもあり、実際に導入されるまで半年から1年もの時間がかかることもありました。
いろいろな苦労はありますが、弊社は商品をきっかけに出会った代理店様や紹介をいただいた方、この事業にかけてくださる方々の応援が力になっています。そして、もう無理かもしれないと思ったときに、必ずこれは絶対に事業が前進するぞと思うことが起きたのも、ここまで継続してこられた理由のひとつです。
会社として苦しい時期に、まず申請してみようとチャレンジしたことがきっかけで、2016年11月に国連機関であるUNIDO(国際連合工業開発機構)の環境技術データベースに国内で35社目に登録される商品となりました。これがきっかけで世界からも安心・信頼される商品になっていきました。また、コロナウイルスが流行した2020年は、エコスプレーを世界に展開するのは無理なんじゃないかと心が折れる経験もしました。そんな中、2021年2月にアメリカの特許証を取得した知らせを受けて、これは神様がまだ私にやりなさいと言ってるんじゃないかと思い、勇気をもらいました。立て続けにUNIDOの国際コンペディションで55か国452の技術の中から、ベスト30に選ばれ、国内で唯一受賞をしたことから、やっぱりこの商品は応援されているんだと実感しました。
大変なことはたくさんありましたが、根底にあるのは私たちのホームタウンは宇宙規模で考えたら地球であるという強い想いです。その地球に貢献したいと本気で思っていたので、ここまでやってきました。
製品の分野を広げ、地球を丸ごときれいに
現在は車両に関して商品をリリースしていますが、国立大学協力のもとで、船舶分野の商品もリリースすることとなりました。空だけではなく海もきれいにしていけたらと考えています。また、電力不足から発電機の普及も広がる今、発電機から発する有害な排ガス削減のための商品もデータ収集をしながらリリースできたらいいなと考えています。分野を広げて地球を丸ごときれいにしていきたい、そんな思いをもって仕事をしています。


