数々のバラエティ番組で活躍した元タレントのペットシッターが明かす「指名ナンバーワンになる秘訣」

みづき あかり

みづき あかり

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「テレビ人になりたい」と描いた夢を追い求めて上京したみづき あかりさん。コロナ禍を機に、タレントからペットシッターへと転身し、自分らしいサービスを提供するために独立。常に相手の目線に立ち、喜ばれるように工夫を凝らしたサービスを提供し続けるみづきさんに、これまでの経緯や、今後のビジョンなどを伺いました。

小学2年生で夢をみつけて、20歳で上京

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上京したきっかけは、小学2年生の頃にあります。学童保育で七夕の短冊に夢を描く機会があり、当時は芸能人という言葉を知らなかったので 『テレビ人になりたい』と書きました。

幼稚園の頃は「将来何になりたいですか?」と聞かれたら看護師さんやお花屋さんなど、これを書いておけばいいだろうというものを書いていましたが、「本当にこれが夢だ!」というのが決まった感覚でした。

家は田舎にあり貧乏だったので、子どもながらにタレントを目指すには苦しい環境だと自覚していました。新聞の片隅のオーディションに応募して、通過したとしても二次審査には行けないことが分かっていました。

そのため、高校卒業後から20歳までお金を貯めなくてはいけないと思い、昼はコールセンター、夜はスナックで働きました。コールセンターの営業ではトップアポインターになり18歳でも月35万円、夜のスナックと合わせて最高月50万円を貯めたときもありました。

コールセンターの営業経験は今の仕事でも生きており、とても大事なことが学べたと思っています。電話営業だったのですが、お客さんは日々たくさん電話を受け取っており、マニュアルと同じようにきれいな口調で言うと、「はい、そうですか」と相手にしてもらえません。

しかし、友達や知り合いが間違えてかけたくらいの感覚で話すと、人間らしさが出て導入部分から聞いてもらえました。聞き進めると営業電話かって思われるのですが、まず聞く耳を持たせるところからが第一歩なので、親近感の部分で成功したかと思います。

親の借金返済を手伝いながら、20歳になったタイミングで上京しました。そこから夢のスタートで、オーディション雑誌を買い漁って事務所を探し、とにかくオーディションを受けながら何とかタレント活動を始めました。

田舎から東京へ行くことは海外に行くような感覚なので、親は良い顔をしなかったのですが、親もお金を工面してもらっている立場で反対はできないとのことで、上京してからは応援してくれました。

緊急事態宣言がきっかけでペットシッターへ

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ペットシッターを始めたのは、2019年に緊急事態宣言が出たときです。17年前に上京してタレントをしながら、夜は飲み屋などいろんなアルバイトを繰り返していました。タレント活動に昔ほどのエネルギーがなくなってきたタイミングで緊急事態宣言になり、昼間バイトをしていたケーキ屋さんは1ヶ月閉店、時間はあるけれど収入源がないという状態に陥りました。

何をしていいかわからないと世間がモヤモヤしている時期に、何か別のことをしなくてはと思い、色々と模索していましたね。動物保護ボランティアをやってきたので、ペットのために何かしたいと思い、求人票で「ペット」というキーワードで職を探しました。

無資格でできるペットシッターというのがあり、不在のご主人様の代わりにワンちゃんなどのお世話をする仕事でした。簡単な家事代行ができる方なら問題ないと書いてあり、面白そうだと思って始めました。そのペットシッターの会社で2年勤務して、たくさん見えてきたことを反映して今の起業に至ります。

ペットシッターの会社で指名ナンバーワンになったのは、私が「こうされたらうれしい」ということをやってきたからです。ペットシッターもマニュアルがあるのですが、それを膨らませる人と、書かれたことだけをやる人に分かれます。

たとえば、「ワンちゃんが笑った顔を撮る」「写真の撮り方を工夫する」「レポートに例え話を入れて少しふざけた部分を入れてみる」など、お客さんに喜んでもらい、またお願いしたい人が増えたことで指名ナンバーワンになりました。

仕事をするときに、言われたことだけをやるのはとてもつまらないと思います。自分も楽しみながら、相手にとっても面白くするサービス精神を常に大事にしてきました。試してみて、これは成功だなっていう経験を積み重ねていくことがとても好きです。

ペットシッターは副業でやっている人が多いので、以前の情報が引き継がれていないことが多く、クレームになるときがあります。まずは真摯に謝罪して改善方法を提示して安心してもらうことを大切にしています。自分が色々と経験するなかで立ち上げた会社では、ルールや嫉妬に対するケア、自分が「こうして欲しかった」という内容を盛り込みました。

雇われているときは、どんなに+ αのことをして頑張っても「お客様が喜んでました」で終わっていました。それも良いと思いますが、普通に淡々とやっている人と、+ αの先を見てやっている人が同等にしか評価されず、頑張りが報われていないことがあります。

今の会社ではルールにはありませんが、ペットのことを考えて行動したことに対して、“お心遣い料”を渡して評価しています。親切心をむげに扱わないことを大切にしています。

動物業界の横のつながりを強くしたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_みづきあかりさん_ペットシッターと犬

働きながらペットシッターを使う人は富裕層が多く、キャンセルに関する条件を厳しくしている会社が多くあります。私はもともと貧乏だったので、何かをしてもらうことに慣れていません。申し訳ない気持ちが強いので、キャンセル料の発生に情状酌量の余地があってもいいんじゃないかと考えました。そのためキャンセル料は完全無料・繁忙期の割増料もなしにしました。

会社はボランティアではなく利益目的だと言われますが、これをやることでお客さんが手軽に使いやすくなりましたね。キャンセルを繰り越すシステムなので、まずお願いしてみようと思っているお客さんを取り込むことができ、自分たちも気持ちいいし、お客さんも使いやすいのではないかと思います。

今後は動物業界の“横のつながり”をもっとつくりたいです。ペットシッター会社は同業他社に対してライバル意識が強いのですが、もし自社で依頼を受けられなかったときに、他社を紹介できることは大事なんじゃないかなと思います。信頼できる他社を紹介するなど協力して、ペットやお客さんがもっと安心して暮らせる業界にすることが展望です。

今後、新しいことをやりたい方は、固定概念を取っ払って「こんなサービスあったらいいな」と思うことからがスタートです。昔より簡単に何でもできる時代なので、したいと思ったことを、まずはやってみることでその先が見えてくると思います。