『ミス・グランド・ジャパン』ファイナリストが追求する「リアルサイズモデルの美しさ」

土綿 貴実

土綿 貴実

アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_土綿さん

「美しさの基準は何なのか」近年では有名ブランドやさまざまなメディアで、国籍・体型・性別など多種多様なモデルが起用され始めてきています。リアルサイズモデルとして活躍する土綿貴実(つちわたきみ)さんは、ご自身の摂食障害やうつの経験から、同じように悩んでいる人たちのサポートをしたいとSNSなどで発信しています。今回のコラムでは、土綿さんが普段の日常で感じていること、経験してきたことを伺いました。

「細いことが美しい」という違和感

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_土綿さん

私は現在フリーランスとして、リアルサイズモデル、トレーニングジムでトレーナー、コンパニオンなどの仕事をやっています。

昨年に卒業した大学では、教員免許と社会福祉士の資格を取る勉強をしていたんですが、コロナがはやったことで自分自身のメンタルヘルスの大切さを感じるようになりました。今は自分の表現で誰かをサポートしたい、そしてトレーナーのようなサポートの仕事を通じて人の役に立ちたいと思って、動画でメッセージを発信しています。

高校の時はカナダに留学していましたが、ダンサーになるために帰国して、大学でダンス部に入部。そのときは「女性が美しくなるためには細くないといけない」と思ってダイエットをしていました。だけど、そもそも体のつくりも全然違うのに、スリムな体型にならないといけないのかと疑問に感じていました。

カナダに留学していたときは体型なんて関係なくみんなそれぞれ自信を持っていましたが、大学でダンス部に入ったときに、芸術の場面やステージ上では「細い方が美しい」というのが一般的でした。最初は気にしていなかったんですが、日本で生活する中で自分もそうならないといけないと感じるようになっていきました。

そう考えるようになると、身体能力をあげるためのトレーニングが細くなるためのトレーニングになりました。Instagramなどの動画を見ていても関連動画がたくさん出てきて、「美しくなるには細くならないといけない」と思い込むようになっていきました。自分でもちゃんとした方法を取捨選択しているつもりでしたが、視野が狭くなっていたんだと思います。

そういう経験を経て、実際に自分の下着の写真をカメラマンに撮ってもらって発信をしています。まだ駆け出しですが、下着のメーカーに起用されてモデルをさせてもらいました。今はリアルサイズモデルのお仕事もいただいています。

また、ミスコンテストにも参加してファイナリストになり、「ボディポジティブ、ボディー・ニュートラル、メンタルヘルス」についてもメッセージとして発信しています。

生きる力をつけるために、カナダへ留学

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_土綿さん

高校3年間はカナダへ留学していましたが、海外に興味があったというよりは、小学生の頃にバイオハザードの映画を見てハリウッドの映画が好きになり、そこから英語が話せるようになりたいと思っていました。

カナダに留学すると決めたのは、「人間的に強くなりたい」「生きていく力を身につけたい」と思ったからです。それまで家族の問題もあって、生きる力は大事なんだと感じていて、高校のときは「生きる力をつける」ことが自分の軸でした。

英語は塾で学んだわけではなく、中学3年間の学校の授業で勉強しただけだったので、留学に行ってみたら言葉が通じないだけじゃなくて、相手が話している言葉がほとんど理解できない状態でした。空港で荷物が見つからなくて困りましたし、留学の最初はそんなレベルでしたね。

学校の授業では宿題が何かすらわからなかったので、卒業できないのではないかと不安に思いました。姉が先に留学していたので、姉に助けてもらいながら、英語がいらない数学や体育から単位を取っていって、なんとか卒業することができました。

自分を大切にしながら納得するまでやる

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_土綿さん

私は摂食障害やうつに悩まされていた時期があったのですが、まさか自分がなるとは思っていませんでした。当時は自分の好きなこと、やりたいことがまったくわからなくなってしまって、朝から晩までただ苦しみしかありませんでした。

好きなこと・やりたいことは、生きていくうえで不可欠なんだとこの経験から感じています。うまくいくかはわかりませんが、やりたいことをやることが大切です。そして自分にできる方法で世界に貢献できたら良いなと思っています。

大学を卒業してからは、自分の表現で誰かをサポートしたいと考えています。ミスコンの期間中にピラティスを取り入れていたのですが、ピラティスをすることで体調やメンタルが安定して自分自身が変わったと感じるので、ピラティスのトレーナーになりたいというのが1つ目の夢です。

そして2つ目の夢は、まだ日本では諸外国に比べてリアルサイズモデルが少ないので、リアルサイズモデルの仕事も自分が納得するまでやれたらと思っています。これからオーディションを受けて、自分がやれるところまでやってみます。

この2つをメインにやりつつ、いつかまた日本を飛び出して海外に行きたいですね。そして、自分自身も大切にしながら心にゆとりを持ちながら生きたいと思っています。

著者をもっと知りたい方はこちら