
宮崎の小さな町から世界へ!おとみちゃんが伝える“挑戦心”と新富町の魅力

宮崎県新富町では初となる公式キャラクターで、「子どもたちといっしょに成長する」コンセプトとして町内外で現在活動中です。世代を超えて愛される『おとみちゃん』と新富町の魅力についてお話をお伺いしました。
新富町に生まれた素朴な少女『おとみちゃん』の誕生秘話

宮崎県新富町の公式キャラクターとして町の人々に親しまれている『おとみちゃん』。本名は「新井富子(あらいとみこ)」といい、新富町の「新」と「富」、そして子どもの「子」を組み合わせて名付けられました。町の人々からは親しみを込めて「おとみちゃん」と呼ばれています。誕生日も4月13日で、数字の413を「しんとみ」と町との結びつきが表現されています。
おとみちゃんの誕生のきっかけは、町に新しく進出してきた着ぐるみ制作会社『キグルミビズ』さんとの出会いに遡ります。町長の「新富町にもキャラクターをつくろう」という一声が出発点となりました。しかし、おとみちゃんはよくある「ご当地観光大使」タイプのキャラクターではなく「町に暮らす、ごく普通の女の子」としてデザインされました。小学生とのワークショップを通じて、髪型や目の形などが考えられ、派手さや観光名所を背負うような特徴は持たず、素朴で等身大の存在感を重視したキャラクターが出来上がったのです。そのため「新富らしさが薄いのでは?」と疑問を投げかけられることもありますが、町の大人たちは「子どもたちと共に夢を探し、成長していく存在」として位置づけています。おとみちゃんの物語は、町の子どもたちが夢を模索していく姿と重ね合わせられ、親近感のある「等身大のシンボル」として町民に受け入れられています。
子どもたちの夢のきっかけとして

おとみちゃんには「夢」があえて設定されていません。かつては運営側で具体的な夢を持たせる案もあったのですが、実際は「小学生の多くはまだ夢が定まっていない」「そもそも地域にある職業の選択肢を知る機会が限られている」というのが現実です。そこでむしろ夢は未設定のままにしておき、町の子どもたちに「おとみちゃんが様々な体験をする姿」を見せることで、夢を探すきっかけにしてもらいたいと思っています。
おとみちゃんは町内の学校行事を中心に、体育祭や音楽祭、クリスマス会などで応援や交流を行ったり、式典用コスチュームを着てイベントを盛り上げたりしています。また町外にも出向き、他のご当地キャラと共演したり、スポーツイベントの応援やグルメ紹介を行ったりと幅広い活動を展開しています。着ぐるみでの登場が難しいときには小さな人形を町内のお店に連れて行き、活動を発信しています。
おとみちゃんを見た町民の反応は温かく、特に小中学生やその家族からは「身近な存在」として自然に受け入れられています。ご年配の方からも孫のように声をかけられることも多く、まさに世代を越えて愛される存在となっています。
「チャレンジの町」と共に未来へ

新富町は「世界一チャレンジしやすいまち」を掲げ、移住者にも歓迎の空気を持っています。宮崎ならではの気質、そして航空自衛隊新田原基地の存在による転入・転出の多さが、町に「来る者拒まず、去る者追わず」というオープンな雰囲気を生み出しています。
そうした環境の中でおとみちゃんも「挑戦の象徴」として活動しており、現在は「おとみのゆめスタ」というプロジェクトを進めています。これは、子どもたちが「やってみたいこと」を応募し、資金と伴走支援を受けて実現する企画です。こうした取り組みはおとみちゃんを通して「新富町は挑戦がしやすいまち」というイメージを育み、新富町内外へ発信する役割を担っています。
今後の展望としては、町内の子どもたちだけでなく、町外や海外にもその存在を広げていきたいという思いがあります。特に海外では「着ぐるみ文化」が珍しいため、「KAWAII」という共通言語を通じて日本や宮崎、新富町を知ってもらえる可能性があります。おとみちゃんは単なるキャラクターを超え、町民の思いや挑戦心を背負ったシンボルです。これからも夢を探す子どもたちと同じように、おとみちゃん自身も成長しながら、新富町の未来を拓いていく存在であり続けていきます。
