
目標と学習計画の立て方
久山 絵里さんは株式会社フレンズの代表を務めています。高校卒業後、印刷工場で勤務していたところから、人生を変えるべく英語力ゼロの26歳のときに、オーストラリア一周一人旅を経験されました。帰国後、大手英会話教室の勤務を経て30歳で「フレンズ英会話」をスタートしました。そんな久山さんが英会話を習得する方法について書かれたコラム連載の第5弾です。
今までの4回で、心構えから勉強法など、いろんな話をしてきましたが、結局は「自分がやる」ということです。そして、やるからには、目標と計画を立てるのが大切。だって、目的地を決めずに近所をウロウロしても、無意味ですよね。
「自分のゴール」を決めよう
「ゴール」が曖昧な人って、意外に多いと思いませんか。どの山に登るか決めてないけど、とにかく登山に憧れて登山用の靴を買ってみる、みたいな。とりあえず英語はやっとけ!という親もそうかもしれません。それで子どもの英語に対するやる気が出るか…は言うまでもありません。子ども英語に関しては、また別のコラムで書きます。
さぁどの山にする? 富士山?高尾山?それとも日本一低い大阪の天保山(標高4.53mだそうですよ笑)
その「山」は目標となる「人」でもいいかもしれませんね。あの人ぐらい話せるようになりたい!とか。
目標設定が大切です。
目標設定のコツ:小分けにしよう
東海道を歩み、富士山に登るぞ!(=本気で日本を代表し海外で活躍する人材になるぞ!)と決めたとしても、現在地は大阪。どうやって登るんだ?と途方に暮れるかもしれません。道のりが遠すぎて、何をすればいいか分からなくなるんです。その場合は、目標を小分けにしましょう。まず京都に行って、その次に名古屋、浜松、静岡…という風に、少しずつなら道は見やすくなるし、ひとつひとつ達成しやすいはずです。
ただ、東海道ならまだしも、英語って目標がどうも定めにくいもの。どこまでいけばペラペラなのか分かりにくいですし、「映画を字幕なしで観たい」というゴールを設定する場合でも、映画って言ってもいろいろあるし、シーンひとつひとつ全部理解した!達成!なんてジャッジしにくいですし。
そこでたとえば、最終ゴールは「映画を字幕なしで」に設定したとして、次に小分けにする小さな目標の立て方としては「買った学習書を3カ月で終わらせる」などはいかが。「この学習書をマスターする!」という目標の立て方だと、どこまでできたらマスターと言えるのかが曖昧になってしまいますが、「3カ月で終わらせる」にすることで、1日何ページやればいいか計算できて、計画が立てやすくなります。
ゴールへ早くたどり着く方法
それ!それが知りたいねん!という人、すみません。語学習得に近道はありません。
でも「自分がその道をどれだけ早く歩くか」で、ゴールまでたどり着くまでの時間を短くできる、というぐらいは言えるかもしれません。「1日の勉強時間を増やす」とか「お金で解決する(=教室に通い指導してもらう、留学に飛ぶなど)」とか「より集中できる環境をつくり効率を上げる」などが、具体的な案かなと思います。
結局、自分で自分の勉強方法を見つけていくしかない
留学、旅行、先人の知恵、英語教室、先生から出される宿題…なんでもそうですが、結局はいろいろやってみて、それが合うかどうか、自分のやり方を見つけていくしかないんだと、私は経験上思います。
昔「石川遼選手のスピードラーニングという教材は本当に効果的ですか」とよく聞かれました。ちょっとそれ無理があるんじゃないのとは個人的な意見ですが、石川遼選手が英語ができるようになったのは、スピードラーニング「だけ」をやったからではなく、会話練習や家庭学習、その他いろんな勉強を地道にこなし努力されたからなんだと思います。
要は、ひとつの方法だけやっていたらいいのではない、ということ。
そして、どんな勉強方法が向いているかは、やってみないと分かりません。人によって今までの学習経験はもちろん、好みや性格が違う。手に取る本がしっくりくるかどうかは、その人次第。アプリで勉強するより紙のほうが脳科学的にいい…といくら聞いても、ボクは絶対無料アプリでやってやる!スマホ使いこなしてるし!という人もいるでしょう。
勉強している自分に酔わないでね
日本人は机に向かって勉強していることで、なぜか満足をしてしまっている人が多いのではないかと思います。資格マニアなんていう言葉もあるし、受験勉強を経験しているから、余計にそれが正解だと思ってしまっているのかも? TOEIC900点あっても喋れない人が多いというのも、そのことなのかもしれない。
でも、実は、会話の場で恥をかきたくないから、そんな場に行くのが怖いから、今ここで勉強している自分を肯定して「コレができたら外国人と話すとこに行くぞ!」なんて本来見るべきものから目をそらしていたいだけなのかもしれない。
行動に起こしてね
さて、結論です。自分のゴールを設定した上で、英語に触れる時間・空間をできるだけ増やし、英語を使いまくる。独りのときは、言い訳せずにひたすら勉強する。あんまり深く考えずに、ガムシャラに。途中で「3ヶ月でペラペラ」なんて誘惑に遭遇したら、超特急でスルーしてね(笑)。
私もまだまだ勉強中です。終わりがない語学、だからこそ面白い語学、世界とつながれるツールを手に入れるべく、一緒に頑張りましょう!
