「耳が聴こえる人と聴こえない人の架け橋になりたい」みんなの笑顔を生み出す捉え方とは?

星野 颯太

星野 颯太

2025.05.16

星野颯太さんは聴覚障がいを持ちながらトータルビューティーサロンの経営や大道芸のパフォーマーなど多岐に渡って活動しています。人を笑顔にすることがモットーの星野さんに原動力となっているものや今後の展望を伺いました。

サロン経営とパフォーマーの二刀流でみんなを笑顔に

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私は小さい頃から聴覚障がいがあります。言葉では聴こえないので、目で見えて幸せを感じることができるのは『笑顔』です。

私は人と関わる上で「相手を笑顔にすること」を大切にしています。人の笑顔が私の喜びでもあるんです。耳が聴こえない私にとって、笑顔がコミュニケーションの壁を取り払ってくれました。それから人が元気でいるためには、笑顔が最も大事だと思うようになったんです。人から笑顔をもらう前に自分から笑顔を与えられることが今の活動の原動力になっていると思います。

現在は、吉祥寺で妹と共同経営で歯のセルフホワイトニングサロンを運営しています。ホワイトニングがメインなのですが、フェイシャルやリラクゼーショントリートメントなどのメニューもあります。妹がパーソナルカラー診断と骨格診断、耳つぼジュエリーができるので、トータルビューティーケアが可能です。

コロナ禍でマスクをする機会が増えました。マスクを外せるようになると隠れていた口元が気になるようになります。口元に自信が持てないと気持ちが落ち込んでしまうんです。人と話すのが怖くなってしまって、うつ病になってしまう人もいます。皆さんがとびきりの笑顔で人とコミュニケーションを取れるようにしたいと思っています。

ホワイトニングサロンをオープンする前は大道芸のパフォーマーとして活動していました。テレビでパフォーマンスをしている人を見てかっこいいなと思っていたんです。パフォーマーになればモテると思ったのがきっかけで始めました(笑)。

小さい頃からの夢が「吉本興業に入ること」です。みんなを笑わせることが好きだったので、周りから将来は「吉本興業に入るんだな」と言われていたのがいつしか自分の夢になっていました。パフォーマンスを見てもらうことで、言葉はなくても観客を楽しませることができるのでお笑い芸人に似ているのかもしれません。

聴覚障がいをユーモアで個性に変えたら人生が好転

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私は1歳半で聴覚障がいが発症しました。ろう学校に通いながら小学校にも通っていましたね。耳が聴こえないので友達や先生とうまくコミュニケーションが取れなかったり、付けている補聴器をジロジロと見られたり、偏見を持たれてかわいそうという目で見られたりするのが辛かったです。

話し方をバカにされて、人と話すのが怖くなってしまいました。障がいを持っているということのアイデンティティがよくわからなくて、「自分は何者なんだろう」「何のために生きているのだろう」と悩んでいましたね。大学入学頃まで自信が持てませんでした。

自分は存在価値がないと思っていたのですが、自分の強みがわかっていなかっただけなんですよね。大きな壁だと思っていたものが視点を変えるとスライド式の扉だったという感覚です。

障がいは個性だと言われても、私はそう思えませんでした。うまく話せなくてバカにされていましたが、視点を変えると個性的な話し方というだけです。補聴器を付けていることもサイボーグみたいでかっこいいと思えるようになりました。見方を変えて『自分らしさ』を見つけることができたんです。周りとうまくコミュニケーションが取れないのは耳が聴こえないからではなく、自分が周りに興味を持っていなかっただけでした。もともと自分が持っていた「人を笑わせたい」「ユーモアに変える」ということを実践することで人生が良くなっていきました。たとえば、苦手な人がいたら嫌だなと思うよりも「この人はよくしゃべるゴリラみたいな人だな」と笑いに変えていくんです。

笑顔の力で聴覚障がいの方に希望の光を与えたい

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私のビジョンは聴覚障がいを持つ人たちが心からワクワクできる世の中をつくることです。耳が聴こえないことで悩みを抱えている方はたくさんいます。私もそのひとりでした。捉え方を変えるだけでとても気持ちが楽になったんです。その見方を変える、ユーモアに変えていくということを皆さんに伝えたいですね。

障がいを持つ子どもがいる親御さんも悩まれている方が多いはずです。そういった親御さんの力になりたいと思っています。少しでも私の活動で希望を与えられたらうれしいですね。私がこれまで学んできたこと、経験してきたことを皆さんに伝えて、笑顔の人を増やしていきたいです。

世界中の耳が聴こえにくくなった人を元気にさせたいと思っています。困難や悩みを笑顔の力で溶かしていきたいです。みんなを笑顔にして耳が聴こえる人と聴こえない人の架け橋になりたいですね。