家電メーカー社員が切り開くもうひとつの道 -パラレル活動の実践-

岡田 慶子

岡田 慶子

2024.11.23
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こんにちは。パラレル活動家の岡田慶子(おかだけいこ)です。前回のコラムでは『パラレル活動』について概要をお話ししました。今回は、家電メーカー勤務の大村信夫さんを例に、パラレル活動がどのように人生に彩りを与えるかを探ります。

大村さんとの出会い

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大村さんと私が出会ったのは、数年前のイベントでした。やりたいことを持った人、やりたいことを見出したい人を対象としたものだったように記憶しています。交流会になって、近くにいた大村さんに声をかけると、彼は目をキラキラと輝かせながら『片付けパパ®』としての活動について熱く語ってくれました。

彼は会社員をしながら整理収納アドバイザーの資格を取得し、片付けの思考法を実践することで家族が驚くほどハッピーになったのだと、写真を見せながらエピソードを話してくれました。

当時も今も、やましたひでこさんの提唱する”断捨離”や、『人生がときめく片づけの魔法』の著者・近藤麻理恵さんの片付けなど、この分野においては女性の講師が多いことから、「まずは差別化、大成功ですね!」と言ったことをクリアに覚えています。

さらに「日本の家電メーカー勤務とあれば、製造現場環境の改善を目的とした5S活動の整理、整頓、清掃、清潔、しつけを体得した人だろうと思うでしょうし、片付けだけでなく時間管理や思考整理として、男性市場にガツン!と入れますね!」と話したことも記憶に新しいです。

彼は、にっこり笑って「狙ってます!」と言いながら、まずは『片付けパパ』の商標登録を取る予定だということ、将来的には商業出版や講演活動を行いたいと語りました。

その後の彼の活躍は目覚ましく、「片付け」を切り口に生産性や思考の整理を提唱し、講演やワークショップで 30,000人以上を指導。片付けの本質を「選択と集中」とし、ドラッカーの理論とリンクさせたメソッドは、多くのビジネスパーソンにとっても共感を呼んでいます。また、これまでに3冊の著書を出版し、人生と仕事を整理する方法を広く伝えています。

出会った当時は、副業解禁という言葉が生まれる前。「会社員なので謝金はいただきませんが、いただいたものは寄付しています」と言っていましたが、今は…ふふふ。聞いてみたい。

行動の背後にある原体験

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こうやって紹介すると、自分とは違う、特別な人と思われる方もいるかもしれませんが、実際の大村さんはお嬢さん3人を含む家族5人の大黒柱として働く穏やかで柔和な姿勢を大切にするパパです。

ご本人に言わせると、かつては仕事のストレスを毎晩飲み歩いて発散していた“ダメリーマン”だったそう。彼は生まれて間もない頃に亡くなった父親が病床で残した手紙を読んだことがきっかけで、“かっこいいパパ”としての人生を歩む決意をしました。

さらに母親を癌で亡くしたことをきっかけに「命とは時間である」との思いを強くし、「片付けを通じて人々が使命を見つけるきっかけをつくる」ことを自らの使命としました。これが彼の原体験です。

初めてお会いしてから数年後、企画したセミナーでお話しいただいた際、彼は「行動に移すことがすべての鍵」と語っていました。

「皆さんからは今の自分がうまくいっているように見えるかもしれませんが、実際にはたくさんの失敗がありました。それでも行動を起こしたからこそ、今の結果があるんです」

その際、印象に残ったことは2つありました。決めたことはやりきるという”自分との約束を果たす”意志の強さと、うまくいかないと思った時に、周囲に聞く、頼る柔軟性でした。

パラレル活動の効用

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彼の活動姿勢は、【パラレル活動の流儀】にある『実際に動くこと』『挑戦を続けること』を体現しています。「片付け」というテーマを軸に、家庭、仕事、そして講師という活動をとおして多様な世界に足を踏み入れ、さまざまな分野の人々と関わっていくことで「予想外の成長や成功のきっかけを引き寄せ」、「人生に新たな可能性を広げている」と思うのです。

さて、大村さんのユニークなキャリア=ユニキャリアをご堪能いただけましたでしょうか。次回もパラレル活動をなさっている魅力的な方をご紹介していきます。ぜひお楽しみに。

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