『シャウト！』で夢を叫び応援する。“推し活投資”の指南者・松下りせが描く新たな挑戦

松下りせさんは、株式投資に関する書籍『恋と推し活とショッピングに学ぶ知識ゼロからの女子株』の著者であり、女性向けの株式投資スクール『未来デザイン×資産運用アカデミー ハナミラ』を主宰しています。他にも夢を叫び、応援し合う参加型イベント『シャウト！』を運営するなど、多岐にわたる活動をしている松下さんに、これまでの経歴や今後の展望について伺いました。

お金に困っている先輩を見て投資をスタート

私は大学を卒業後、新卒で三菱電機に入社し、宇宙システム事業部で人工衛星の営業を担当していました。就職活動をしていた当時は、「自分の使命を見つけること」に重きを置いていました。自分にしかできないことは何かと、深く悩んだ経験があります。

私の身内には人工股関節を使用している方がいます。当時、人工股関節の事業を手掛けるジョンソン・エンド・ジョンソン社の取り組みについて知る機会があり、人工股関節を使用している人々の悩みを理解し支援することが、私がやるべき仕事だと感じました。

内定までいただいたのですが、人工股関節を使用している身内に話したところ、「他人を理由に自分の人生を決めない方が良い」とアドバイスをもらったのです。確かにその通りだと納得して、多くの選択肢があった中から、人との関わりを重視して三菱電機での営業職を選びました。

職場の人にも恵まれて楽しく働いていたのですが、もともとは”世界一の接客サービス”と称されるオリエンタルランドで働きたいと思っていたので、転職を決意しました。

オリエンタルランドでは当時、中途採用による総合職を大量に採用していた時期でした。これによって8年前に入社した先輩たちの給料も、入社間もない私と同等のレベルまで下がるという状況になったのです。

奥さんと2人の子どもを持つ先輩はどのように生活していくか困っていて、株式投資を始めると話していました。私は入社したばかりで仕事に対する喜びを感じていましたが、先輩たちの切迫した様子を目の当たりにし、私も何か投資をやるべきかと思い、株式投資を始めました。

ビギナーズラックというものなのか、始めてすぐに利益が出ました。真似するのはオススメできないやり方でしたが、実際にお金を増やすことができたのは、とても良い体験になりました。その後は多忙な仕事のなかで何となく株を続けていましたが、大きく増えることも大損することもありませんでした。

女性向け株式投資の本を出版

オリエンタルランドで働いている時に、将来のキャリアについて悩むことがありました。当時は、残業はできる限り控えるように会社から言われていましたが、私は時間をかけて良い商品をつくりたかったので、定時後でもかなり長時間働いていました。

しかし、ヒット商品により部署の売上はあがっても、その成果が私には反映されない事実を痛感しました。出世すれば給料も上がって、もっとやりがいが持てると期待していましたが、本心ではあまり出世を望んでいなかったのです。

仕事が好きだったので邁進していましたが、生活が良くなっている実感はありませんでた。株式に本格的に取り組めばお金の不安が減るかと思い、改めて投資を勉強することに。投資について学べば学ぶほど楽しくなってきて、世の中に良い会社がたくさんあると知ることができました。株そのものよりも会社を知ったり、調べたりするのが好きになりましたね。

勉強した甲斐もあって、現在では株式投資スクールの運営や、株式に関する著書『恋と推し活とショッピングに学ぶ知識ゼロからの女子株』の出版にまで至りました。

多くの人が、法律のように難しい用語を覚えなければ投資ができないと考えがちですが、実際には覚える必要はありません。私は金融用語の詳しい解説はできませんが、その概要は理解しているため、著書では初心者にも分かりやすい形でこれらの用語を解説しています。

『シャウト！』で夢を叶える人を増やしていく

投資に取り組んで最も良かった点は、お金の心配をすることなくさまざまなことに挑戦できるようになったことです。人生で何かを決断するタイミングでお金を理由に諦めてほしくないので、自分の夢を実現する手段として投資を伝え続けています。

しかし、ロシア・ウクライナ戦争が勃発し、お金の無力さを痛感しました。この時、人にパワーを与えるものは何かと考え、”夢”がその原動力だと気づきました。そこで立ち上げたのが『シャウト！』です。

『シャウト！』はエントリーによって選ばれた登壇者が自身の夢を叫び、来場者がその夢を応援するという参加型イベントです。夢を伝えて、応援し合い、叶えていくことで夢の輪を広げることができます。

2022年に『みんなの夢を叶えよう』というスローガンのもと、約2,000人を集めてオンラインイベントを開催しました。私が運営する株のスクールを宣伝する目的でしたが、出演者が参加者をたくさん応援してくれて、イベントは大いに盛り上がりました。この成功を受けて、リアルでのイベントを開催したいと考えるようになりました。

『シャウト！』を通じて、新たな出会いやつながりを楽しみにしています。また、このイベントをきっかけに、新しいコミュニティをつくりたいです。

「日本にはすべてがある。しかし、希望だけがないと言われたらどう思いますか？」という『シャウト！』のメッセージは、多くの参加者に響いたようです。私は胸を張って「そんなことはない」と言いたいです。みんながもっと夢を持って、やりたいことやエネルギーに満ち溢れていれば、自然に希望が生まれると信じています。

『シャウト！』や、私が運営する株式投資スクールは、そんな夢を持つ人たちが活き活きできるような環境にすることを目的としています。夢を持つ人を増やし、夢を追うことの素晴らしさを互いに応援し合える輪が広がるように、これからも活動を続けていきます。