株式会社HIROWA代表
「和田裕美」×権藤優希
対談記事は、嶋村吉洋が主催する「ワクセル(※)」の著名人対談企画にて実現した内容です(なお、対談が行われたのは2020年2月29日になります)。
※ワクセルは「これからの100年をつくる起業塾」として新しい塾のカタチを掲げ、未来を切り開く人たちが集まり、共に学び合い応援し合う起業家コミュニティ。
今回は、『人生を好転させる新陽転思考』や『人に好かれる話し方』の著者で有名な和田裕美さんと『自分で決める。 -すべてがうまくいく最強の力-』の著者であり、ワクセルのメンバーでもある権藤優希との対談です。
和田裕美さんは、陽転思考(※)を身につけていらっしゃるため、物事の捉え方がとてもポジティブです。そのポジティブな捉え方は「嶋村吉洋氏と同じ印象を受ける」と権藤優希は語っています。
和田裕美さんと権藤優希の対談から、たくさんのことを学ばさせていただきましょう。
※和田式陽転思考とは、「事実はひとつ、考え方はふたつ」という考えに基づきマイナスなことからも「よかった」を探す思考法。
権藤:今回の講演もすごくわかりやすくて、本当にたくさんメモを取らせていただきました。それをふまえて今日は色々と質問をさせていただきたいと思っています。
和田さんは講演家でありながら、作家としても活動されていらっしゃいますが、著書の累計は何万部なのですか?
和田さん:220万部くらいですね。
権藤:すごいです!
作家としても大活躍されている中で、講演家として大事にされていることがあったら、教えていただきたいと思います。
和田さん:大事にしていること……。
ちゃんと仕事をして、いいものを届けたい!って、すごく思っています。
世の中には沢山の本がある中で、私の本を選んでいただいたとしたら、読者の方ををハッピーエンドにしたいんです。
これから(本を)読み終えたあと、(講演を)聴き終えたあとの人生の方が、(講演で)会っている時間よりずっと長く続くので、何かプラスの影響を与えられないかな?って思うことを大切にしていますね。
本を読んでよかったな、講演を聴いてよかったなって思ってもらいたい。
権藤:それがすっごい伝わってきたんですよ、講演でも。
和田:ありがとうございます。
権藤:(和田さんの本や講演は)読後感や講演後も、最後の「よし!」という合図と共に、行動しやすいなと思いました。
和田さんの話は、聞いた側の人が得するなって伝わってくるんです。そこが大きなポイントかなって僕は感じました。
和田:よかった、嬉しいです。ありがとうございます。さすがの分析。
権藤:僕は営業をずっとやっていたんですよ。営業職から起業したんです。
和田:何の営業なんですか?
権藤:僕は、大手IT企業で営業をやっていたんです。
和田:営業で、何を売ってたんですか?
権藤:警察へのシステム営業です。指紋や顔認証などのシステムを警察署に納めていました。
和田:かっこいい!ちなみに警察に営業するって怖いですか?
権藤:怖いですね。カツ丼を目の前に置かれて「お前がやったのか?!」って言われているような鋭い視線に感じました。
和田:やっぱりそうですよね。逆に、「どーもどーも!」って近づきやすい感じだったら、警察をやってられないですよね。犯人が怖いと思う存在じゃないと。
権藤:そうなんです。僕もすごく緊張しちゃって、いつもの提案がなかなかできなかったんです。
そんな中で意外にも、(警察への)営業で成績を上げていたのが女性の方だったんですよ。
和田さんの講演を見てても思ったんですが、誤解を恐れず言うとなんか可愛らしいじゃないですか。
女性だからこそ踏み込めたり、ズバッと言える。
そういった要素をうまく使われながらきっと営業されてたんだなと思ったんです。
和田:はい、そうかもしれないですね。
権藤:女性の読者も多いので、このまま女性に向けた質問をさせてください。
女性としてやりづらかったこと、こういった風に活用したからうまくいったなど、営業時代の経験でもよいので何かあれば教えてください。
和田:何事もメリット・デメリットって、両方あると思うんです。
女性としてのメリットは、若い時には「(甘やかして)買ってあげようかな?」と思ってくれる人がいたりするわけじゃないですか。
あと女性って、物事をフラットに見やすい。
というのも、会社の中でも男性の方が縦社会に慣れていて、逆に女性は縦社会に慣れていないんですよね。
だから、女性って急に上司に対して、タメ口になったりするじゃないですか。
多くの男性が「はい!わかりました!」と受け答えをしている中、女性は「そんなこと言ったってー!」みたいなことってありますよね。
それは、女の人がずっと社会に出てなかったため、家族や周りに慣れ親しんだ形で社会を作ってきた名残かなと思っています。
だって男の人は、いつも上下関係の中で生きているから。
その上下関係がうまくいかないとビジネスはうまくいかない。
家庭の中では、お父さんが一番かもしれませんが、(女性からしたら)割とフラットな状態。友達ともフラット。みんなフラット。横に並べた感じと縦に並べた感じが男性と女性と違う。
権藤:確かに、おっしゃるとおりだと思います。特性をいかすということですね。
和田:そうですね。女性は、コミュニケーション能力が長けていて、割と言い出しにくいところでも言えたりするのがメリットではありますね。 女性の視覚・コミュニケーション脳は、男性より11%いいんですって。脳の仕組みそのものが違います。
そういう意味で共感や空気を読むということに関して、女性として得をしていることは沢山あると思います。
権藤:逆にやりづらかったこと、苦戦したことはありますか?
和田:色々な意思決定や提案が上層部にあがっていくときに、上が男性ばかりで女性の見本がいない組織だと、「女だから大丈夫なのか?」と思われて、プロモーションが止まってしまうことはあります。
ほかは、女性軽視されたことでしょうか。意見を伝えても肯定的な返事がなく、別の男性からの同じような意見には、素直に返事をする男性上司がいて、凄いやりにくかった経験があります。
そういった上司からなにか言われたとしても、心理的なものが大きく影響し、素直に受け取ることはできませんでした。
あとは男性部下を育てる時に、どうやったらいいのかわからない時期がありました。
権藤:その中で「陽転思考」は、考え方として知っているだけでも救われるなっていうのがあるんです。
(講演では)具体的な例も話してくださいましたが、「陽転思考」やよく本でも書かれていらっしゃる、「意味づけ・価値づけ」を学ぶことで、すごく得をしたなって気持ちになりました。
一方で、「陽転思考」を実践していくときに、なかなか思ったようにできなかったり、途中で心が折れちゃったりとかすることが、よくあるんですけれど、和田さんはそういった経験はありますか?すぐ陽転思考に切り替えて行動できていましたか?
和田:本を書くために、これまでの経験を色々と言語化しました。
一冊の本ができるまでには、試行錯誤するので、本を書いてる途中でやっぱり落ち込んだりしています。
陽転思考をなぜやっているかというと、私が落ち込みやすい人間だからです。
なんか、普通のもっと元気な人は陽転思考を生み出さないです。
(雰囲気が)ラテン系のようなポジティブな気持ちであっても、落ち込む経験は大事だし、折れるのもすごい大事。
権藤:そうですね、僕が書いた本『心が強い人のシンプルな法則』は、心が折れる人の話なんですけれど、僕も同じことを書いています。
折れた経験が沢山あるから、復活の方法もわかる。折れたあとの方が強くなる。
自身の経験から学べることってあるんですよね。
和田:そうですねー。私なんか母が医療ミスで亡くなる、リストラに遭うなど、結構、波乱万丈なんですよ。
私の悪いところだけを部分的に切り取ったら、不幸になるはずが、幸せそうに見えるのは、陽転思考の考え方のおかげなのかなって思います。
権藤:似たような質問が続くんですが、陽転思考で物事を乗り越えていくじゃないですか。
最後のキーワードになったのは「わくわく」。
僕もすごい好きな言葉なんですよ。「わくわく」って将来に対してすることじゃないですか。
わくわくするマインドを持つんですけれど、やるってなったらシビアな状況のときもあって、冒険がつきものなんですよね。
リスクを冒して何かをやるとか、自分が変わっていかないといけないポイントもあると思うんです。
わくわくだけじゃ、なかなか乗り越えていけない気もするんですけれど、和田さんはどうしていますか?
和田:歌を歌ったりとか(笑)
権藤:それは、斬新な角度からのアドバイスですね(笑)
和田:悪いことを考えるようになると鼻歌を歌って、必ず悪い考えによらないようにします。
あと、新しいことを始めるときにわくわくできなくなったら、ちょっと違うことをやってみようかなと思うことです。
本を書くことにわくわくできなかったら、かるたでも作ってみようなど。
権藤:違うことをやっちゃうんですね。
和田:そうです。ちょっとシフトして、元々やりたいことは横に置いて、楽しいって思えるときにやってみたら大丈夫という風に思えるので、一つのことにわくわくしなくても、様々なことにわくわくしたらいいなって思っています。
ひとつがダメなら違うわくわく。
権藤さんの趣味は何ですか?
権藤:趣味はサーフィンです。身体づくりが好きでやっていますね。
和田:身体づくりで心は折れますか?折れたりはしないですか?
権藤:いや、毎朝は嫌ですね。やる瞬間は嫌な気持ちになります。
和田:そうなんですね。え?ワークアウトですか?
権藤:嫌なんですよ。だから自分一人じゃやらないから、パーソナルトレーナーに家に来てもらってます。
和田:わーすごいー!!毎日来てもらっているんですか?
権藤:週2回ですけど。
和田:結構ハードなワークアウトになっちゃってますね。うわー大変。身体づくり以外で他のわくわくはないんですか?
なんか「このワークアウトが終わったらちょっと飲もうぜ!」みたいなのは。
権藤:そうなんです。ワークアウト後のご飯は美味しいんですよね。なにを食べに行くかはすごくわくわくしますし、仕事がはかどりますね。
和田:やる気は出ますもんね、筋肉がつくと。
権藤:やったあとは、そのことを考えるといいんですけれどね。すごくわくわくしますね。
和田:報酬系の脳を刺激すると、わくわくは持続します。
これが終わったら報酬を与えてあげようって思っているならわくわくは持続するし、身体を鍛えたあとに、やってみようと思えることを想像するとムフフってなったり。ムフフを使って頑張る。
わくわくする対象は、色々なものがあっていいと思っていて、一回一回消えかかったら次のわくわく。
このわくわくを連鎖させると、案外いつでもわくわくできるんですよね。
何にわくわくできるかなって思ったりします。
権藤:それは僕を含めて救われますね。わくわくするものを変えていいんだと。
見つけて対象を変えていく考え方は、ちょっと救われましたね。
和田:でも嫌なことはあるじゃないですか。
なんか普通に楽しそうに見せてても「あ゛ー」とかあるじゃないですか。
人間ってそういう弱さがあってこそ、自分が強くなれるでしょ。
だからそういった時にわくわくの種を見つけられたらと思うんです。
わくわくは種だから未来に向けて植えろって。
3年後にわくわくの木がなると思ってたら、今の水やりとか頑張ると思うんですよね。
だから、そんな風に先のことを考えるようにしていますね。
権藤:別の話題になります。 (和田さんは)ファンを作ることが大事だと思っていて、僕もその通りだと思っています。
ファンや優良顧客、チームビルディングをしていくことが大事だと教えてもらっているんですけれど、ファンを作ることで大事にしていることを教えていただきたいです。
和田:「喜んでもらえることは何なんだろう?」とすごく考えるというか、がっかりさせたくないと思っています。
権藤:先程のハッピーエンドの話ですよね。すごく伝わります。
和田:絶対にがっかりさせない。
「がっかりさせないためにはどうしたらいいのか」というのを、必死で考えます。
私、がっかりする人を見たくないんですよ。
どうしても自分の行動や態度、自分の心理状況で、がっかりさせることってあるじゃないですか。
すべて相手の期待通りには生きられない。
でもお客様にがっかりさせないためには、どういったオファーを出したらいいのか。
権藤:なるほど。例えばどういう工夫をされているかお聞きしてもいいですか?
和田:「パワースクール!」っていう会員制のオンラインスクールがあるんです。
(その会員に喜んでもらうために)バレンタインチョコを送ったりするんですよ。
私は今回、オリジナルカレンダーを作って、サプライズプレゼントをしてみました。
相手を喜ばせたいって気持ちがあるんです。
どうしても視野が狭くなったり、目の前のことしか考えなくなったり、自分のことで頭がいっぱいになることも多いと思うんですけれど、「常に喜んでもらいたい」ということを考えられるのはなんでですか?
和田:え゛! なんでだろう……。ちょっと考えていいですか?
権藤:答えがわかってても、できないもことって多いなって思っちゃうんです。
常に自分のことばかり考えちゃう。
和田:でも人に喜んでもらえることって、自分の幸せになりませんか?
権藤:なりますよね。最終的になると思います。
和田:なりますよね!たぶん私、嬉しいって言われたいんですよね。 「うれしー!」 「たのしー!」 「ありがとうー!」
って言われたい。やっぱり感謝されたいじゃないですか。なんか「ありがとう」を言ってもらうと私「いいことをしただろう」みたいな。
そういった風に、相手をがっかりさせないということは喜んでもらえるってことですし、それはただの利他主義で、私が「人のために生きているんだ!」というんじゃなくて、結局返ってくるのは全部自分だと思っています。
相手を喜ばせた先にあるものを取ろうとしているんじゃないかと思いますね。
権藤:自分のためにってことが一番力になるので、その考え方でいいんじゃないかと僕も思います。
和田:自分のためですよ、絶対。人間って自己愛の塊だと思いませんか?
権藤:そうですね。結局自分のことが一番大事なので、自分を一番大切にすることが、幸せの道だと思うんです。
自己愛の周辺の中に「この人の幸せも自分の幸せ」ってあるじゃないですか。
和田:「この人の幸せは、自分の幸せ」なので、自分の周辺が幸せなことを願うっていうのが自己愛だと思っていて、自己愛の輪が広がっていくと「地球」ってキーワードが出てくるのかもしれないですね。
権藤:結局、自分が好きなことをやり続けていけば、それが本当に人に返ってくることになるので、自分のために努力していくことが大事だと思うんです。
和田:人の為って書いて、偽善者の「偽」って読むじゃないですか。
FOR YOU、FOR YOUって営業時代に言われたんですけれど、FOR YOU精神って、途中で何かわからなくなったんですよ。
人のためにやってるんじゃなくて、自分のコミッションやプロモーションのためにやってるんだなって思うと、理解ができなかったんですね。
権藤:僕もそういう時があったように思います。
和田:でも人のためなんだと。
だからやっぱり、自分がやっていることが人のためになって、それが自分に返ってくるのがだんだんわかってきた時に、理解できるようになりました。
時間も残すところあと少しなので、今後の展望を教えてください。
和田:本の紹介をしていいですか?
4月(※)に『人の心を動かす話し方』という本が出ます。
※発売は5月下旬に延期となります。
権藤:4月ってもうすぐですよね。
和田さん:そうです、もうすぐです。
実は、この本書くのに1年くらいかかっちゃったんです。なんか気に入らなくて。
でも書き直すとやっぱり人に迷惑かけるかなとか、編集の人に悪いかなとか、こんなこと今からやったら時間がかかるんじゃないかなとか、ものすごい気にして……。気にするから言えなくて。
言えないからハリボテになっていて、言えないまま、ハリボテみたく増築改装をしていたら、おかしな本になってきました。
権藤:そうだったんですね。それでどうしたんですか?
和田:これはいけないって思って、今年の正月に、一から全部書き直すことにしたんです。
だから、自分が作りたいものに関して、あんまり人の顔色を見て作っちゃいけないなって言うのが、今回の気づきだったんですよ。
人に裏切られようが、読み手のことを考えようって改めて思ったのが、この本でしたね。
こんな偉そうなことを言っといて、読んだら「何だこの本?!」って思われたら……。
むっちゃハードルあげちゃった(笑)
権藤:本当に思っていることしか、人に伝わらないですよね。
僕もあらためて思いました。
和田:そうなんですよ、そんな風にあらためて書いて思ったのがそんなに時間がかかっちゃいました。
権藤:あと1ヶ月もしないうちに、この『人の心を動かす話し方』が発売されるということでした。
和田さん、今日は長い間、講演と対談を含めてありがとうございました。
和田:こういった機会をいただきまして、本当にどうもありがとうございました。
権藤さん、次はいつ本を出されるんですか?
権藤:今年9月に出します。次は人間関係の本ですね。
和田:どんな?また深い話が?
権藤:深い話ではあるんですけれど、結局は自分の捉え方や喋っている言葉で自分に響いてきているので、そこを変えていこうって内容です。
和田先生のお話をいつも参考にさせていただいています。
和田:楽しみにしています。