経営者対談

モデル
押切もえ × ワクセル

日本を代表するファッションモデル、押切もえさんにインタビューさせていただきました。

押切さんは人気ファッション誌『CanCam』や『AneCan』でトップモデルとして活躍されてきました。現在は野球選手の妻、1児の母として家族のサポートをしつつ、小説家など仕事の幅を広げながら多方面で大活躍されています。

仕事とプライベートどちらも大充実されている押切さんから、仕事観や女性の幸せについて学べる機会となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

ご主人との出会いが結婚へのターニングポイント

インタビュアー:女性の幸せについて、なにを大切ににされているかをお聞かせください。

押切:年齢、年代によって目標、目的が変わってくると思います。そのなかで大切にしているのは、「この1年はこうしよう、そのためにはこの3か月はこれに集中しよう」という感じで、短い期間の目標を持つことです。

インタビュアー:結婚はいつ頃から意識されていましたか?

押切:結婚について考えてはいたものの、20代は仕事が楽しかったので仕事を優先していました。

それから30代になって、「そろそろ結婚したいな」と思い始めました。ただ、結婚って年齢でするものではないじゃないですか。相手のタイミングもあるし、まだ仕事もやりたかったのでなかなか踏み切れませんでした。

そのような状況で、いまの主人と出会いました。この時、自分もある程度キャリアがあってやりたいこともできていました。主人は仕事も応援してくれていたので、この先は結婚してからできる仕事をやっていこうと思えたんです。なので、主人との出会いが大きかったですね。

インタビュアー:旦那さんと全くケンカをしないそうですが、秘訣をうかがえますか?

押切:まず、主人が全然怒らないんです。それに、怒るのにエネルギー使うのって嫌じゃないですか。なので私も怒らないようにしています。あとは、20代のときに「怒ると美容に悪い」と聞いてから怒らなくなりました。

楽観的でいること、軸を持ちながらも柔軟なことが愛され続ける秘訣

インタビュアー:ずっと愛され応援されるために意識していることはありますか?

押切:楽観的でいることが大事だと思います。哲学者のアラン(本名エミール=オーギュスト・シャルティエ)さんの言葉で、「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」というものがあります。楽観は自分の意志でコントロールできるので、沈みがちなときも意識すれば楽観的になることができるんです。

ただし、無理やりポジティブに考えるっていうのは好きじゃないんですよね。当然落ち込むときや気分が乗らないときもあります。その場合は1人の時間をつくり、自分と向き合う時間を大切にしています。あとは友達に話して頭の中を整理することもありますね。

インタビュアー:著書の中で「愛されたいという気持ちがエネルギー源になる」と書いてありましたが、元々そういうタイプでしたか?

押切:20代で書いた本なんですが、正直言うと当時自分の原動力をどう表現したらいいのかわからなかったんです。どうやったら伝わるかなって考えた結果、当時は「愛されたい」が一番伝わるかなと思ったんです。

いまは愛したいとか、共感したいという気持ちが強いですね。年齢やステージによって、考え方は変わっていくと思います。いまは「愛され」も大事ですが、「自然体」が流行りですかね?「狙いすぎるとダメ」みたいな風潮があるじゃないですか。

私が10代で読者モデルをやっていたころは、むしろ「人目を気にしない」というスタンスが共感されていた気がします。なので私の中では「人目を気にしない」という土台がありながら、気持ちや時代の変化に合わせて働き方、ファッションを変えてきました。

美貌を保つには仕事と自分のケアのバランスを取ることが不可欠

インタビュアー:美貌を保つために、20代30代で大切にしてきたことはなんですか? 

押切:仕事と自分のケアのバランスを取ることがとても大切ですね。仕事を頑張りすぎると心がポキっと折れちゃうときがあるので、折れないようにちゃんと自分のケアをしてください。

今日は頑張ったから美味しいワインを一杯飲もう、好きなアクセサリーをつけようという風に、ご褒美があると元気が出ると思います。自分がハッピーになって初めてまわりの人にハッピーをシェアできるので、自分のケアはとても大切なことなんです。

ちなみに、20代はかなりがむしゃらに仕事をしていました。仕事がない時期を経験していたので、やっと頑張れる場所を見つけたことが嬉しくて頑張っていました。とにかく何でも手をあげるタイプでしたね。いま思うと、この下積み時代があって本当に良かったなと思います。昔の自分、頑張ってくれてありがとうみたいな(笑)

やりたいことは発信して、チャンスがあればまずやってみる

インタビュアー:現在、小説や絵など多方面で活躍されていらっしゃいますが、もともとこういうお仕事をやりたいと思われていましたか?

押切:10代のころから、本はいつか書きたいと言ってきました。絵に関しても「絵の仕事あったら嬉しいです」というように発信をしていました。そのお陰か「チャリティで絵を書いてみないか?」と声をかけていただき、絵のお仕事に携わるようになりました。

日本ではモデルの仕事で社会貢献することが難しいので、絵を描くことでオークションを通じて貧困地域に貢献できることがとても嬉しかったです。もともと水彩画に興味があり、やってみたらとても楽しかったので、そこからまたチャリティに出させていただいたりしました。

絵のお仕事をやってみると絵が好きな人と繋がりができたり、いろいろアドバイスをいただけたりと、いいことがたくさん起きました。やってみる、一歩踏み出すってとても大事だなと感じます。

失敗しても誰にも知られないから、仕事はとにかくやってみる!

インタビュアー:今ではいろいろな仕事をされていますが、その仕事をやってみるかどうかの判断は何を軸にしていますか?

押切:20代~30代前半はいただいた仕事は全部受けていました。とにかくやる。やってみないと分からないじゃないですか。やらないで自分の可能性を狭くするよりは、「はい!YES!」でとにかくやってみようという気持ちが大事。

まずやってみて、向いてなかった、ここが足りなかった、みなさんの期待にこたえられなかったという場合は次回どうするかを考えます。そういう場合はだいたい次の仕事がこないんですけどね(笑)

いろいろやってみる中で、意外とできる仕事が見つかったりもします。スタッフさんが素晴らしくて、サポートしていただいたお陰でとてもいいものができたとか。そういう経験もやってみないと分からないんですよね。

以前、本を出すときに尊敬している作家さんからアドバイスをいただいたんです。わたしが本を出しても売れないかもしれない、失敗するかもしれないと不安になっていたときに「大丈夫、売れなかったら誰にも知られないから(笑)」って。

(本を出すために)時間もお金もかけてはいますが、もし売れなくても必ず自分の成長にはつながるし、次はこうすればいいんだなとか、あれはやらなくてよかったなとか自分の糧にもなるはずです。そう考えると、本を出すってそんなにリスクはないんだなって理解できました。

モデルになるときも失敗するかもと心配でしたが、失敗しても誰にも知られないし迷惑はかけないからいいかなって思ってチャレンジしてきました。

もちろん、やるからには自分が満足、納得するまでベストをつくそうって思っています。

サステイナブル・持続可能な商品で世の中に貢献していく

インタビュアー:これからやってみたいことやビジョンをお聞かせください。

押切:いまは子育てがとても楽しいんです。なのでいまは子育てと、主人のサポートをしつつ自分ができることをやりたいと思っています。いずれ子育てが落ち着いたら絵とか小説など、時間のかかることをもっとじっくりやりたいですね。

いまファッションの仕事で1つプロデュースしているものがあるんです。オーガニックコットンを使ったアイテムで、働く女性や仕事で疲れている人が家でほっとできるようなルームウェアなどをつくれたらいいなと考えています。働く女性を応援できたら嬉しいです。

最近は素材にこだわっている商品が増えていますよね。SDGsが浸透してきていて、「持続可能」という言葉がキーワードになってきていますが、ファッション業界でも「サステイナブル・持続可能」がテーマになっていることが多いです。着心地が良く環境にも配慮したものが、これから多くの人に愛されていくんではないかと感じます。

自分の想い、信念や目標を胸に前進し続ける

インタビュアー:最後に、20代・30代で起業を目指している人に一言お願いします。

押切:自分の想い、信念や目標を胸に抱きつつ、コツコツと楽しみながら前に進んでください。応援しています!今日はありがとうございました。

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