経営者対談

株式会社アキュラホーム 広報担当
西口彩乃 × ワクセル

株式会社アキュラホーム 広報担当の西口彩乃さんにインタビューさせていただきました。

西口さんは2012年に株式会社アキュラホーム(以下アキュラホーム)に入社、2018年から「木のストロー」の開発にたずさわり、現在は「木のストロー」の普及活動や講演活動をされています。

「木のストロー」はプラスチックごみの削減につながるとされ、地球環境大賞、農林水産大臣賞など多くの賞を受賞しています。

インタビュアーは中村麻里子さん、たかしまれおさんのお二人です。
中村さんは元AKB48所属のアイドルで現在はフリーアナウンサーとして活躍されています。
たかしまれおさんはドラマ「今日から俺は!!」映画「HIGH&LOW THE WORST」映画「今日から俺は!!劇場版」などに出演され、俳優として活動されています。

今回は、西口さんがさまざまな苦難を乗り越えて、「木のストロー」が誕生した経緯などを伺いましたので、ぜひ最後までお楽しみください。

間伐材の有効利用から思いついたのが「木のストロー」

中村:まずは「木のストロー」開発のきっかけをお聞かせください。

西口:はじまりは環境ジャーナリストである竹田有里さんからの一本の電話でした。

竹田さんが2018年に起こった西日本豪雨の際に、地元岡山の土砂崩れを取材したときの体験がきっかけとなりました。土砂崩れの被害にあった住民が「この土砂崩れは、間伐(木森林が健全に成長するように木を間引くこと)など森林管理を怠ったために起きた人災だ!」と言ったのが印象的だったそうです。

そこで、間伐材を有効活用した商品を作れないかと考え、「木のストロー」を思いついたそうです。そして、わたしのもとに「木のストローを作れないかな?」という連絡が入りました。

中村:そのときは、どう思いましたか?

西口:「え、住宅メーカーなのに、ストローを作るの?」と思いました(笑)

ただ、人に頼られるのは嬉しいですし、期待にこたえたいという気持ちから、すぐに大工さんに「木のストロー」を作ってほしいと連絡を入れました。

そもそもどうやって作ればいいのかすら、誰もわからない状態だったので、まずはとにかく穴をあけてもらいました。その結果、大工さんのお陰でなんとか試作品が完成しました。

この試作品は角材にドリルで長い穴をあけてもらったものだったのですが、作製に時間と手間がかかること、太すぎて飲みづらいことが大きな課題でした。

次に作製したのが、鉛筆の構造を参考にした分解できるストローです。こちらは分解して洗うことができ、飲みやすくなったので使い勝手も改善されました。ただ、作製コストの高さが変わらずの課題でした。

もともと「木のストロー」は ”間伐材を利用してストローを作ること”、 ”廃プラ削減に貢献すること” が目的でした。そのため「木のストロー」は世の中に普及する持続可能なモデルになるべきであり、作製コストの削減が必要不可欠でした。

アキュラホームの代名詞「カンナがけ」がヒントになった

中村:最初の試作品と現在の「木のストロー」はかなり形状が違いますが、どのように現在の形になったのでしょうか?

西口:どうすれば作製コストをおさえ、みなさんに使っていただける商品をつくれるかを試行錯誤するなか、アキュラホームの代名詞でもある ”カンナがけ” がヒントになりました。

カンナがけの際に出るうすく削られた木材(スライス材)が社内にたくさんあり、これを使って「木のストロー」を作れるのではないかと。

この時点ではじめて、会社に「木のストロー」のアイディアを提案しました。会社としても森林の保護や、間伐材の活用、植林事業などにも力をいれていたのですが、さすがに簡単に賛成してもらえるとは思っていませんでした

そこからいくつもの壁を乗り越え、ついに会社からOKをいただくことができました。とても嬉しかった反面、「絶対に成功させなければ」というプレッシャーも感じました。

なにしろ世界初の試みなのでゼロから生み出すしかなく、とにかく試行錯誤の連続でした。たくさんの人の力を借りながら、現在の形へ近づいていきました。

そんな中で「木のストロー」を最初に採用してくださったのが「ザ・キャピトルホテル東急」さんです。ザ・キャピトルホテル東急さんは持続的な社会貢献活動のアイディアを探しているタイミングでした。

そこで、まだ未完成の木のストローを当時の副総支配人にプレゼンテーションしたところ「完成したら導入したい」とオファーしてくださいました。

ここから、ホテル基準へとさらにクオリティを上げていく段階に入っていきます。「長時間水につけても劣化しない」「食事の味の邪魔をしない」など高い基準を求めて改善を重ねていきました。

そして、ついに完成したタイミングで発表することになりました。当時のホテルの総支配人が「せっかくこんなにいい物ができたのだから、記者発表会を開いて想いを伝えよう」と提案してくださり、ホテルの会場をお借りしての発表会をおこないました。

ザ・キャピトルホテル東急さん、竹田さん、アキュラホームによる世界初の「木のストロー」の発表会となりました。発表会には国内のテレビや新聞、さらには海外のテレビ局まで取材に来てくださいました。

記者の方がとても多かったので2回に分けて発表をおこないました。それだけ「木のストロー」が世間から大きく注目されているとわかり、とても嬉しかったです。

それから「木のストロー」はG20で採用、また地球環境大賞、農林水産大臣賞を受賞するなど、どんどん世の中へと広まり、素晴らしい評価を受けております。

キットを使えば、誰でも「木のストロー」を作ることができる

中村:木のストローを作る体験ができるとうかがったのですが。

西口:はい、誰でも木のストローを作ることができる、簡単なキットがあります。せっかくなので作ってみませんか?

中村、たかしま:ぜひ作ってみたいです!

(西口さんの指導のもと、中村さん、たかしまさんともに5分程度で木のストローが完成)

たかしま:とても簡単に作れますね。わたしは学生時代、美術の成績が2だったので、わたしが作れるのなら本当に誰でも作れると思います。

「木のストロー」だけでなく、背景のストーリーを伝えていきたい

中村:最後に今後の展望をお聞かせください

西口:「木のストロー」を世の中に広めるのはもちろん、「木のストロー」が完成するまでのストーリーをいろいろな人に知ってほしいなと思います。

2020年10月に『木のストロー』という本を出させていただきました。「木のストロー」を作る裏側ではさまざまな課題があり、それらについても書かせていただきました。

あまり普段意識しない森林管理、廃プラ、雇用、SDGsなどさまざまな課題をできるだけ多くの方に知っていただけたらいいなと思っています。


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