経営者対談

合同会社Fuan CEO
石崎陸 × ワクセル

今回のゲストは、合同会社Fuan(ファン)のCEO石崎陸(いしざきりく)さんです。石崎さんはウガンダの孤児院でドライフルーツをつくり、日本の高校生とコラボして世界中に届ける事業を展開しています。若くして世界に向けたチャレンジを続ける石崎さんの行動力や価値観の原点を伺いました。

MCはワクセルコラボレーターの岡田拓海(おかだたくみ)さん、美谷玲実(みたにれみ)さん、総合プロデューサーの住谷が務めました。

「お金よりも仕事をつくること」と気づきウガンダで事業を始める

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美谷:本日のゲストは、日本の若者にチャレンジする醍醐味を伝えることを使命としている24歳のCEO石崎陸さんです。石崎さんは19歳のときにアフリカのウガンダ共和国で事業を立ち上げ、帰国後に会社を設立しました。「フルーツ王になる」という目標を掲げ、現在は高校生を対象に教育事業を展開しています。

岡田:19歳のときにウガンダで事業を立ち上げたという行動力に驚きました。これまでどのような経歴を歩んできたのですか?

石崎:僕は10歳のときにジョン・レノンの『イマジン』を聞いて世界平和や社会貢献に生きると決めて、ずっとそこにアンテナを張ってきました。

高校2年生のときにイタリアへ留学したのですが、毎日通っていたスーパーの入口前で物乞いをしている男性と仲良くなったんです。その男性がウガンダ人で、「ウガンダに仕事が無くて仕方なく来ている」という話を聞いてビビッときました。これまで世の中の問題は全部お金で解決できると思っていたのですが、お金より、仕事をつくることの方が大事だと気づいたんです。そして大学生になり、新しく仕事をつくるべくウガンダに渡りました。

教科書に人生の生き方は書いていない

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岡田:ウガンダで立ち上げたのが養鶏場とのことですが、なぜ養鶏場だったのですか?

石崎:ウガンダではキリスト教徒が7割、他にもイスラム教徒などさまざまな人がいて、鶏肉だと宗教的な影響を受けにくいと思ったからです。あと、ご飯を食べられない子どもたちを目にして、長い時間待たせられないと思い飼育の回転が速い養鶏を選びました。

岡田:石崎さんは思い立ったらすぐ行動に移すタイプだと思うのですが、その行動力はどのように培われたんですか?

石崎:イタリア留学中の経験が大きく影響しています。まずイタリアの学校で初めに受けた衝撃が「ここは勉強する場所じゃない、人生を学ぶ場所だ」と言われたことです。勉強しに来た僕としては「どういうこと?!」って思いましたね。

徐々にイタリア語が読めるようになり、生徒が皆、ペン立てに名言を書いていることに気がつきました。そのなかの一つに「教科書に人生の生き方を教えてくれるものはない」というものを見つけて、そのとき「確かに!」って納得したんです。

教科書をどんなに勉強しても、どうやって生きろとは書いていない、自分で行動して見つけるしかないという考えに至りました。

フルーツ事業を通じて孤児院の子どもが学校に行けるようにサポート

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岡田:現在展開している教育事業にフルーツが深く関わっているとのことですが、どのような取り組みをされているのですか?

石崎:教育事業をしようと思ったのは、僕自身が日本の教育に合わなかったと感じているからです。というのも当時「学ぶだけで何もできないじゃん」という感覚があって、もっと実践するとかフィールドワークするとか、生きた学びをしたかったという思いが強かったんです。だから30歳までに保育園をつくり、日本の教育を変えることを目指しています。

そして、フルーツを扱うようになったのは、ウガンダで始めた養鶏場の鶏が盗まれるという事件が起きたことがきっかけです。ウガンダでは鶏は高級食材なので狙われてしまい、孤児院の敷地で運営していたので強盗が来るような事業だと子どもたちが危険なため、止めざるを得なくなりました。

ただ、募金やクラウドファンディングを通じて僕の思いを支援してくれた方々のお陰でスタートできた事業だったので、その気持ちを踏みにじりたくなかったんです。そのため「もう一度何かここでやろう」と考え、フルーツが思い浮かびました。

ウガンダのパイナップルやマンゴーってめちゃくちゃおいしいんです!でもそのことをウガンダ以外の人は知らない。だったら世界中の人においしいフルーツを届けて、それで孤児院の子どもたちがご飯を食べられたり、学校に行けたり、そういう風につながっていったらいいなと思い、ドライフルーツの事業を始めました。

高校生とのコラボレートで生まれる魅力的なアイディア

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石崎:ドライフルーツと教育がつながったのは、「フルーツ王になります」って半分冗談、半分本気で発信したのがウケて、ある高校の先生から「高校生と一緒にできませんか?」というお話をいただいたからです。

最初はサークルみたいな形で、放課後に家庭科室に集まってみんなでパイナップルを切ったり干したりして始めました。それからどんどん校内でうわさが広まって規模が大きくなり、文部科学省が2022年から実施している『総合的な探究の時間』の一環として取り組めることになりました。

生徒たちはとても楽しそうに参加しています。フルーツの色が変わったり、まずくなったり、一つひとつを実験して学びながら、「ウガンダってどういう国なんだろう」とか、「どうして貧困が生まれるんだろう」ということまで学んでいます。

また、高校生が考えるアイデアがすごく素敵なんです!パッケージ案を考えていたときに、ある生徒が「孤児院の子どもたちに絵を描いてもらえばいいのでは」と言ってくれて、愛を感じましたね。自分では思いつかなかったことを提案してくれて、コラボレートの力を感じています。

自分のなかに面白いベクトルを持つ

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美谷:石崎さんは多くの方を巻きこんで事業をされていて、仲間をつくることが得意なんだと感じます。石崎さんが人と関わるうえで大切にしていることはありますか?

石崎:僕はすごく寂しがり屋なんです。だから寂しいときに「寂しい」って言うようにしています。以前の僕はプライドが高くてツンとしていて、それが原因で徐々に仲間がいなくなってしまったことがあったんです。でも素直に「寂しい」と言うようにしたら仲間が増えました。

あと、大事にしている考えがもうひとつあります。大学生のときに飲み屋で「石崎って面白くないよな」って言われたことがあって、ショックというよりも「なぜ人は相手に面白さを求めるんだろう?」ってすごく不思議な気持ちになったんですよね。

僕は留学中、挑戦することの楽しさ、学ぶことの面白さを感じていて、人や環境に面白さを求めたことはありません。なので環境のせいにしたり、人のせいにしたりするのではなく、自分がどうやったら楽しくなるか、自分のなかに面白いベクトルを持つことが大事だと思っています。そうするともっと人生が楽しくなると思うんです。

“世界のファン”を増やしていきたい

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住谷:僕は教員免許を持っていて、もともと教育に興味があり、多くの人に夢を与えていきたいという思いで起業しました。石崎さんの考え方にとても共感し、たくさんの刺激をもらいました。今後の活躍が楽しみなのですが、どのようなビジョンを持っていますか?

石崎:僕は日本で過ごして、アメリカやイタリア、ウガンダなど、さまざまな国を見て「世界はとても素敵なんだ」ってことを体感しました。僕は僕みたいな“世界のファン”を増やしていきたいんです。「僕たちが動くことによって、より多くの人がこの大きな世界の一員であることをもう一度意識できるように、そして今より世界のことが好きになれるようにしたいです。」