経営者対談

ADRENALINE ARTIST
東樹生 × ワクセル

今回のコラボレーターはアドレナリンアーティスト(ADRENALINE ARTIST)の東樹生さん。アドレナリンアートとは、身体に絵具を塗布し拳や頭突きを全力で作品に叩き込んで制作するもの。自身のエネルギーを最大限に込めた表現は命をかけた戦い、テーマは「フラストレーションの昇華」だという、東さんの根底にあるもの、意図するものとは?

テーマは「フラストレーション・怒りの昇華」

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住谷:今回のコラボレーターはADRENALINE ARTIST(アドレナリンアーティスト)の東樹生さんです。ADRENALINE ART(アドレナリンアート)という芸術は、どういったものですか?

東:簡潔に説明すると身体じゅうに絵の具をつけて、自分の拳と額を使い、キャンバスにたたきつけ色を載せていくアートです。ヘッドバットやパンチ、キック、エルボーなどを用いて全力でキャンバスにたたきつけて作品にしていきます。

作品との闘いなので、全身全霊、すべての力をぶつけていきます。制作中は作品とのにらみ合いの時間。作品と間合いを詰めながらやっていると、時間もけっこうかかりますし、当たりどころが悪いと途中で失神する場合もあって、翌朝に目覚めることもあるんです。

住谷:なぜこのスタイルで作品制作をしようと思ったんですか?

東:もともとは芸術系の大学に通って絵を描いていたのですが、そのころ、運動部出身の自分は、なかなか周りの学生たちにはなじめず、壁にぶつかったんです。絵を描き続けてもうまくいかず、焦りで追いつめられていました。

そんな3年生のある日、筆を持ち、キャンバスと向き合うなかで、周りの評価や思うようにいかない自分自身へのいらだちが募り、衝動的に拳を描きかけのキャンバスにたたきつけました。何度も何度も夢中でパンチし、疲れ果て、眠ってしまいました。でも、目を覚ましたときに、拳でつけた絵の具の跡の色彩になぜかひかれたんです。

そして、次にこの手法で壁にデカい絵を描いていて、頭突きで失神して目が覚めたら、シャツに絵の具の色彩が広がっていました。それを見たとき、本能的に俺は死ぬかも知らんけど「これでやっていこう」と思ったんです。アドレナリンアートが降りてきた感じですね。

だから、アドレナリンアートのテーマは「フラストレーション・怒りの昇華」なんです。自分の怒りや気持ちを、絵にぶつけることによって気持ちがどんどん昇華され、落ち着いていきます。

制作途中はアドレナリンで全然痛さを感じないんですが、描き終わってからが痛いです。ケガをすることもありますし、鼻は何回か折っています。身体には負担がかかりますが、辞めようと思ったことは一度もありません。

先ほども話したように、アドレナリンアートのテーマはフラストレーションの昇華。誰もが感じるであろう、社会問題や自分自身の現状などへの怒りや不満。それを自分の肉体を使い、全力で作品にぶつけていく。うまくフラストレーションを昇華できない人たちの代弁者となり、作品を通して伝えていくという意味合いもあります。

アートで天下をとる!狙うは展示会開催の領土拡大

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住谷:将来の目標や今後の展望を教えてください。

東:アートで“令和の豊臣秀吉”になって、天下をとることです。今のスタイルでやっていたら、ケガも多いし痛いし、朝起きたら血が出ていることもありますが、命懸けで作品にぶつかることによって、魂やエネルギー、パワーが生まれます。

それは見ている方にも、自分自身もわかることなので、このスタイルで天下をとるのが目標です。秀吉は何もないところから天下人になったというのが、自分と重なるところがあると思うんです。

大学時代には全国的コンペ『リキテックスザチャレンジ』にも入選し、アート1本で食えるようになりたい、アートで天下をとりたいと思いました。親には反対されましたが、今はこのアート1本で食えるようになって、スタッフも雇えるようになりました。秀吉と重ねていつも自分を奮い立たせていましたね。

住谷:アートで天下をとるというのは具体的にはどんなことですか?

東:僕も正直わかんないです(笑)。ただ、東樹生が天下人の基準になればいいと思っています。たとえば100年後・200年後、1億年後・2億年後とか、もっと先の未来に、若い子が天下をとりたいと思ったときに、東樹生みたいになりたい、「天下人と言えば東樹生」という男になれればいいなと思います。

具体的には僕の作品が国家予算レベルまで価値が上がるとか歴史の教科書に僕がドーンと5ページくらい載るとか。そんな人はいないから僕が最初になりたいと思います。

現在の活動としては、北は東京から南は鳩間島(はとまじま)まで、さまざまなところで展示会をしています。鳩間島は沖縄の離島で、台湾に近く、人口40人くらいの小さな島。そこに企業からの案件で1カ月間滞在し、地域の方々と交流しながら制作しました。

島のパワーでアドレナリンにも拍車がかかるというか、覚醒した状態で制作できたのが印象的でした。今年の10月には大阪で個展を開催する予定で、現在、オーダーも受けています。開催する地域をどんどん拡大し、秀吉でいう“領土拡大”を意識しています。制作パフォーマンスは僕ひとりではなく、仲間と一緒にやっているので、仲間と天下をとっていきたいと思います。

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