『国宝』が黒澤明賞を受賞!第38回東京国際映画祭

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞をとった黒澤明氏
『国宝』などの名作は監督が身を削って生み出している

ワクセル 映画 嶋村吉洋 東京国際映画祭
©2025 TIFF

現地の様子や映画祭の雰囲気は1つ前の記事でご紹介していますので、そちらをご覧ください。

ワクセル(総合プロデューサー:住谷知厚)が企画する映画文化発信プロジェクトの一環として、第38回東京国際映画祭の様子をお届けします。

この記事では今年とても話題になった映画『国宝』が黒澤明賞を受賞したことについて書いていきます。

話題の映画なので観た方もたくさんいると思います。

映画『国宝』は日本の伝統芸能の歌舞伎の世界を舞台にした作品です。

『国宝』の監督の李相日(りさんいる)氏『フラガール』『悪人』『怒り』『流浪の月』など様々な作品を手がけました。

『国宝』では歌舞伎界の独特な血で繋がった宿命に翻弄され、葛藤しながらも芸に身を捧げる登場人物を描ききっていました。

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞をとった黒澤明氏

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嶋村吉洋
東京国際映画祭
©2025 TIFF

黒澤明氏の映画を観るととても面白く、わかりやすい作品もあれば、とても難解で理解が及ばないという作品もあると思います。

生涯で30本ほどの作品を黒澤明氏は残しましたが、数々の賞を受賞しています。

戦後初めて外国で賞をとった作品が、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞をとった『羅生門』です。

この『羅生門』は日本人の目にはとても難解な作品に映っています。

ただ『羅生門』にはこんなエピソードがあります。

リハーサルをしている俳優の演技が仕上がってくると黒澤明氏はそのままカメラを回して撮影を始めたそうです。

しかし音声スタッフの準備が間に合わないままに撮影が始まるので、俳優の声がとても聴き取りずらくなってしまいました。

当時の音響設備が今ほど高性能ではなかったこともありますが、マイクの準備が間に合ってなかった事も原因だったようです。

ただ海外で上映される時は字幕がつきます。

日本では当初全く評価されなかった『羅生門』が、海外では話の内容が字幕で理解できた。

だからヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞をとったのではないかと話している映画監督もいます。

『国宝』などの名作は監督が身を削って生み出している

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嶋村吉洋
東京国際映画祭
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黒澤明氏には様々なエピソードがあります。

人づてにエピソードが語られるうちに話が大きくなっているものもあると思います。

ただそのエピソードには「誰かに話したい」と思える魅力があるために人づてに語られます。

『蜘蛛巣城』という映画では本物の矢を俳優の近くに打ち込みリアリティを追求したようです。

また『八月の狂詩曲』という映画では理想の形の蟻の行列を撮影するために5日待ったそうです。

このシーンに出演したリチャード・ギア氏はこの映画以降、蟻との共演をNGにしたという逸話もあります。

素晴らしい作品を作る監督にはとてつもないこだわりを感じるエピソードがつきものです。

今回、黒澤明賞を受賞した『国宝』の監督の李相日氏は映画を1本作るごとに歯が1本抜けるそうです。

それほど1つひとつのシーンに魂を込めているということだと思います。

李相日氏が黒澤明氏のように30本の映画を制作したら、30本の歯が抜けてしまいますね。

しかし、それだけ熱い想いで映画を制作しているということです。

東京国際映画祭が行われる日比谷の周辺は、映画祭が開催されているシーズンには映画の街になります。

ぜひまた2026年に、東京国際映画祭へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

▼2024年の東京国際映画祭のレポートはこちら