うつ病のシングルマザーから世界で活躍する女性経営者へ。絶望から脱して成功を引き寄せる秘訣とは?

YURI(結梨嘉望)

YURI(結梨嘉望)

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ライフコンサルティングや講演、MC、オンラインサロンの主宰など幅広く活動しているYURI(結梨嘉望)さん。夫との死別をきっかけにシングルマザーとなり、多額の借金を背負うという絶望的な状況から、現在では世界を股にかける女性経営者となりました。世界をつなぐニューリーダーとして活躍するYURIさんに、起業までの道のりや、大切にしている考え方などを伺いました。

うつ病、シングルマザー、借金……絶望のふちで見えたもの

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_YURIさん

2020年6月、夫が亡くなり突然シングルマザーになったことは、私にとって大きな転機でした。当時子どもが3歳、5歳、6歳の3人。私は保育士として1年ほど働いたあとはフリーターをして、その後は専業主婦になったので、社会人として働いた経験がほとんどありません。

続けて出産し、子育てに追われるなかでうつ病を発症。パートで働くことすらできず、シングルマザーとなってもすぐに社会復帰するのは困難でした。

死別した夫は建築業の自営業をしており、その業務の整理をしなければなりません。しかし、建築業界の知識はなく、仕事の相手は年上の男性ばかり。慣れない環境で請求対応や庶務を行うなかで、1400万円の借金があることが判明しました。

そんな中、夫の事業を引き継ぐと言ってくださる屋根の工事会社の方が現れました。何もわからないなか、その方にお金を渡したのですが結局は詐欺だったのです。結果的に借金がどんどん増え、1600万円くらいに膨れ上がりました。

ビジネスは何をやってもうまく行かないので、まずはお金を稼ぐためにパートで働こうと思いましたが、パートでは借金を返すどころか家族4人で生活していくだけで精一杯です。

そこで、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSを始めましたが、発信するネタや才能、人脈、お金も何もありませんでした。

それでも私はノートに「2021年、私は世界進出する」といった自分の願望を書きました。現実離れしすぎているし、何の根拠もありません。年を越せるかという状態で生活しているのに、夢を忘れたくないと思っているもう一人の自分がいて、ノートに書き続けていました。

SNSでの発信をきっかけに著名人から応援される存在に

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自分の願望をノートに書き始めてから1カ月後の2021年1月末に、音声SNS『Clubhouse』が日本に上陸しました。当時はピンときていなかったのですが、芸人の知り合いから「絶対にプラスになる」と勧められました。

面白いネタがあるわけではないので、最初は7〜8人の知り合いと話すだけで、人が集まりませんでした。そこで一度グループを離れ、自分で人を集めて挑戦することに決めました。

著名な本の著者や影響力のある方々に対して、「力を貸してください。必ず力をつけて全力でお返しします!」と、ダメもとで自分の思いを込めてDMを送りました。また、講演会にも参加し、直接アプローチする機会を増やしました。

その際には、「日本一のモデレーターになります!」と宣言し、協力をお願いしていました。何もない主婦の言葉を真剣に聞いてくれる人は少なかったのですが、大嶋啓介さんや永松茂久さんなど、協力してくださる方々が現れ、本当に感謝しています。

当時、大学生や主婦をクラウドファンディングで応援するためのClubhouseのルームを立ち上げました。お金はないので出資はできませんが、時間はあるので応援はできると気付きました。

著名な方に話していただくルームと、クラウドファンディング応援のルームの2つを運営していたのですが、フォロワー数はなかなか伸びず、思うような成果が出ませんでした。

そんな中、たまたま伊勢神宮へ参拝する機会がありました。神社や神様を特に信じていたわけではありませんが、詐欺に遭い、SNSも上手くいかない状況で、「何もないですが、私を使ってください」という言葉がふと心に浮かびました。

伊勢神宮参拝の帰り、小さな段差で盛大に転び、スマートフォンが壊れるくらいボロボロになりました。そのときに、私の人生終わったなと思う反面、ここから何か新しいことが始まると感じました。

そうしたら、翌日にClubhouseで「みんなで自分のプロフィールを添削し合おう」というルームが日本で最もバズりました。それをきっかけに少しずつ顔が知られるようになりましたが、すぐにお金になるわけではありませんでした。

ある時、本田健さんがClubhouseの私のルームに入ってきて、「あなたのことをClubhouseのプロフィールのアイコンで見たことがあるよ」と言ってくれました。

その後、「あなたは人の応援をしている場合じゃないよ。あなたが助けてもらわないといけないのに、なぜ人のために動いているの?私たちはあなたのために動くから大丈夫だよ」と声をかけていただきました。

誰も見ている人なんていないと思っていたので、本当に感動しました。その後、タレントの田中律子さんや書道家の武田双雲さん、山崎拓巳さんとつながることができ、多くのご縁の源はClubhouseでした。それから「ママさんを応援したい」というエンジェル投資家の方が現れ、300万円を出資していただきました。

ビジネスのことなんて何もわかりませんでしたが、その資金を元に起業。起業して3カ月ほどたったときに、武田双雲さんから「一緒にオンラインセミナーやろうよ」とお声がけいただきました。

2021年当時はオンラインだとリアルに比べて価値が低いと思われていて、リアルに参加するより、オンラインでの参加費の方が安いところがほとんどでした。

それでも私たちのイベントは、一人8,000円の参加費で約470名の方にご参加いただきました。私が何もないときに助けていただいたお返しに、売上の多くを双雲さんにお渡しすることで少しは恩返しができたと思っています。

具体的なイメージが理想の現実を創造する

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最初は自分と子どもたちのために必死で生きていましたが、自分のためだけに頑張ってもうまくいかないと気付きました。自分だけのために行動していると、負のループに陥ってしまい、結果的に状況は悪化していきました。

しかし、自分以外の誰かが私という存在を使ってうまくいくように、誰かのために尽くすことで、周囲の人々が私を応援してくれるようになりました。かわいそうな私ではなく、ビジョンに向かっている私として見てもらえたのです。

ビジョンがなかったときは応援が一時的にあったとしても応援し続けてもらえることがなかったと思います。人はビジョンによって動き出すし、その人が見ている世界に共感して行動してくれるというのが大切なポイントですね。

現在は海外でも仕事をさせていただいていますが、そのきっかけは、知人女性からエジプト旅行に誘われたことです。1週間ほど子どもたちを預ける必要がありましたが、行くと決めると預かってくれる人も見つかるものです。

エジプト旅行で自分の枠がパコーンと外れて、もっと海外に行きたいと思うようになりました。本田健さんが、「入ってきたお金をどこに流すかが大事だ」と言っていた言葉が心に残っており、私は収入の一部をカンボジアやスリランカの学校修繕のために寄付することにしました。

現地に視察に行ったときに、子どもたちとそのご両親、学校の先生や地域の人々が泣いて喜んでいるのを見て、私の小さな行動がこんなにも大きな影響を与えたことを実感しました。

現在、2冊目、3冊目の著書の発売が決まっています。2冊目は『マイノート』という、自分と向き合いながら書き込むワークブックです。まだ1ページも完成していない段階から、すでに30カ国でイベントや講演会開催の依頼をいただいています。自分でもわけがわからないことが起こっているんですよ(笑)

講演会で皆さんに伝えたいのは、自分と自分以外の誰かが、「共に幸せになるために行動することの大切さ」です。多くの人は「お金ができたら」「時間があったら」「環境が整ったら」などと条件を整えてから行動しようと考えがちですが、実はビジョンが先で、その後に現実がついてくるのです。

いつもお伝えしているのが「想像が現実を創造する」ということ。現状から無理だと判断せず、何をしたいのか、どこに向かいたいのかという未来のイメージが先なのです。

私は借金にまみれた引きこもりの専業主婦でしたが、ノートに「世界に進出する」と書いた願望が実現しました。具体的なビジョンをイメージすることで、達成までの道のりが加速します。

人がイメージできる世界は必ず存在しているのに、多くの人が途中で諦めてしまいます。世界中のすべての人が一人1冊の『マイノート』を持ち、自分と向き合うことができたら良いと思います。特にママさんたちや世の中の女性は、もっとお金を稼いで豊かになって良いし、「もっと幸せになっても良いんだよ」と伝えたいです。

2冊目の出版で30カ国でイベントや講演会開催の依頼をいただいているのは、自分の思いが先行し、その後に現実がついてきた結果だと思います。できるだけ具体的に夢をイメージできたら必ず叶うはずなので、それを今後も伝え続けていきたいです。

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