中医学と漢方の専門家が伝える「本当の医療」
薬学博士であり、漢方薬局の運営もしている吉村吉博さん。活性酸素の研究と、中医学の研究を両立する異色の学者であり、漢方の大学で教鞭を執ることもあります。日本の医療に対する疑問を持つなかで、吉村さんが考える「本当の医療」とは何なのか?本コラムにて詳しく語っていただきます。
酸素と水の研究でアンチエイジングの先駆者に
実家は岐阜県で、無農薬栽培のお茶農家を営んでいました。私は三男なので農家を継ぐことはなく、知り合いをたどって東京の大学へ進学。生物や化学に興味があったので、幅広く学べる薬学部を選びました。
薬剤師になるつもりはまったくなかったのですが、教授の頼みで薬剤師の国家試験を受けて資格を取得して大学院へ進みます。マスターコース、ドクターコースと進んでもまだやりたいことが見つかりませんでした。やりたいことがなかったので教授からの助手にならないかという提案のまま、大学で助手の仕事をしていました。
大学院ではずっと酸素と水の研究をしていました。アンチエイジングの話になるとよく出てくる「活性酸素」の研究のはしりですね。アンチエイジングについては間違っていることもあるので、すべてをうのみにするのはよくないですね。
活性酸素の研究はずっと続けていましたが、厚生労働省から「環境ホルモンについて研究してくれ」という依頼がありました。環境ホルモンは昨今のLGBTQにつながる問題です。今でも環境ホルモンについての研究は続けていて、専門家として講演をすることもあります。
学生のひと言がきっかけで漢方と出会う
大学で研究をしているときに、中国や台湾、韓国からの留学生がたくさんいました。その中に中国の漢方医師である『中医師』の方がいます。その学生が私に「中医学を勉強しないか」と声をかけてきたのがきっかけで漢方の勉強を始めました。
学生と一緒に訪問診療に行ったときに、漢方や気功などさまざまな治療を目の当たりにして、「本当にすごいものだ」と感動しました。そこから学生たちと毎日、中医学を勉強しました。漢方と中医学は同じように見えますが、まったく異なるものなんです。
もともとの活性酸素の研究と、中医学の研究との二足のわらじを履くようになりました。その後は漢方の大学が新設されたので、そこで生徒に教えていたこともありますし、漢方薬局をつくることもしました。
日本の医療を変えるためにできること
私がエネルギッシュに活動できる秘密は「気」にあると思います。「気」とはパワーのこと。メンタルもフィジカルも総合したパワーのことを指します。元気の「気」、病気の「気」もすべてパワーを意味する気なんです。
つまり病気は「気」の病ということです。私は病気になったことがありませんし、病院で保険証も使ったことがありません。病気の原因のほとんどは生活習慣にあります。昨今流行した新型コロナウイルスでさえも、気が高ければかかることはありません。
私はコロナ禍でマスクをしたことがありませんし、もちろん感染したこともありません。気が低いとウイルスや細菌がどんどん体の中に入ってきてしまいます。
私は日本の医療を変えたいと思っています。新型コロナウイルスの流行を含め日本の医療には疑問点がたくさんあります。添加物の安全性などでも表に出ていない情報がたくさんあるんです。
患者さんがよくなる「本当の医療」を伝えていきたいです。日本の医療でまだわかっていないことも中医学ではわかっています。患者さんがよくなることが最も重要なことなのに、「エビデンスがないとできない」とよく言われます。
研究結果のようなエビデンスを探すことに翻弄されています。日本の医療業界と戦っても負けてしまうので、一般の生活者を味方に付けて一緒に戦っていきたいです。