サウナ活動家が語るサウナの魅力と「持続性のあるビジネスモデルへ」

矢野 伸

矢野 伸

2023.04.10
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_矢野さん

矢野さんはITエンジニアから転職を経て、システム開発会社の営業とキャリア事業責任者になりました。サウナが趣味であったことから、2018年2月よりサウナ活動家としてサウナの普及に努めています。2019年には『日本サウナ大賞 サウナの魂賞』を受賞。そんな矢野さんにサウナの発信を始めたきっかけや、今後の展望をお伺いしました。

2018年からサウナ入門者向けのブログを発信

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新型コロナウイルス感染拡大以降、サウナが流行して「ととのう」という言葉も知られてきていますが、2020年より前はほとんど知られていませんでした。当時は、若者が入るよりも、おじさんの楽しみという印象が強かったと思います。

サウナ自体は2017年頃から好きになりましたが、友人の勧めがあるまで一度も入ったことがありませんでした。一度入ってからハマり、定期的に仕事の合間に行くほどの趣味として、熱量高く継続していました。

私が最初にブログで発信し始めたのは2018年2月。実は、当時休職中でした。元々ITエンジニアとして勤務していましたが、職場でパワハラにあって自宅療養。ただ、気持ちが落ち込んでいるときに自宅にずっといると余計に落ち込むと思い、ブログを始めました。特に大きな志があったわけではありませんでしたが、自分が好きなサウナを題材に発信しました。

2018年当時、アンダーグラウンドではサウナが盛り上がっていましたが、「ととのう」という言葉や、正しいサウナの入り方すら世間的に知られていませんでした。そのため、情報がまとまっている入門者向けのブログは、徐々に評判となりました。

サウナ好きが集まる交流会を開催

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ブログの読者数も増え、サウナ好きが集まる場に顔を出すと話が盛り上がったり、サウナ施設の方やマニアの方のつながりが増えました。

サウナの発信をして気付いたことは、サウナ好きの集まる場所がなかったことです。そこで、サウナ好きが集まる交流会を開催しました。交流会と言っても、月に1回サウナに入って食事や歓談をするものです。サウナ好きが集まる場が限られていたため、イベントを開催すると喜びの声が集まり、継続的に人が集まるのでやりがいを感じました。

コロナ禍になってからイベントができなくなりましたが、「何かできることはないか?」と考える会をオンラインで開催しました。このままだとサウナがなくなってしまうと危機感を覚え、継続的に利益を生み出すビジネスモデルの確立が必要でした。

また、サウナの効果的な入り方の認知度も低かったので、チラシやポスターを作って温浴施設に置かせてもらう活動を無料で始めました。その他に、オンラインでのイベント開催や熱波師検定のサポートなども実施し、草の根的に活動を継続しています。

サウナの魅力は「再起動」できること

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2020年以降サウナがブームとなり、サウナについて発信する人も増えてきました。「ととのう」はいろんな考え方の論争がありますが、自分は「非日常・無になる感覚を得られること」だと考えます。

「サウナに入る」「水風呂に入る」「休憩をする」

これを3セット繰り返します。

サウナに入ったことがない人は、サウナ室より水風呂を壁に感じる人が多いですが、意外とすぐに克服出来るものです。学校のプールも最初は冷たいと感じますが、入ると意外と平気になるのと同じ感覚です。

水風呂で気持ちよくなるには、サウナ室で熱々になる必要があるので、よりサウナに長く入ることによって、より良い「ととのい」ができます。そして休憩時に目を閉じて、身体の血の巡りを感じてひたると心地よさがおりてきて「ととのった」となります。

「サウナ→水風呂→休憩」を繰り返していると、「熱い→冷たい→開放」の流れで何も考えられなくなります。余計な考えが頭の中から消えていくので、人間関係などのもやもやしていたものが一旦ぷつっと途切れ、頭も心もすっきりします。サウナは、リブート(再起動)ができる素晴らしい趣味です。

今の自分にできるのは、新規利用者が増えるチラシ配りの継続と、持続性のあるビジネスモデルの考案です。収益性を上げるために、経営しやすい方法論を見つけていきたいと思います。利用者の意見や施設の方の話を伺いながら解決策を見いだし、経営面でのサポートができる活動を増やしていくことが目標です。

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