【イベントレポート】東京都主催『第43回 ふれあいフェスティバル』元プロ野球選手のアレックス・ラミレス氏も登壇

ワクセル編集部

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2023.12.29

今回は、東京都主催の『第43回 ふれあいフェスティバル』を取材しました。このイベントは、障がいのある人とない人が交流し、障がいや障がいのある人に対する理解を深めることを目的としたもので、今年で43回目を迎えています。当日は記念式典の他にも、ダンスパフォーマンスや、元プロ野球選手のアレックス・ラミレス氏を招いたトークセッションなどが行われ、その模様をレポートいたします。

自力生活者と自立支援功労者 合計5名が表彰

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_東京都ふれあいフェスティバル_自力生活者と自立支援功労者互恵の表彰.jpg

令和5年度の『障害者週間』記念の集いにおいて、障害者自立生活者2名と、障害者自立支援功労者3名に知事賞が贈呈されました。

式典では、東京都議会厚生委員会委員長より、受賞者への祝辞が伝えられました。東京都手話言語条例の施行や、デフリンピック競技大会の開催を踏まえ、「のある人が生き生きと参加できるインクルーシブな都市の実現に向けた取り組みを進めている」ことを述べました。

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_東京都ふれあいフェスティバル_自立支援功労者の表彰.jpg

自立生活者として、高江洲幸男さんと中島勝さんが表彰されました。

中島さんは代表スピーチで、「五反田で仕事をはじめ、いくつか転勤を経験しました。その都度通勤が辛かったが、何とか頑張りました。休日は障がい者のスポーツイベントのボランティア活動や障がい者のお祭りや集いに積極的に参加しています。これからも仕事もボランティア活動も続けていこうと思っています」と述べました。

自立支援功労者は、下記の3名が表彰されました。

自立支援功労者として表彰された3名は、それぞれ障がい者支援の分野で重要な役割を担っています。

朝香ちよみさんは施設長として、障がい児の支援に長年携わっています。調布市福祉作業所等連絡会の設立にも関わり、その経験と知識で多くの貢献をされています。

加藤みさ子さんは、東京都身体障害者団体連合会の女性部長を務め、障がい者の社会参画と地域貢献に尽力しています。また、すみだ高齢者見守りネットワーク事業協力員として高齢者との交流・支援にも積極的に取り組んでいます。

佐々木桃子さんは、全国手をつなぐ育成会連合会の会長として、知的障がい児の支援に尽力しています。東京都の障がい者施策を検討する会議や、国の障がい者(児)政策を検討する会議の委員としても活動しており、幅広い分野での活動が評価されています。


自立生活者:自立生活を実践し、障がいのある方々の模範となる方
自立支援功労者:障がいのある方々の自立を支援する事業に尽くした功績が顕著な方

アレックス・ラミレス氏によるふれあいトークショー

ふれあいステージは、東京都立文京盲学校音楽部による演奏からスタートしました。東京都立文京盲学校は、今年で115年目を迎える学校で、全盲から弱視までさまざまな見え方の障がいを持った生徒たちが集まっています。

映画『もののけ姫』の曲では、強弱をつけて息の合った演奏を披露していました。次曲の中島みゆきさんの『糸』を演奏する際に、「三人で息をそろえて、先ほどとはまったく違う音色で奏でます」との言葉があったように、メロディー・伴走の連弾で、曲目の太く優しい音が印象的でした。

「音楽を専門に勉強していても、合わせるのは難しいことが多いです。そんな中でも、“音”で会話することがとても得意な生徒たちです」と、先生からの紹介もありました。

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_東京都ふれあいフェスティバル_ふれあいステージのダンスパフォーマンスや楽器演奏.jpg

続いてのパフォーマンスは、インテグレイテッド ・ ダンス ・ カンパニー響 – Kyoによる車椅子のダンス。天方真帆さんが中心となって、車椅子を用いながらステージ全体を広く使ったダンスは迫力満点です。

とても滑らかなダンスや、タイヤを用いたスピード感のある動きで会場を沸かせていました。車椅子の上に乗って演舞をするシーンや、車いすから降りて身体全体を使ってダンスをしたり、その表現力の豊かさに魅了されました。

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_東京都ふれあいフェスティバル_ふれあいステージのダンスパフォーマンスや楽器演奏

最後に、ふれあいトークショーが催されました。ゲストは、元プロ野球選手のアレックス・ラミレスさんで、テレビディレクターの植村優香さんがインタビュアーを務めました。

「ラミちゃんです!」と、お馴染みの挨拶とともにラミレスさんが登場して会場を沸かせました。ダウン症であるご長男と接するなかでのご経験から、ダウン症と健常者の子供の違いについて語りました。

「ダウン症の子はスローなところがあるので、まず伝えたうえで、実際にやってもらうようにしています。大事なのは、彼らの目線で教えていくことです」と語るラミレスさんですが、「実際にはダウン症の子供たちから教わることの方が多い」とのこと。

また、3男1女のお子さまと奥さまとの家族仲睦まじい姿が度々話題となっていますが、楽しい家族の秘訣は、“愛“だと強調されました。

「起きたらすぐに子供たちの前でハグしたりキスをしたりします。子供たちはそれを感じ取り、マネしていく。そういった表現が家族の一体感を生み出すと考えています」

子育てに関しては、「障がいがあるからといって特別なことをするのではなく、他の子供たちと同じように接しています」とラミレスさん。障がいの有無よりも、一人ひとりの個性を伸ばしていく方が大事だと語り、トークショーを締めくくりました。

障がい者の自立支援の重要性

見出し5画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_東京都ふれあいフェスティバル_都庁第一本庁舎 5階大会議場

今年も有意義な時間となった『ふれあいフェスティバル』は、毎年、障害者週間を記念して開催されるイベントです。表彰式典とパフォーマンスの2部構成で、障がいのある人とない人がお互いに理解し合い、障がいに関する理解と認識を深めてもらうことを目的としています。

このような素晴らしい機会を設けてくださっているご担当者様からも、コメントをいただきました。

「共生社会を実現していくためには、一人ひとりが、障害や障害の特性を理解したうえで、者が日常生活を営む困難さについて、自らの身近な問題として考え、行動に移すことが大切です。引き続き、こうした取り組みを重ねていき、あらゆる方々へ広く普及啓発をすすめて、共生社会の実現のために取り組んでいきます」

今回、ワクセル編集部としてふれあいフェスティバルに参加し、さまざまな立場の方がコラボレートしながら活躍する姿を目の当たりにして、とても刺激を受けました。

ワクセルには多様な背景を持つコラボレーターさんがいますので、多くのコラボレートを通じて、共生社会の実現に貢献していきます。