食を通じて良き日本を取り戻すために奔走する経営者の軌跡

寺澤 優輝

寺澤 優輝

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飲食関係のビジネスを展開する株式会社y-Doc代表取締役社長・寺澤優輝(てらさわ ゆうき)さん。元・消防士という経歴を持つ寺澤さんが飲食事業に携わることになった経緯や会社の経営理念に懸ける想い、今後の展望などを伺いました。

ご縁を大切にした結果、食にまつわる2つの事業を展開

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_寺澤優輝_3つの事業を展開

現在、大きく分けると2つの飲食にまつわる事業を行っています。1つ目が洋菓子の卸売業で、ケーキやマフィンといった焼き菓子を全国の飲食店やパチンコホールに卸しています。2つ目が2025年9月にリリースした『HAKUDUKE(ハクヅケ)』という飲食店を活用したリファラル創出サービスです。

最初は2025年2月に洋菓子の卸売業からスタート。もともとM&Aや不動産関係のお仕事でご一緒した社長と仲良くさせていただいていて、その社長がお菓子メーカーの運営もされていたことから洋菓子の仕事に携わることになります。洋菓子を取り扱ったことはなかったので、どういったところに需要があるのかなと考えたときに、洋菓子で売上を立てていこうと考えている飲食店が少ないということがわかりました。レストランで誕生日プレートを提供するお店はまだ少なかったですし、パティシエを雇うコストをかけるならスイーツは仕入れてしまった方が早いと考えるお店が多くあると気が付いてから案件が増えていきましたね。

この洋菓子の卸売業を通じてさまざまな飲食店さんとの繋がりができ、その中でも上手くいっている飲食店の共通点がわかりました。

もともと分析して考えるのが得意なタイプでした。時を遡ると中学生からバレーボールを始めたのですが、監督が少し変わった人で「どうして昔の人たちができたことを今の子どもたちができないのか」を考えて答えるように私たち部員に言ってきました。それを答えないと体育館に入れてくれないんですよ(笑)。答えのない問いを監督からされ続けて、答えが1つではない質問に答えられるようになり、その過程で考えるクセがついたのだと思います。

高校卒業後、新卒で消防局に入局し、3年間消防士として実務経験を積んだ後に独立しました。現在の3つの事業に携わる前の2024年は長野県にある温泉旅館のマーケティングの責任者を1年間やっていました。20代の前半はプレイヤーとしての能力を上げようと考えていたので、何か仕事を始めるときに自分の心が踊るかどうかでやるか否かを決めてプレイヤーとしてできることは何でもチャレンジしてきましたね(笑)。

最新の取り組みである『HAKUDUKE』というサービスは飲食店が経費ゼロで売上を立てることができるので、サービスを利用していただいた飲食店から他の飲食店のご紹介がいただけております。HAKUDUKEは飲食店に営業顧問を就任させることで売上アップできる施策を行っていく仕組みなのですが、その活動の中で洋菓子の新規の取引先も増えていくので、『HAKUDUKE』が軌道に乗ると一気通貫で売上も上がるように設計しており、すべての事業が連携しながら伸びていくことができます。

詐欺に遭うという最悪の経験が経営者としての成長のきっかけに

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_寺澤優輝_成長するきっかけに

私の会社の経営理念が『人を想う時間と場所をつくる』です。その理念ができたのは2025年9月。実は起業から3年間は経営理念が決まっていませんでした。自分はどんなことにワクワクして、誰と関わりたいのかが言語化できていなかったんです。

2025年の9月に、誰と関わりたいのかの反対で「自分はどんな人が嫌いなのだろう」と考えてみたところ、人のことを思いやれない人が苦手だなと思いました。そこから、過去に自分がやる気を出した瞬間というのが誰かのことを思っているときだと気付いたんです。高校時代にバレー部に所属していて、春高バレーに出場したいと3年間思い続けていました。その目標に向かって朝8時に体育館に行って、夜は10時まで練習するという生活を送っていました。なぜそんなに頑張ることができたのかわかっていなかったのですが、振り返って考えてみると春高バレーの会場である東京体育館をイメージしたときに力がみなぎってくると気が付いたのです。そこから、自分は誰かの誕生日プレゼントを選んでいるときにとてもワクワクしているなど一気に言語化ができたので会社の経営理念が決まりました。

以前、ある大成功されている経営者に言われた金言があります。それが

「人をただ一人の人として見なさい」

です。その方が大切にしているのが、事業の年商や肩書きは何も関係ないということ。そこから私も人と接するときにバックボーンではなくその人自身を見ることを意識するようになりました。

人とのご縁も大事にしています。ご縁を強く意識するようになったきっかけが詐欺被害に遭ったことです。精神的に追い込まれすぎて、那須塩原へ傷心旅行に行ったのですが、気が付いたら森を彷徨っていた経験があります。東京に帰ってきて初めてコーチングを受けました。そのときに前述の「人をただ一人の人として見なさい」という言葉が腑に落ちたんです。そこで、目の前にいる人は本当の意味で自分とは違う人だということに気が付きました。

早生まれなので、小さい頃は同級生に比べて成長が遅く、いつも不器用からスタート。そうすると何をやっても周りの人より劣っているというセルフイメージを18年間刷り込み続けるわけです。経営の世界に入って、周りの人は私より優秀なのだからできるに決まっているという感覚で仕事をしていました。できない人のことが理解できなかったんですよね。しかし、これは暴力に等しいことだと気が付きました。目の前の人は私とは違う人生を歩んできて、違う人たちと出会い、違う環境に置かれていたのだったら価値観が異なるのは当たり前のこと。それなのに、私は自分の価値観を押し付けていたんです。コーチングを受けたときにすべての事象は自分が意図的に引き起こしているものでしかないとわかりました。今起きているネガティブなこともポジティブなこともすべて自分が引き起こしているわけです。今出会っている人は自分に必要な人ということなんですよね。自分の弱い部分を知らせるために現れる人もいれば、強みを認知させるために現れる人もいます。出会っている人には何かしらの意味があるので、すべてのご縁を大切にしようと思うようになりました。

日本人が人を想う力を増やして日本の国力アップを目指す

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_寺澤優輝_日本の国力アップを目指す

私にとって仕事とは人生の『満足度』を上げるツールの一つです。よくみなさんが『幸福度を上げる』という言葉を使いますが、幸福度は満たされていると思うんですよ。生きているだけで幸福なのに気が付いていないだけです。幸福の基準の中にあるのは満足度が高いか低いかだけだと思います。消防士を辞めて会社を立ち上げようと思ったのは、起業にチャレンジした方が人生の満足度を上げられると思ったからです。

会社の経営理念にもあるように、もっと人のことを想える世の中になったら良いなと思っています。多くの人が苦しんだり悲しんだりしているのは、誰かが人を想うことをサボってもいいやという少しの怠惰の連鎖なのです。これをやると他の人が良くなるよねという感覚を持つことが重要ですね。

日本が人を想う能力を復活させることで国力が上がっていくと考えています。昔の日本人は誰かを想いやる力が強かった。家柄や家族に対する想い、職場への想いに武士道的な精神が流れていました。なぜ国力が下がってしまったのかというと、現在は無宗教な方がかっこいい、愛人がたくさんいた方がかっこいい、仕事を複数している方がかっこいいというように何かに囚われていない自分を良しとする風潮があるからです。しかし、見方を変えれば、自分が何を想うかに覚悟が決まっていないだけなんですよ。

こういった考え方はSNSを通じて入って来た海外の文化の弊害だと思っています。日本人はもっと人を想う力を持った方が良いですし、人を想う力を伸ばしていくために私は食を通じて誰かのことを想い描く時間を創出したり、誰かに伝えていく時間を創り出したりするために『HAKUDUKE』というサービスを始めました。日本の国力を人を想う力で上げていくことが私の野望です。