きっかけは『ウォーターボーイズ』リアルな体験を通してパラスポーツの普及を目指す

武井 瑛彦

武井 瑛彦

2023.08.02
アイキャッチ画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_武井 瑛彦さん

高校時代にパラスポーツに興味を持ち、パラスポーツを知ってもらうためのイベントのボランティア活動を続ける武井瑛彦(たけいあきひこ)さん。パラスポーツの魅力や社会貢献とのつながり、今後の展望などを伺いました。

きっかけは『ウォーターボーイズ』

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私は中学・高校と6年間、水泳部に所属していました。文化祭の時に映画やドラマで話題になった男子シンクロナイズドスイミング、今ではアーティスティックスイミングと呼ばれる『ウォーターボーイズ』を実演しました。高校時代にテレビ番組からオファーが来て、障がいを持つ男子高校生とウォーターボーイズで共演することになりました。

私は幼少期に骨髄移植の経験があります。当時は車いすで生活をしていました。高校の時には普通に学生生活を送っていましたが、車いすで生活する大変さはよく覚えています。障がいを持って車いすで生活している同世代の方と一緒にアーティスティックスイミングに挑戦した時に、障がいをものともせず懸命に練習をする姿を見て、本当に感動しました。

高校時代は体育の教師を目指しており、その中でもパラスポーツを専攻しようと考えて大学に進学。パラスポーツに関わる活動をされている教授のもとでお手伝いをさせていただいたのが今につながっています。

パラスポーツを通じて障がい者に寄り添える社会に

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パラスポーツは障がいを持つ人だけのものではありません。スポーツをやっている子どもたちがパラスポーツを知ると、同じスポーツでも体の使い方が異なっていることに気づいて新しいものに触れていく感覚を体験できます。車いすを使っている方と接することで車いすの方の視点を理解できたり、配慮ができるようになったりと視野が広がるのは確かです。

また、障がいを持つ子どもがやりがいに満ちあふれてパラスポーツに励む姿を見て、親御さんも喜んでいます。健常者の方が障がい者の方と触れ合うことで、新たな自分を見つけてイキイキしている瞬間や、障がい者のご家族の笑顔を見れた時にやりがいを感じます。

パラスポーツのイベント運営には苦労もあります。私が最も印象に残っているのは精神障がい者のバスケットボール大会です。障がいのレベルが異なるので、同じルールで実施するのは難しかったです。競技をする方にどうしたら楽しんでもらえるのかを考えて、なるべく障がいのレベルを合わせてチームを組むなど工夫をしました。

“歩く”という当たり前に多くの方ができることが、できなかった経験が私にはあります。その体験を生かして、いろんな人にパラスポーツの魅力を伝えていきたいと思っています。パラスポーツは子どもたち全員に体験してもらいたいですね。

リアルな場でパラスポーツを発信し続けることの重要性

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もっと皆さんにパラスポーツを知ってもらいたいので、実際にパラスポーツを体験できるブースを出しています。情報を発信し続けることは非常に大切です。

SNSやインターネットで情報を発信することもできますが、商業施設にブースを出店するといった、リアルな場で実際にパラスポーツを体験してもらうことを重視しています。目で見るだけよりも、五感をフル活用して体験してもらう方が印象に残りますよね。

今後は学校教育で、パラスポーツをもっと浸透させたいなと考えています。体育の授業にパラスポーツを取り入れることや、スポーツが得意ではない子どもには体を動かすのではなく、手だけを使う競技を体験してもらいたいです。

楽しんでやることが一番なので、子どもたちが楽しいと思うパラスポーツを授業や課外イベントで取り入れていけると、認知拡大に貢献できると思います。また、病院の中に併設されている学校に通う子どもたちにも、パラスポーツの楽しさを伝えていきたいです。

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