高松 陽子
セールスライター

セールスライターとして独立して活動されている高松さん。元々、看護師としてがん専門病院に勤務し後、治験コーディネーターとして新薬の開発に従事。その後、医療から離れ広報として活動する中、セールスコピーライティングに出会います。今回は、これまでの経緯と現在の活動についてお伺い致しました。
セールスライターとして多くの方とお話ししていて、いつも思うことがあります。
それは「100人いれば100通りの人生がある」ということ。
誰ひとり、同じストーリーを歩んでいる人はいません。人の数だけ生き方があり、悩みがあり、喜びがある。だからこそ人生は面白いし、言葉は人生を映し出す鏡だと感じています。
私の生活の中には、いつも言葉があります。それは私を支え、これからの人生を形づくるものです。このコラムでは、そんな「私を支える言葉たち」をご紹介したいと思います。

これは私が尊敬している医師から、セールスライターになったとき、かけてもらった言葉です。この「点」というのは「経験」のことを指します。
この言葉があったからこそ、今、未来にワクワクできる自分がいます。私の経験とともにこの言葉を読み解いていきたいと思います。

看護師としてキャリアをスタートした私でしたが、現場の仕事は思うようにいかず早々にドロップアウト。その後、医療系企業で新薬開発に携わり、さらにご縁があって広報の仕事を始めました。
広報の専門知識もなく毎日が手探り。トライ&エラーを繰り返しても成果は出ず、焦りばかりが募っていきました。
「なぜ集客できない?なぜ商品が売れない?」
「看護師になったのに私は何をしているんだろう」
「子どもが小1に上がったとき、このまま働き続けられるのか」
そんな自問を繰り返しながら、何もかも中途半端な自分を責めていました。でも今振り返ればこの時間こそが、人生の大切な「点」だったのです。

そんなとき、私に転機が訪れました。
2人目の育休から復職して4か月後。ようやく生活が落ち着いてきたころ、前から興味のあったセールスライティングを学ぶことを決意しました。
とはいえ受講料は数十万円。時短勤務のパート社員には大きな決断です。そんな私の背中を押してくれたのは、講座主宰の方の一言でした。
「販売や集客の答えは、お客様が持っている」
この言葉が私の人生を大きく変えました。
「売れない」「反応がない」
それは私が自分の視点でしか発信していなかったからだと気づいたのです。
お客様が何を知りたいのか。
どんな悩みを抱えているのか。
そこに答えがある。
自分たち目線ではなく、お客様の目線で世界を見る。セールスライターとしての第一歩は、そこから始まりました。

私が学んだのは、セールスライティングと薬機法を掛け合わせた専門スキル。医療・美容・健康分野のプロフェッショナルが多い中で、看護師としての経験が大きな武器になりました。
さらに広報で培った経験や、イベント運営のサポートなど、点と点が少しずつ線で結ばれていく感覚がありました。
かつて中途半端だと思っていた過去が、今では「誰にも真似できない私の道」になっていたのです。気づけば、看護の現場で培った人の心を理解する力が、ライティングでお客様の心を動かす言葉へと形を変えていました。

100人いれば100通りの生き方があります。転職、結婚、育児‥それはどれも人生の点です。点が多いほど、そこに線を描けるチャンスも増えます。
私はずっと「何もかも中途半端」と思っていました。でも今は過去の点と点が線になり、新しい点が増えるたびに、またどこかでつながるんじゃないかという、そんなワクワクを感じています。
意味がなかったように見えた過去の経験が、今では確かに私という線を描いています。だからこれからも私は、今日という点を丁寧に積み重ねていきたいと思っています。