「ダメダメ」育児からの脱却!チック症の娘が教えてくれた、ママが輝くモンテッソーリ教育

高橋まゆこ

高橋まゆこ

「ダメダメ」と叱ってばかりの子育てから抜け出したいーー我が子のチック症をきっかけにモンテッソーリ教育と出会った高橋まゆこさん。子どもの「自分で育つ力」を信じることで、親子の関係も人生も大きく変わっていきました。現在は全国のママに向けて、子どもと一緒に輝ける働き方を発信しています。

チック症の我が子が教えてくれた「気づき」

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現在、私は「モンテッソーリ親子幼児教室」と「モンテッソーリクッキング」を開講し、全国のママたちに講師養成講座を行っています。けれど、もともとはどこにでもいる普通の主婦で、まさか自分が起業するとは思ってもみませんでした。

すべての始まりは、長女が2歳のときに発症したチック症(目のまばたきを繰り返す病気)でした。そんな娘を前に、どうすればいいのか分からず、図書館で片っ端から本を読み漁ったときに出会ったのが、マリア・モンテッソーリの著書。そこには

「子どもには自分で育つ力がある」

と書かれていました。

当時の私は、親にされてきたように「靴を揃えなさい」「ちゃんと座りなさい」と、つい自分の“正しさ”を押し付けていたのです。でも、モンテッソーリ教育に出会い、自分で気づく力(自己教育力)を持っていることを知りました。

その気づきが、私の子育てを180度変えました。娘のチックを治したい一心でモンテッソーリ教育を実践したところ、1年も経たずに症状が改善したのです。当時はまだ珍しかったため、周囲から「変な宗教にハマった」と言われたこともありましたが、私はこの教育法の本質に確信を持ちました。

モンテッソーリ教育による子どもの自立と優しさ

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モンテッソーリ教育は、イタリアで初めて女性医師となったマリア・モンテッソーリによって生まれました。100年以上の歴史があり、障がい児教育や貧困児支援から始まった教育法です。最大の目的は、「自立した人間を育てること」。学ぶ力を生涯にわたって育むことにあります。

私が特に魅力を感じるのは、「心の教育」が根底にある点です。成人した娘たちは、本当に優しい。勉強ができるかどうかではなく、人を思いやり、支え合える心を持って成長してくれました。

私自身は離婚も経験し、決して順風満帆ではありません。それでも娘たちは「ママがいつも私たちの味方でいてくれたから、世界中が敵でもママの味方だよ」と言ってくれます。その言葉に、モンテッソーリ教育の本当の価値を感じました。

学力よりも心が育っていれば、どんな困難にも折れない。そのメンタルとハートの強さこそ、社会を生き抜く力になる。それが、この教育の真の目的なのだと思います。

ママでもできる起業とこれからの働き方

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モンテッソーリ教育を実践していたある日、知人のママから「自分の子どもにも教えてほしい」と頼まれたことが、起業のきっかけになりました。最初は数人の小さな教室でしたが、1年も経たないうちに口コミで広がり、30~40人が集まるようになりました。

私は普通の主婦でしたが、「自分で教室をすれば、子どもと一緒に働ける」と気づいたのです。上の子がチック症を経験して以来、できるだけ子どものそばで過ごしたいという思いが強く、3人の子どもを一度も保育園に預けませんでした。

「子育ても仕事も、どちらも大切にしたい」

その思いから、自分の手で働き方をつくったのです。今では多くの講師の方々が同じように、自分の子どもを連れて教室を運営しています。

ママたちに伝えたいのは、「ママはママのままでいい」ということ。完璧を目指さなくても、子どもを信じ、ありのままを受け入れることこそが、最良の教育です。

「いろどりメソッド」で全国の親子に笑顔を

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今後は、私自身が体系化した「いろどりメソッド」を全国に広げたいと考えています。これは、教具や形式にとらわれず、”人間育て”に焦点を当てたメソッドです。現在は大阪と和歌山で教室を展開していますが、今後は全国の親子が参加できる形に広げていく予定です。

また、発達障がいのある子どもたちへの支援にも力を入れています。モンテッソーリ教育は、どんな特性のある子にも「自分でできた」という体験を与えられる学び。発達支援施設にも「モンテッソーリクッキング」を導入し、その輪を広げています。

私が始めたのは、たったひとりの母としての挑戦でした。けれど今、それが多くの家族や子どもたちの笑顔につながっている。

だからこそ、これからも伝え続けたいです。
「ママは必ずできる。子どもと共に輝ける。」
その一歩を応援するのが、私の使命です。