「“共創する幸せ”を、ビジネスに変える」──江田可愛さんの実践

岡田 慶子

岡田 慶子

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パラレル活動家Ⓡの岡田慶子(おかだけいこ)さんの連載コラムです。今回紹介するのは、「共創で生きていく」を体現する女性、PORIN合同会社代表の江田可愛(えだかあい)さん。動画ブランディング、不動産業、ママコミュニティ「ママレ」の三軸で活動する“パラレル活動家”です。経理職から雇われ社長、未経験からの動画制作習得、法人化、そして不動産・コミュニティ運営へ。「人を幸せにしたい」という江田さんの挑戦の背景をご紹介します。

いつもエネルギッシュで挑戦を続ける女性経営者

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“共創で生きていく”を、体現している人がいます。
PORIN合同会社代表の江田可愛(えだかあい)さんです。

動画ブランディング事業、不動産業、そしてママコミュニティ「ママレ」の立ち上げ──3つの軸をもって活動する可愛さんは、まさに「パラレル活動家」と呼ぶにふさわしい存在です。そして、その根底には「本気で人を幸せにしたい」という、まっすぐな信念が息づいています。

初めて出会ったのは、あるイベント(ワクセル会議)の登壇でご一緒した時でした。「珍しいお名前ですね」と声をかけたのが、最初の会話だったと記憶しています。ご両親が願いをかけて命名した「可愛(かあい)」さんという名の通り、小柄な身体からあふれ出るエネルギーと愛らしさが印象的でした。

彼女の社会人として最初の職場は、半導体メーカーの経理部門。仕事後に専門学校に通い、半年で簿記2級を取得したというバイタリティは、可愛さんを語るにふさわしいエピソードの始まりです。そして業務を通じて「経営者視点」に惹かれ、「いつか自分で会社をやる」と心に決めたのがこの頃とのこと。

その後、上京した可愛さんは、経営の夢に向けた資金を蓄えながら、人脈やチャンスに備えて自分自身の力も着実に磨いていきます。やがて、あるオーナーとの出会いがきっかけで、ビジネスの種となる企画に声をかけられ、雇われ社長として事業の立ち上げを任されることになりました。当時は、扱う商品に特別な思い入れがあったわけでも、万全の準備が整っていたわけでもなかったそうです。ただ、「事業を立ち上げ、経営者としての実践を積みたい」という強い思いが背中を押し、未知の挑戦に飛び込みました。

市場も顧客もゼロの状態からのスタートでしたが、新規開拓、テレアポ、サンプルづくりからの営業といった地道な活動を自ら先頭に立って実行し、2年間でビジネスを軌道に乗せていきました。最終的には大手流通との提携も実現し、事業が大きな転機を迎えた時期に、可愛さんは自ら次のステージに進むことを決意します。事業は安定しつつありましたが、ライフステージの変化や将来的な働き方を見据え、「今このタイミングでバトンを渡すことが最善」と判断したのです。

この時期の経験こそが、可愛さんの“ビジネスの土台”を築く礎となったようです。彼女は繰り返し、「本当に泥臭い、でも学びが多い時期だった」と振り返ります。学びながら、動きながら、実践の中で判断し続けた2年間。その体験が、現在の経営者としての力と、共創的なチームづくりにつながっているように思います。

そして第2子の出産後、「時間と場所を選ばず活動できる仕事」として考え、調べ、出会ったのが、動画制作の世界でした。未経験、子育て中という状況下で、限られたスキマ時間をつかって編集ソフトに毎日触れながら、動画構成や視聴者心理、マーケティング、キャッチコピーなどを学ぶべく、オンライン講座を半年間みっちり受講したといいます。おそらく、子どもが寝た後や短いお昼寝の合間を縫って取り組んでいたのだと思います。乳幼児育児の大変さを思うと、ただただ尊敬の念が湧きます。そんな努力が次の動きに繋がるのでしょう。実践をコツコツ積み上げた結果、企業からの案件を取得できるようになりました。

PORIN合同会社でママクリエイターチームを築く

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そこでクリエイターになり切らないのが可愛さん。2024年にはチームで仕事をしたいと法人化。社名のポリンは大好きなトランポリンのように、“一緒に跳ねていたら、いつの間にか高く飛べていた”ーそんなふうにクライアントと楽しみながら一緒に成長できる存在でありたいという想いを込めて命名したそうです。9割が女性、7割がママというメンバーで構成されたチームは、各々のライフスタイルを尊重しながらも、プロとして映像制作に取り組み、すでに10数人のクリエイターを束ねて個人、企業案件の引き合いが止まらないようです。

「一人ひとりが、自分のペースで、でもプロとして関わる」

──そのあり方そのものが、ブランドになっています。

ママコミュニティ『ママレ』と『セルカツ』の立ち上げ

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一方で、クリエイティブ事業だけでは収益の波が大きいため、会社の安定を考え踏み出したのが、不動産業という新たなフィールドでした。未経験など、彼女にとっては挑戦のきっかけにすぎません。やりたい!やるべきかも?やろう!どれか一つでも心に浮かべば、すぐに行動に移す。そんな可愛さんの行動力は計り知れません。

さらに最近、可愛さんが立ち上げたもう一つの柱が、ママコミュニティ「ママレ」です。「ママ集まれ」が語源のこのコミュニティでは、子育て中の女性たちが、自分の“今”を語り合い、これからの道を見つめ直す場づくりが行われています。助け合い、支え合いながら、ママたちが少しずつ自信を育てていけるような場を、彼女は立ち上げようとしています。そこには「何かを始めた」「何かを始めたい」ママたちが集い始めています。可愛さんは、そんな彼女たちを紹介する書籍の出版にも舵を切り始めています。“私にもできるかも”と思えるママが増えること。それこそが、彼女の目指す“幸せの連鎖”なのだと思います。

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3つの活動軸は、彼女が自ら望んだ姿ではなく、使命に真摯に向き合う流れで重なっていったものです。それは、まさに“自分の人生と誠実に向き合い続けた人”にだけ現れる、しなやかなパラレルのかたちです。

そんな可愛さんと出会って、私たちは【セルカツ】というサービスをつくりました。
https://waccel.com/project/serukatsu/

私が過去に講演や研修などで展開していた”未来型プロフィール作成講座”、そして彼女の動画ブランディング。自己紹介が、学歴や経歴をならべたものではなく、その人の在り方や臨む姿勢や意思を伝えるものになることで、人との出会いはもっと豊かになる、そう信じる私たちの挑戦が始まっています。

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