「心からの笑顔を増やして日本を元気に」ハッピーオーラあふれる女性講演家の軌跡

熊本でナースをしていたところからTBSテレビ勤務を経て、50歳を目前に起業した合同会社バンカ代表の宮崎愛伎代(みやざきあきよ)さん。宮崎さんは講演会を主催して、笑顔の持つ力を日本全国で伝え続けています。そんな宮崎さんに仕事のモットーや行動力の源、今後の展望について伺いました。
流れに身を委ねる生き方で新しいカタチの講演会を主催

もともとは熊本で看護師をしていました。診察に通う近所の児童養護施設の子ども達と仲良くなり、施設に子どもを預ける寂しい親子を減らしたいとイベントを企画し始めました。そこで、心から笑顔の人や前向きに生きられる人を増やしたいなと強く思い、転職をしてテレビ局に勤務し、イベントプロデューサーに。2015年にイベント企画やデザイン、プロモーションを行う会社を立ち上げました。
中学生のときにとある講演を聴いて救われた経験があり、講演家になりたいという夢がありました。それが、2023年に女性講演家のコンテストで優勝したことでかなったのです。心理学にまつわる資格を持っていたのでメンタル管理などをテーマにさまざまな場所で講演やセミナーを行っています。
イベント業もテレビ局の仕事も自分がやりたいと思って始めた訳ではなかったのですが、今になってこれまでの経験がつながったと思っています。最近コラボで講演会をやることが多いのですが、盲目の方とコラボで講演会を開催することが多いですね。私がこの人の話を皆さんに聴いてほしいなと思ったときは、自分で開催できるんですよ。講演家として呼んでいただくのを待つだけではなく、自分が主催で講演会を開けるというのも何か意味があって現在の活動ができているのだなと思います。
私の仕事のモットーは中村文昭(なかむらふみあき)さんの著書に出てくる「頼まれごとは、試されごと」です。仕事の話をいただくときはもちろんですが、この人の話が素敵だなと思ったら、「どうやったらできるかな?」と考えるのではなく、まずやると決めてできる方法を考えていますね。まず何をやるにしても『何のためにやるのか』という目的を大切にしています。その目的のためにどうするかで行動が決まるのです。
あと、イベントの開催場所で言えば、狙ってこの場所でやるぞと決めるより、いろんな方の応援になればと思ってやっているうちに形になっていくというパターンが多いように感じます。よくセミナーで潜在意識と健在意識の話をするのですが、普段意識して考えている部分はほんの少ししかありません。その少しの意識で考えるよりも、流されるように委ねていくところに自分の使命があると思っています。あらがっていないんです(笑)。流されることは受け身ということとは違って、自分の行くべき道に最短で連れて行ってくれると思っています。もし私が熊本で看護師に従事してからイベント業に携わって、テレビ局で働きたいと思考で考えていたとしたらそこにはたどりつけないんですよ。
笑顔の力は無限大!本当の笑顔でハッピーを伝播させる

今は講演家としての活動が多くなっていますが、私の講演を聴いた方はみんな笑顔が変わるんです。笑顔や感情は周りの人に移るということは科学的にも証明されています。誰といるか、どんな空気感の場所にいるかでその人の醸し出すものが大きく変わります。講演会やセミナーのときに最も大切にしているのは『エネルギーを高めておくこと』です。みんなに私のエネルギーを放出するイメージですね(笑)。講演を聴きに来てくださる方はそのエネルギーを感じていただけているかなと思います。
最近もご縁を感じた出来事があって、以前ワクセルの方からサンクチュアリ出版さんのお話を伺っていたのですが、しばらくたってからニューヨーク在住のサンクチュアリ出版の副社長から直々にセミナーに登壇しませんかとお声がけいただきました。そのつながりで、私が主催している『徹子の部屋』ならぬ『愛伎代の部屋』に、副社長が帰国した際に出てくださることになっています。
思考で考えるのではなく流れに身を任せようという考え方は家庭環境が影響していると思います。父が事業に失敗して両親が離婚。小学生のときは人見知りの母を守りながら妹たちの母親代わりをしていました。そのときに笑顔を練習していたら魔法のように良いことがたくさん起こったんです。笑顔の力はすごいなと小学生で気付けたので、笑顔をつくろうということではなく、すべてを失ったことでどんなことにも感謝するようになったのでしょうか。お金持ちのお嬢様時代にはわからなかった、夕食のおかずがあることや家具が家にあることのありがたさを感じて、すべてを喜んでいたらいつの間にか身に付きましたね。先日『スマイルインパクト論』というセミナーを開催したのですが、本当に笑顔のインパクトを使わないと損だということを皆さんにお伝えしたいです。笑顔でいたらみんながハッピーになると思っています。
笑顔が上手にできないという人は、表面上でもまず笑ってみることから始めましょう。私のオンラインサロンのメンバーは笑顔を練習していないけれど、みんな笑顔が良いねと褒められます。心の底から笑っていないと周りにつくり笑顔だとわかってしまうので、やはりマインドが大切ですね。笑えない人は表情筋が固まってしまっているだけなのです。心から笑顔の人をもっと増やしていきたいですね。
「区別」のない日本をつくる

私のテーマは『オールオッケー』です。良いことも悪いこともすべてオッケーだと思えたら区別のない世界が出来上がって日本が良い国になると思っています。最近、目が見えない、耳が聞こえないなどの障がい者の方とのご縁が多くなっているのですが、『障がい』というのも区別ですよね。障がいのある方々を表面的に応援するのではなく、芯の部分からサポートしたいなと思い、『重症障がい者支援者検定』を取得しました。24時間サポートが必要な方々の介助者が不足しています。介助者がいないので行きたいところに行けないという障がい者の方の声を聞いて、元ナースの経験も活かせるなと思い、資格の取得を決めました。盲目の方とのつながりが増えていることで引き寄せた現象なのかとも感じており、これからは障がい者の方々のサポートにも注力していきます。障がい者の方々と一緒にいると自分はもっと頑張れるなと思えるし、新たな気づきがたくさんあるんです。
現在、さまざまな活動をさせていただいているので、積極的に取りに行っていると思われがちなのですが、とても受け身なんです(笑)。たまたま出会ったものを本能でキャッチしているイメージですね。私は『一燈照隅(いっとうしょうぐう)』という言葉が大好きです。自分が光となって周りを照らし、それが全国に増えたら国が明るくなるという意味なのですが、まさにそれを目指したいと思っています。
先ほどもお話しましたが、心からの笑顔になるにはマインドがハッピーじゃないといけません。マインドがハッピーでいるには当たり前と思わずにすべてのことに感謝できる視点を持てるようにお手伝いがしたいなと思っています。笑顔があふれて、それが周りにどんどん移って循環する世の中で、区別のない生涯現役の日本をつくりたいですね。少子化の日本は高齢者がイキイキと活躍し続けられることが元気で強い日本をつくる鍵ではないかと思っています。