
嬉し涙は幸せの証 ― 還暦に思う

宮崎愛伎代(みやざきあきよ)さんの連載コラム第1弾です。人生の節目──還暦。それは、終わりではなく「新しいスタートライン」です。仲間たちのサプライズパーティーであふれたのは、悲しみではなく“嬉し涙”。涙の奥にある、本当の幸せを綴ります。
嬉し涙が教えてくれた、人生の“肯定”

先日、私は人生の節目である還暦を迎えました。
ありがたいことに、たくさんの仲間たちが心を尽くし、私に関する○×クイズや歌、感謝状、そして大きな手作りケーキや、心尽くしのプレゼントまで用意したサプライズパーティーを開いてくれました。
私は驚きと感動で胸がいっぱいになり、気づけば涙があふれ、顔はぐしゃぐしゃでした。流れていたのは「嬉し涙」。
その瞬間、これまでの人生や人との繋がりが、丸ごと肯定されたように思えました。
人は誰しも、涙を流すことがあります。
悲しいとき、悔しいとき、痛みに耐えるとき。しかし「嬉し涙」は特別です。
心の奥から「嬉しい」「ありがたい」「愛されている」と感じたときに自然とこぼれる、人生からのご褒美のような涙だからです。
生涯現役で人生を豊かに

還暦とは「暦が還る」と書きます。
干支が一巡して生まれた年の暦に戻る、いわば「生まれ直し」の節目。
かつては「人生五十年」と言われた時代もありましたが、今では六十歳から新しい挑戦を始める人も沢山います。
私自身も「百二十歳まで生涯現役で生きよう!」と本気で思っているので、還暦はまさに折り返し地点。むしろこれからが本番だと感じています。
以前、女優の杉田かおるさんから「昭和四十年生まれなの?その年の人は、昭和百年に還暦を迎えるのよ」と言われたことがあります。
もし昭和が続いていれば、私はちょうど百年の節目に還暦を迎えていたのです。
昭和という激動の時代を生き、平成を駆け抜け、令和の真ん中に立つ。そう思うと、このタイミングには特別な意味があるようにも感じます。
私たちは、先人が命をかけて築いた平和な日本を、未来へ繋ぐ役割を担っていると思っています。
私の人生も振り返れば、楽しい事だけでなく、辛い事もありました。
しかしその一つひとつの経験が、今の私をつくり、そして今回の「嬉し涙」へと繋がっています。
今回仲間たちが開いてくれた、愛あふれる還暦パーティーで、改めて感じたのは、支えてくれる人がいて、一緒に笑い泣きできる仲間がいる事こそ、人生を豊かに輝かせる光になるのだと。
還暦は新たなスタートライン

私は、この還暦を「感謝の節目」であると同時に、これまでの人生をどう過ごしてきたかが浮き彫りになる「人生の通信簿」でもあるようにも感じました。
誰かに評価される為ではなく、自分自身に向かって「どう生きてきた?」と問う時。それが還暦という節目の大切な意味なのかもしれません。
ここからの後半戦、私は、もっと「大切な仲間と共に嬉し涙を流せる人生」にしたいと願っています。だからこそ感動を分かち合い、涙を笑顔に変えていけるような関わりを積み重ねていきたいのです。
人生の節目は、過去を振り返り、未来を思い描くために与えられた大切な時間。
還暦は単なる年齢の区切りではなく、これまでを丸ごと肯定し、新しいスタートを切るための希望の扉なのだと思います。
そして、もし皆さんが「嬉し涙」を思い出すことがあるなら、それは間違いなく幸せの真ん中にいた瞬間です。その時間を大切に味わい、ぜひ大切な人に「心からのありがとう」を伝えてみてください。その一歩が未来の嬉し涙をつくり、笑顔の輪を広げ、やがて自分も周りも幸せにしていくはずです。
還暦はゴールではなく新たなスタート。これからの私は、もっと自由に、もっと軽やかに、嬉し涙と笑顔で人生を彩っていきます。皆さんと共に。
