趣味の全てを仕事にしていく実写VTuberの軌跡

街角 ノワ

街角 ノワ

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同性カップルの日常を発信しているVTuber・マルチクリエイターの街角ノワ(まちかどのわ)さん。イラストや漫画の活動ののち動画投稿に至った経緯や、自分の好きなものから次々と仕事の幅を広げている背景を伺いました。

健やかな生活を手に入れることで趣味の技術を向上させてフリーランスに

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_街角ノワ_フリーランスに

社会人になりたての頃は、アパレル系の会社やAppleで管理部門の業務をしていました。働くことが好きで、基本的には楽しく働いていましたが生まれつき体が弱かったこともあり、仕事のプレッシャーで心身のバランスを崩すことが多く、常に身体のしんどさを感じていました。フルタイムで働いていた時代は帰宅後ずっと寝ていました。

そんな私の人生を根本から変えてくれたのが、パートナーであるツキちゃんとの生活です。彼女はとても元気いっぱいで、地に足をつけて日常を心から楽しむ天才でした。一緒に暮らし始めたことで、私は「健やかに生きる」ことの豊かさを知りました。彼女のサポートのおかげで趣味だったカメラやデザインのスキルを磨くことができ、会社員生活を卒業してフリーランスとして独立する決意ができたんです。

同じ頃に緑や散歩道が多くて自然と街が美しく調和している三鷹市内に拠点を移しました。

体力に限界があるからこそ、日常の平和を守ることを何よりも大切にしています。

自分の生み出す仕事や作品でも「見る人のストレスをなくすこと」を一番に考えているんです。特にデザインの「色味」にはこだわりがあって、見る人の心に馴染むような優しい配色を追求しています。色へのこだわりはクライアントさんからも評価していただくことが多くて、信頼とリピートに繋がっています。

「つきのわ家」であえて“何も起きない”同性カップルの日常を発信し続ける理由とは?

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2023年からは趣味の創作活動としてパートナーのツキちゃん、元野犬の保護犬であるティーとの「2人と1匹」の日常を、実写×3Dモデルの動画・イラスト・漫画で発信しています。

都会の喧騒から離れた三鷹市の森で、社会に疲れたツキとノワが「”くまの妖精”として平和に暮らす」というコンセプトです。日常を物語のように表現していきたくて「つきのわ家(つきのわけ)」と名前をつけました。

学生時代、周囲に自分と同じ同性愛者が見つけられずに不安を抱えていたとき「同性パートナーと穏やかに楽しく生きていく未来」を想像できるような、身近なロールモデルを探していました。同性カップルが発信をするとなると「特別な事情」や「派手なトピック」を求められることが多いと感じています。

世の中には様々なスタイルの発信があると面白いと思ったので、私たちは「何もないただの日常」を発信することにしました。ニッチかもしれませんが、私と同じように『こういうのを見たかった!』と思ってくれる人が絶対にいると信じています。 何より、誰よりも私自身が一番見たいコンテンツなので作っていて楽しいです(笑)。

夫婦と保護犬で一緒にのんびりと歳を重ねていく。みんなで犬の散歩に行ったり、美味しいご飯を食べて笑い合う日々から、「何もない平和な日常の尊さ」を感じています。自分に見える世界の美しさを映像やイラストで残したくて、表現方法を日々模索しています。

SNSは情報が多く、無意識のうちにストレスや孤独感を抱えている方も少なくありません。山もオチもない、ときには意味もない日常のやり取りを通じて「こんな風に生きているたち人もいるんだ」と、多様な生き方を自然に肯定できるような、優しいエンターテインメントになればと願って制作をしています。

同性パートナーとふたりで暮らしたいけれどイメージが湧かない方や、社会生活に疲れてしまった方にとって、つきのわ家の発信が「精神的な居場所(避難所)」になっていけたら嬉しいです。

興味のあることに片っ端からトライしているうちに海外での活動にまで拡大!

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_街角ノワ_海外で活動

創作活動が現在のスタイルに行き着くまでは、本当にいろんな試行錯誤がありました。2023年、まずはつきのわ家の日常を知ってもらうために漫画を描くことから始めたんです。最終的な目標は「2人でVTuberとしてデビューすること」だったんですが、そのためには自分たちのキャラクターデザインを自分以外の人から見てもいいものにする必要があって。絵の学校に通って絵とキャラクターデザインを学んだんですよ。絵を学ぶだけでなく素敵な縁がたくさんできて、とてもいい経験でした!

2024年に入って同人誌を出したりするうちに、少しずつリアルな場での温かいファンコミュニティが育っていきました。そんな中、デザイナーの本業で訪れたドイツでの出来事が大きな転機になりました。現地のフランクフルトブックフェアで趣味の作品も展示させてもらっていたのですが、ブースのオーナーさんからお客さん向けのパフォーマンスをしてほしいと言っていただいて。アナログの似顔絵パフォーマンスをやったところ予想を遥かに超える大行列ができて、なんと4時間ほど途切れることなく描き続けたんです!つたない英語でも、イラストを通じて深くコミュニケーションが取れることにすごく感動しました。

翌年の2025年には、その時の実績をもとに知り合った漫画家さんとのご縁からアメリカでのアニメイベントに、ライブペイントのパフォーマーとして呼んでいただきました。フリルたくさんの服やドレスに帯をしめた姿でイラストを描くパフォーマンスはアメリカの方にとても好評で、リアルな場(オフライン)で自分の世界観を表現する確かな手応えを掴めました。

最近では、日本国内でインバウンド向けのワークショップをされている「Manga Dojo」さんで、コスプレワークショップの講師をさせてもらうご縁にも繋がり、充実した日々を過ごしています。

こうして国内外で活動する中で、「リアルでの熱狂」と「バーチャルでの発信」を両立させることの楽しさに気づいたんです。漫画やイラストだけではなく、私が得意とする動画編集やカメラの技術をフル活用して、世界中のどこからでもつきのわ家の「ほのぼのした日常」に遊びに来てもらえる場所を作りたい。その思いから、現在はYouTubeでの活動に一番力を注いでいます。

今後は実写×3Dモデルの技術を活用して私たちが拠点を置く三鷹市の魅力をVlog等で発信しながら、日本全国の地域創生にも携わっていきたいと思っています。婦婦揃ってとにかく食いしん坊なので、ゆくゆくは全国各地の美味しいものを食べて回りたいです(笑)。そういった『何もない平和な日常』の発信が、将来に不安を抱える方の等身大のロールモデルや、社会に疲れた誰かの「心休まるあたたかい居場所」になれたら嬉しいですね。地域とコラボしながら一緒に盛り上げていきたいです。

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