小学生との出会いで人生が一変!プロボクサーからパーソナルトレーナーとして独立するまでの軌跡

小林 和輝

小林 和輝

2024.07.29
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小林和輝(こばやしかずき)さんは10年間、プロのボクサーとして活動した後に、パーソナルトレーナーとして独立しました。そのきっかけとなったのが、小学生の男の子との出会いだったそうです。どのような軌跡から独立に至ったのか、詳しくお話を伺いました。

10年間のプロボクサー生活からパーソナルトレーナーとして独立

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小林和輝さん_パーソナルトレーナー

僕は、プロボクサーとして10年間活動した後に、パーソナルトレーナーとして独立しました。メインで活動している場所は、池袋・高田馬場・新宿・渋谷あたりですが、出張パーソナルもやっているので、千葉、埼玉、神奈川など、呼ばれればどこにでも行きます。

ボクシングを始めたきっかけは、「有名になりたい」「女性にモテたい」といった、ささいなものでした。テレビで見るボクサーってかっこいいじゃないですか。中学生ぐらいのときから憧れを抱いていて、高校生のときからボクシングジムに通い始めました。

地元の新潟でジムに通い、東京に出てきてプロのライセンスを取得しました。最初は、「辛いな」と思うことが、すごく多かったですね。理想と現実のギャップがすごいので、「辞めてしまう人が多いのも当然だな」という感覚があります。

15年ぐらい前の話ですが、僕がボクシングを始めた当初は、縄跳びを2時間ぐらい飛んでいました。今それをやってしまうと、みんな辞めてしまいそうですが、昔は、それが許されていた時代だったんです。

それでも続けられたのは、両親や周囲の人に「やってやる」とたんかを切って出てきたからです。退路を切って、覚悟を持って取り組んできました。

小学生との出会いからパーソナルトレーナーの道へ

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小林和輝さん_小学生とボクシング

それでも、ボクサーとしてなかなか芽が出ない日々を送っていました。それが10年続き、2020年にボクサーとしての現役を引退します。

僕は、ボクシングを辞めてからやることがなかったのですが、近所にいる仲の良い小学生の男の子に、たまたまボクシングを教えることになりました。公園で彼とミット打ちをするところから始めました。彼が上手だったというのもありますが、周りから「何をやっているんだ?」と思われるようなことは一切ありませんでしたね。

そして、彼のボクシングの練習を見たり、教えたりしているうちに「指導者としての道も良いんじゃないか」と思うようになったのです。僕はボクシングで成功することができなかったので、その子には「ボクシングで成功しなかったけど、次の人生では絶対に成功するから見ていてくれ」と宣言しました。

彼は今もボクシングを続けているそうなので、これからの成長が楽しみです。彼がいなかったら、パーソナルトレーナーをやっていなかったと思うので、本当に感謝しかありません。

僕がパーソナルトレーナーとして活動する前ぐらいから、ライザップのCMが流れ始めていて、パーソナルトレーナーという言葉も認知され始めていました。さらにレンタルスペースも普及し始めて、トレーニング施設が使える状況だったので、「丸腰でもビジネスができる」と思いました。

ボクサーの時代にも、ウエイトトレーニングを結構やりこんでいたので、自信はありました。ウエイトトレーニングはダイエットにも使えるし、筋肉を付けたいときにも使えます。

僕はそれに加えて、蹴りや打撃も教えられます。その人がどうなりたいのかをヒアリングしながら、最適なプランを提案できることが強みです。

「稼げるボクサー」を増やしたい

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_小林和輝さん_ボクシングはマイナー競技

ボクシングは、世の中に広く認知されている割には、競技としてまだ十分に確立されていません。まだまだマイナーな競技だと思っているので、ボクシングで稼げる選手を1人でも育成したいと思っています。

極論を言ってしまえば、今のボクシング業界は、井上尚弥さんだけが1人で突き進んでいる状態です。ボクシングを知っているという人に「世界チャンピオンを何人知ってる?」と聞いても、井上さん以外はパッと出てこないと思います。

海外のボクサーから見ても、井上さんは「すべての階級をひっくるめて強い」と言われているような存在です。ただ井上さん以外にも稼げるボクサーを増やしていかないと、結局、ボクシングの業界がどんどん縮小してしまいます。これはボクシングだけではなくて、格闘技やスポーツなど、他の業界でも同じだと思います。

ボクシング業界に恩返しをするためにも、稼げるボクサーを1人でも多く増やしていくのが、僕の今後の目標です。