固定概念を覆す三刀流プロサーファーが目指すものとは?

三刀流プロサーファー 井上 鷹

三刀流プロサーファー 井上 鷹

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プロサーファーとして3種目で結果を残している三刀流プロサーファーの井上鷹(いのうえ たか)さん。サーフィンを始めたきっかけや世界レベルで活躍する基となった考え方、今後の展望などを伺いました。

たまたま借りてやってみたサーフィンが人生を変えた

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たまたまビーチクリーン活動中にボディボードを拾ったことがきっかけでサーフィンを始めることになります。周りにサーファーの方がたくさんいたので、真似をして立って乗っていたら、「それはボディボードと言って立って乗るものではないよ」と、サーファーの方がサーフボードを貸してくれました。すると安定して乗れるしスピードは出るしで、気持ちが良くてとても楽しいと感じました。そしてその方が使わなくなったサーフボードを私にくださったんです。サーフィンが上手いと褒められて嬉しかったこともあり、そこから週末を中心にサーフィンをやるようになりました。

サーフィンをしているときは純粋に楽しいですし、海と触れ合っているとすべてを忘れて没頭できるんですよね。波が来るか来ないかもわかりませんし、波に乗れるかどうかもわからない中で、うまく波に乗れた時の達成感はたまりません。波に乗せてもらっている感覚で幸せな気持ちになります。

プロになると決意してから『三刀流プロサーファー』になるまで

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3種目で競技をしているので『三刀流プロサーファー』と名乗っています。ひとつ目はオリンピック競技であるショートボード、二つ目はロングボード、三つ目がSUPサーフィンです。

初めて大会に出た時はルールの説明を聞いたのですがあまり理解していなくて、ひとまず時間内に波に乗れたらいいかくらいにしか考えていなかったのですが、結果、気が付いたらその大会で優勝していました(笑)。

それをきっかけにプロサーファーを目指そうと、地元の宮崎県から関東で開催される大会に出ました。その時に知り合った方から、SUPサーフィンの団体を立ち上げるから出てみないかと言われ、SUPサーフィンを始めることになりました。そしてショートボード、ロングボード、SUPサーフィンを同時に行う「三刀流」プロサーファー誕生となりました。

これまでの印象的な試合の1つに、初めて日本代表として参加したロングボードの世界選手権があります。銀メダルを獲得したのですが、金メダルの選手との差がわずか0.24点、しかもその選手は前年の世界チャンピオンで、私がロングボードを始めた時によく動画で観ていた「レジェンドサーファー」でした。その選手に僅差まで近づけたという結果も嬉しかったですし、手応えを感じるライドもできました。

僕自身は、SUPサーフィンの世界チャンピオンになっているのですが、2人の妹も合わせて3兄妹が皆SUPサーフィンの世界チャンピオンを獲得しています。

固定概念が外れているので可能性は無限大

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私が世界チャンピオンになれた大きな理由は固定概念にとらわれない考え方だと思います。その考え方が可能性を広げてきました。そもそも3種目に同時に取り組む三刀流選手は世界でも珍しいですが、日本人は特に、ひとつのことに集中することが良いと考えていて、「三刀流」という発想はありません。ひとつのことに集中するのも良いことですが、可能性を狭めてしまっているということもあるのではないかと思います。

そういったひとつの型にはまらない自由なスタイルが私の特徴です。日本人最速で世界の表彰台に登ることができたのも、試合の基準に沿ったサーフィンとは違うエンタメ要素が強いサーフィンが得意なのも、「ひとつに集中するのが良い」という固定観念にとらわれず3種目をしてきたからだと思います。小中学生に講演する機会がたまにあるのですが、失敗が怖くて挑戦をしないという子も多いので、失敗をしながらいろいろなことに挑戦することが大事ということを伝えるために、エジソンの名言「失敗したのではなく、うまくいかない方法を見つけただけだ」を使います。その言葉は自分の中にもずっとありますね。

今後については、サーフィンの認知度はまだまだ低いと思うので、もっとみなさんに知っていただけるようにしたいなと思っています。世界チャンピオンであると注目度も違うので、世界一の数をどれだけ取れるかにもチャレンジしていきたいと思います。また、海を活用して療養する『オーシャンセラピー』にも取り組んでいこうと思っています。サーフィンをすることで、うつ病の方の症状が改善したり身体障害のある方が快方に向かったりといった効果が期待できるのです。サーフィンだけでなく、海の魅力を発信するためのイベントを開催していけたらいいですね。

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