「社長」を子どもの夢ランキングに!株式会社GATTELが目指すコミュニティの未来

印南幸太(いんなみ こうた)さんは、2025年9月に株式会社GATTELを設立し、地方創生経営者コミュニティ事業を展開しました。年間6,000グループ以上の「ご縁繋ぎ」を実施し、圧倒的なGiverとして活動し、全国の社長と数えきれないほどの「ご縁」を創出されています。なぜ子どもの将来の夢の中に「社長」が入っていないのか。全国の経営者の熱い想い、理念、生き様を子どもたちや親御さんへ発信することにより、日本の国力向上、地域活性化へと繋げる。そんな印南さんに今後のビジョンや展望についてお話を伺いしました。
ご縁が導いた起業という決断

私は現在、株式会社GATTELの代表を務めています。会社を立ち上げたのは昨年9月2日です。もともと私自身、最初から「経営者になりたい」と強く思っていたわけではありませんでした。しかし、さまざまな方々との出会いを重ねる中で、「自分が代表として立たなければ、本気で人と向き合い、共に挑戦することはできないのではないか」と考えるようになりました。企業に所属していた頃は、もし何か問題が起きたときに最終的な責任を取るのは会社、という仕組みでした。もちろん、その中で自分なりの責任感を持って働くことはできますが、どこか本気でコミットしきれない感覚がありました。
それならば、自分自身が責任を背負いながら、人と苦楽を共にできる環境を作ろう。そう考えたことが起業のきっかけでした。私が目指したのは、人と人とのご縁を生み出し、広げていく会社です。GATTELでは地方創生やコミュニティ事業を中心に活動していますが、その根底にあるのは「人のつながり」です。私たちの会社の特徴の一つが、取締役が私を含めて7人いることです。一般的には多すぎると言われることもありますが、私はこの形に大きな価値があると考えています。なぜなら、私たちが行っているのは、いわば「ご縁のビジネス」だからです。
それぞれが異なる人脈や経験を持ち、それを掛け合わせることで、新しい出会いや機会が生まれていきます。私が持っていないネットワークを他のメンバーが持っていることもありますし、その逆もあります。そうした多様なつながりを持つメンバーが集まれば、地域を盛り上げる新しい可能性が広がるはずだと考えました。「人脈の力で地域を元気にする」。その想いに共感してくれる仲間とともに、本気で日本を盛り上げていきたい。それが株式会社GATTELを立ち上げた背景です。
アスリート支援から見えた日本の課題

起業する前、私はアスリート支援に関わる事業に携わっていました。大学野球部の学生と企業経営者をつなぐプラットフォームを作り、就職活動の支援を行う仕事です。野球界には独特の事情があります。多くの選手が3年生の途中で引退し、就職活動に集中する一方で、4年生の最後までプレーを続ける選手もいます。その結果、チームメイトでありながら進路が分かれてしまい、最後まで同じ目標に向かってプレーできないという現実があります。
さらに、就職活動の情報が少ないため、多くの学生が監督や周囲の大人に進路を頼らざるを得ません。もちろん監督の存在は大きいですが、野球一筋で歩んできた方が多いため、企業ネットワークが十分とは言えない場合もあります。その結果、学生が知らないまま特定の業界や企業へ進んでしまうケースも少なくありません。また、人材紹介会社が数多く入り込み、一人の学生に対して何十社もの企業がアプローチする状況もあり、選手が戸惑ってしまう場面も見てきました。
その中で学生たちと話していて印象的だったのは、「大手企業に入りたい」という声が非常に多かったことです。しかし、その理由を深掘りしていくと、「親に言われたから」という答えが大半でした。つまり、自分で将来を考えた結果ではなく、周囲の価値観の中で選択しているケースが多かったのです。この現状を見たとき、私は「もっと早い段階から、子どもたちがさまざまな働き方や生き方を知る機会を作るべきではないか」と考えるようになりました。
そこで思い至ったのが、経営者と子どもたちをつなぐコミュニティの構想です。もし小学生や幼稚園の子どもたちが参加するイベントがあれば、必ず保護者も来ます。その場で経営者の想いや挑戦のストーリーを伝えることができれば、多くの人の価値観が広がるのではないかと考えました。子どもたちの将来の夢は、スポーツ選手やパティシエ、アイドルなどさまざまで構いません。ただ、その選択肢の一つに「社長」という存在があっても良いのではないでしょうか。夢を持てば、人は自然と学び、行動します。そのきっかけとなる環境を作ることが、私たちの役割だと感じています。
ご縁を生み出すコミュニティとこれからの挑戦

私がご縁を大切にする上で意識していることがあります。それは、交流会を「営業の場」にしないということです。多くの人が交流会に参加するとき、営業の視点で相手を見る傾向があります。しかし私は、交流会は本来「人と人が交流する場」だと考えています。私自身、これまでの活動の中で常に意識してきたのは、「仲良くなれる人を見つけること」でした。
打ち合わせの時間は、いわばフィーリングを確認する時間だと思っています。その中で相手が興味を持ってくれれば、次の機会が自然と生まれます。食事に行くこともあれば、別の会に誘うこともあります。そうした関係性の中で、「そういえばどんなビジネスをしているの?」と聞かれたときに、初めて自分の事業を伝えれば良いと考えています。先に売り込むのではなく、まず信頼関係を築く。その積み重ねが、本当の意味でのご縁につながるのだと思います。
また、私たちの会社は取締役が7人いるという体制ですが、これは多くの人から批判も受けました。「そんな会社はうまくいかない」「必ず衝突する」と言われたこともあります。しかし私は、むしろそれで良いと思っています。意見を言い合える環境こそが、組織を強くすると考えているからです。1人の知恵よりも7人の知恵の方が、間違いなく可能性は広がります。私はこれまで野球というチームスポーツの中で生きてきました。だからこそ、チームで戦うことの強さを信じています。
今後、私が実現したいことは明確です。それは、子どもたちの将来の夢ランキングに「社長」という言葉を登場させることです。経営という仕事の魅力を伝え、多くの子どもたちが「自分も挑戦してみたい」と思える社会を作りたいと考えています。そのための新しい取り組みとして、子ども食堂と経営者をつなぐ番組の企画も進めています。子ども食堂は現在、多くが寄付やボランティアで成り立っていますが、それだけでは継続が難しい側面もあります。そこで、企業と連携しながら収益性を持たせ、持続可能な形にしていきたいと考えています。
子どもたちの未来を支える環境を作ること。それが結果として、日本全体の活力につながると私は信じています。ご縁から生まれるコミュニティの力で、人と人、人と地域、そして未来をつなげていく。株式会社GATTELは、そんな挑戦をこれからも続けていきます。