
“誰もが主役になれる”社会を目指して〜ユニバーサルイベント東京2025開催レポート〜
はじめまして。一般社団法人ユニオン代表理事の星田暁です。
私は理学療法士として高齢者支援に関わる中で、地域のなかに「誰もが安心して過ごせる場所」「人と関われるきっかけ」をつくることに取り組んできました。
高齢者、障がいのある方、子育て中の方など、それぞれが社会の中で役割や居場所を感じながら、気軽に参加できる場を地域に広げていきたい——そんな想いから開催したのが、今回のユニバーサルイベントです。
イベントを開いた理由
今の地域社会では、いろいろな立場の人がちょっと孤立しやすくなっています。
高齢の方、障がいのある方、ひとり親家庭、外国にルーツを持つ方…「誰かとつながりたい」と思っていても、その機会が少ないのが現実です。
だからこそ私たちは、誰でも気軽に足を運べて、笑顔で交流できる場をつくりたいと考えました。
そして今回は、「デフリンピック(聴覚障がい者の国際大会)」に関わる選手たちにもご協力いただき、違いを超えてつながる地域づくりのヒントになるような一日を目指しました。
予想をはるかに超えるイベントに!
開催場所は大田区・田園調布せせらぎ館。
1日でなんと1,592名の方にお越しいただき、会場はとっても賑やかに!
- 出店団体:19団体
- 出演団体・個人:7組
- 協賛企業:5社
- 後援団体:大田区、全日本ろうあ連盟・デフリンピック運営委員会、田園調布せせらぎハーモニー、株式会社D&I
体育館では、デフバスケットボールとデフテニスの日本代表候補選手による体験会やトークショーが大盛況!
子どもたちが一緒にプレーしたり、手話で交流したりと、自然なかたちで「違いを超える体験」が生まれていました。
館内では、健康チェック、介護美容、親子ワークショップなど盛りだくさん。
「体験型のお祭り」のような雰囲気で、みなさん笑顔でブースを回っていました。
イベントの取り組み
体育館では、デフバスケットボールおよびデフテニスの日本代表候補選手による体験イベントやトークショーを実施。
選手と参加者が一緒にプレーし、笑顔や拍手が交わされる様子は、まさに「違いを超えてつながる」光景でした。
一方、本館では、福祉・美容・教育など多分野の出店ブースが並び、親子で楽しめる工作コーナーや高齢者向けのデジタル体験会など、多世代交流が自然に生まれるコンテンツが揃いました。
また今回、主催者による特別対談も実施しました。
登壇者は、ワクセルの住谷知厚さん、NPO法人Goldenshipの高橋和也さん、株式会社スターフィールドの星野颯太さん、そして私、一般社団法人ユニオンの星田暁です。
テーマは、「ユニバーサルイベントを通じて目指す未来」と「誰にとっても住みやすい街づくり」について。それぞれの専門的な視点から、地域課題や多様性との向き合い方、持続可能な取り組みのヒントが共有され、来場者からも多くの共感の声が寄せられました。
イベントの最後を飾ったのは、「FantaRhythm」さんによるドラムサークルです。リズムに合わせて参加者と出演者、スタッフ、そして主催者までもが一緒に太鼓を叩き、まさに“全員が主役”になる時間となりました。中でも印象的だったのは、小さな子どもが緊張しながらもみんなの前に出て、思い切り音を響かせていた場面です。その姿に、観客から自然と大きな拍手が起こり、心がひとつになった瞬間でした。ドラムの音は、言葉の壁も、立場の違いも超えて、人と人をつなぐ力があると感じました。
参加者・出店者・出演者の声
参加者の声
「正直、ここまで盛り上がるとは思いませんでした!ほんとに楽しかったです!」
「子どもがデフバスケ選手と交流して、“手話ってカッコいいね!”って言ってました」
出店者の声
「参加者・出店者ともに、楽しみながら地域の多様な方と自然な交流が生まれた」
「お客さんだけじゃなく、他の出店者さんともつながれて嬉しかったです」
出演者の声
「こうやって聴こえる人と一緒にイベントができるのが、すごく嬉しかった」
「デフスポーツのことを知ってもらえてよかった。地域の人たちも優しかったです」
私自身、このイベントを通じて、多くの場面で嬉しいことがありました。
「手話ってカッコいいね!」と話す子どもの笑顔を見れたことや初めて出会った人同士が自然と会話を交わし、拍手し合う様子。
出店者さん同士が他のブースを周りながら仲良くなり、今後の地域連携を語る場面もありました。
参加者・出店者・出演者それぞれがお互いを尊重し合い、つながったことがとても嬉しかったです。
企業との連携で広がる可能性
協賛いただいた企業の皆さまにも、イベントを通じて地域と深く関わっていただきました。
中でも、株式会社ウエルアップさんはトレーニングジムの知見を活かし、健康チェックやトレーニング機器の体験ブースを展開。
舞台では参加者と一緒に軽い運動をするワークショップも行い、たくさんの笑顔が見られました!
企業が地域のイベントに関わることは、単なる支援ではなく、「地域の未来づくり」に直接参加すること。
こうした積み重ねが、誰もが暮らしやすい社会につながっていくと感じています。
これからに向けて
ユニバーサルイベントは、特定の誰かのためだけじゃなく、
“誰でも、どこからでも関われる”オープンな場を目指しています。
次回は、2025年10月、大阪で開催予定!
新しい地域の方々と一緒に、もっとあたたかなつながりを育んでいきたいです。
最後に
このイベントを通して、「人は違っていても、同じ場所で笑い合える」そんな当たり前のことを、改めて実感しました。企業の皆さま、団体の皆さま、ボランティアの皆さま、そしてご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
次回も、“誰もが主役になれる場所”を一緒につくっていきましょう。


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