
~中高生が頼れるよりどころを~『CanVas』設立のきっかけ
「本当の居場所」を探した学生時代
居心地の良い場所って何だろう。小学生の頃にふと思ったのがはじまりだった。
常にみんなと足並みをそろえて、みんなと仲良く集団生活することが求められる小学校。どうしたら過ごしやすくなるのか。必死に考えてはあらがって、真っ向からぶつかって。
当時の自分的にはできる限り頑張ったけれど、卒業するその日まで居心地の良い環境には出会えなかった。それは中学に入ってからも大して変わらなかった。部活の人間関係に悩みながらギリギリの中で通った2年間。初めて限界を迎えたのが中学2年の秋だった。爆発寸前だった心は、ぷつんと糸が切れてしまった。
ただひたすら耐えて過ごしていた日々の中で、あるとき友人から「転部したら?」と言われて、どれほど心が軽くなったか。あのときの私には環境を変えればいいという単純な解すら見えていなかった。
中学3年からは何もかも変わって学校生活に色が生まれたようだった。それからの3年弱は生徒会活動と演劇部にすべての時間をささげ、そこでようやく自分にとっての居心地の良い場所に出会えた。自分に素直になれて、良いことも悪いことも、楽しいことも悲しいことも、ぶつかり合いながら分かち合える、本音で語り合える仲間のいる環境。それが私にとっての居心地の良さとは何かへの答えだった。
ところが、高校2・3年生になるにつれて新たな問題にぶつかった。ようやく出会えたこの場所から離れていかなければならないということ。ここがなくなったら他に見つかるのだろうか。日に日に膨らんでいく不安に何度も襲われた。当時の私が見つけていたのは、居心地の良い場所の要素ではなくで、環境そのものだった。だからこそ、失うことの怖さを感じ、出会えたこの場所と仲間とのつながりに固執してしまった。
「心に従う」居場所
小中高の12年間の中で感じてきたことや経験が私の居場所づくりへのおもいを形づくっている。この経験から「人依存でも場所依存でもなく、自分にとっての”居心地の良い”とは何かを知って、そういう場を見つけられる、作ることができるようになること」が私の場づくり=寄りどころの大きなテーマになった。
そのためにはいろいろなことを経験して自分の心が揺れ動くもの、好き・嫌い・苦手・興味をたくさん集めることが大切だと思っている。たくさん種をまいて育てていく中で、嫌い・苦手と感じる環境や物事を間引いていく。嫌い・苦手の中でもここは頑張ってみようと思ったら肥料を変えてみたり水やりの方法を変えてみながら様子を見てみる。
それでもやっぱりダメかなと思ったらそこは我慢しないで心の声に素直に従う。少なくとも自分なりに頑張ってみたという経験は残る。それで十分だ。ただ、これを一人でやろうと思ったら心折れるときが来るし、苦しいし道のりが長すぎる。だからこそ一緒に考えて悩んでもがいて、紡いでいきたい。
『CanVas』
そこで『CanVas』は自分を知る企画や社会人の方と対話する場や他者と協働して、一からイベントを創り上げてみる企画などをつくっている。中高生が自立=不安なときや、つらいときに頼れる人が周りにいる環境、頼っていいと思える寄りどころを複数持てている状態にするために。
中高生の時期は自分に対する葛藤も他者や周りに対する葛藤もたくさんあってぐちゃぐちゃになるからこそ、自分の心に素直になれる環境やちょっとした体験が何かしらの扉を開けるのではないかと思う。今の私が中高生に伝えたいことは「自分では頑張れていないと思っていたとしても毎日頑張っているのだから、深呼吸して休息することをためらわないでほしいということ。そして、自由に「表現」していろんなこと体験してわくわくしてほしい」ということ。
現在進行形でもがいてあがきつづけている私だから、一緒に考えられることや悩めることがあるかもしれないと思っている。小さなきっかけが大きな変化を生むからこそ、そのきっかけを届け続けたい。
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