捨てられるはずの “牛からの恵み” はもっと人に生かせる

AYUR seikatsu|アーユルせいかつ

AYUR seikatsu|アーユルせいかつ

2025.12.14

AYUR seikatsu(アーユルせいかつ)』はアーユルヴェーダの叡智に基づき、体と心の健康的なライフスタイルを広める活動をされています。現在、日本の食品や雑貨を取り扱うオンラインショップ&実店舗も展開予定です。今回は、バターオイルの魅力についてお話を伺いました。

column_top_( AYUR seikatsu  ).jpg

牛はミルクを生み出し、ミルクからさまざまな乳製品を生み出しています。 
“バターミルク”という存在をご存知ですか。 
バターミルクはミルクからバターを作る際に残る液体で、実はさまざまな活用ができる食材ですが、日本のスーパーではなかなか見かけません。 
北海道のグラスフェッドミルクからバターミルクを選び、

商品化に至った想いをお届けします。

捨てられる“牛からの恵み”を生かしたい 

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ アーユルせいかつさん.jpg

牛は牧草を食べ、からだに取り込み、その恩恵を私たちにミルクという形で返してくれる存在です。 ミルクからはバター、クリーム、チーズ、ギーなど多くの乳製品が生まれますが、その中に日本ではまだ存在があまり知られていない“バターミルク”があります。素材として魅力がありながら、市場に出る機会が少なく、用途が確立していないため、多くが消費者の手に届かないまま役目を終えてしまいます。 

私がグラスフェッドバターミルクの商品化に取り組み始めたきっかけは、国産ギーの商品化の過程で生まれるこの副産物を有効に活用したいと考えたことでした。 

アーユルヴェーダでギーは古くから重宝されており、その原料であるバターを生む工程で生まれるバターミルクも大切に扱われてきました。しかし、日本では大切に扱われているとは言い難い現状があります。バターミルクは、風味、使いやすさ、活用の幅——どれを取っても魅力ある素材です。 

バターミルクに眠る価値と可能性 

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ アーユルせいかつさん.jpg

アーユルヴェーダではバターミルクは飲料として、また施術などにも用いられてきました。 日本のバターミルクの製法とは異なる部分もありますが、その価値観には通じるものがあります。
「だったら日本でも活かせるはず。」 

そう考え、バターミルクという素材の可能性を未来へつなげるために、アップサイクル商品として形にする道を模索しました。 
多くの専門家や製造会社の協力のもと試作を重ね、使いやすさと品質を整え、ついに加熱調理用として商品化することができたのです。 

世の中では“アップサイクル” “フードロス削減”といった言葉がありますが、私の中にはもっとシンプルな感覚 があります。 
「恵みを無駄なく生かしたい。」 
これは人として自然な感覚であり、アーユルヴェーダでも 
「この世に役立たないものはない」と伝えられています。 
ミルクもバターもギーも、そしてバターミルクも、形を変えてもその中に宿る恩恵は消えません。その価値を最後まで届けることこそ、私たちの役割だと思うのです。

私が使うグラスフェッドミルクは、北海道の自然豊かな土地で、無農薬・化学肥料不使用の牧草を食べて育った牛からいただいたものです。四季の風を感じ、広い牧草地で過ごした牛のミルクは、味わい深く、 身体にすっと入る優しさを持っています。ギーに加工すれば脂肪の恵みは活かされますが、その裏側にはグ ラスフェッドミルクの良質なタンパク質やミネラル、オメガ3脂肪酸が詰まったバターミルクというもうひとつの“価値”が生まれます。 
私は「ギーだけを届けたい」のではなく、「ミルクに宿る恵みを丸ごと届けたい」と思うようになりました。 

バターミルクは決して脇役ではありません。日本では主に洋菓子やパンに使われる印象が強いですが、
・スープ 
・煮込み 
・唐揚げの漬け込み 
・乳製品の代替 
・ドレッシング 
・パニール(乳製チーズ) 
・グラノーラ 
など、いろいろな料理に応用できます。
パティシエや料理家の方から「新しいおいしさが生まれる」と声をいただくこともあり、素材の可能性が広がっていくことを実感しました。 

また、アーユルヴェーダでは施術に使われることもあります。 
ほっとした時間を届ける存在として、食以外の可能性も秘めていると感じています。

 “もったいない”を未来の循環へつなげる使命

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_ アーユルせいかつさん.jpg

アーユルヴェーダでは「人の身体は、食べたものでできている」と考えます。 
さらに “誰が作ったのか、どんな想いで作られたか、どんな環境で育ったか” 
その背景も大切にします。 

だから、バターミルクの商品は単なる食品ではなく、 
「自然の恵みを最後まで生かす選択」の象徴になってほしいと思っています。 
アップサイクルとは、「未来をもっと豊かにする選択肢を増やすこと」。 
グラスフェッドバターミルクは、その一例になれる素材だと感じています。 
これからまた、人にも自然にもやさしい循環をつくっていきます。 

これからアーユルヴェーダの考えを取り入れた国産の食材や雑貨を中心に AYUR seikatsu Market(アーユルせいかつマーケット)として徐々に商品販売を展開していく予定です。 
生産者さんの想いが溢れた商品との出会いを楽しみに、ビジネス化を進めていきます。