
「伝える力」で未来を切り開く ー 大河原あゆみさんの挑戦ストーリー
「ワッハッハー」と朗らかに笑う大河原あゆみ(おおかわらあゆみ)さん。その笑顔の裏には、放送業界からゲーム業界、さらにはメタバースの世界へと多彩なキャリアを築いてきた挑戦の歴史があります。根底にあるのは、「技術者やクリエイターの価値を正しく伝え、社会に共有する」という一貫した思い。現在は、日本発のメタバース・リーディングカンパニーを標ぼうする株式会社HIKKYで営業部隊を統括として率いています。フリーアナウンサーとして、さらには夫である落語家・桂枝太郎(かつらえだたろう)さんの女将業もこなしています。
技術者であった父の活躍を広めたいという思いが活動の原点
大河原さんのキャリアの原点は、半導体技術者であったお父さまの存在にあります。幼少期に、今ほど”半導体”がニュースになることもなく、エンジニアとして高度な技術を持ちながらも、理解されづらい世界に身を置く父の姿を見ていました。子ども心に「技術者の思いや技術を伝えなければもったいない」と感じていたそうです。この思いが、彼女の「伝える力」を生かす道へと進むきっかけとなりました。
大河原さんの大学時代は、アナウンサースクールの学費やオーディションなどの受験費用を工面するために29種類ものアルバイトを経験したそうです。さらにアナウンサー受験においては、北海道から宮崎までを青春18きっぷと夜行バスだけで移動し、漫画喫茶や深夜のファミレスで寝泊まりしながら試験に挑戦。結果、山口の放送局でのキャリアをスタートさせました。
ピボットをしながら開拓していくキャリア

放送局でのアナウンサー業務では、単なるリポーターではなく、企画立案、撮影、編集、納品まで一貫して手掛けてきたそうです。そんな経験を生かし、フリーアナウンサーになったときに、アナウンサーとしてのオーディションを受けながら、大好きで得意だったゲームの業界へと活動を広げていきます。
ゲームに関しては、プレイするだけでなく開発技術に関する知識も豊富とあって、当時は自らチームを作ってゲームについてのニコ生配信をしたり、業界のPR番組をYouTubeで配信したりしていたそうです。今ではコンテンツや歴史、技術がわかり、メタバースのことも語ることのできる稀少な女性アナウンサーとして、東京ゲームショウやニコニコ超会議などに出演、不動の位置を築いているようです。所属する会社のライバル企業からも、アナウンサーとしてオファーが来るというのですから相当の実力です。

次なる転機は、株式会社HIKKYとの出会いでした。フリーアナウンサーとしてオーディションに落ち続け、バイトを掛け持ちしながらキャベツをかじっていた頃、学生時代から交流のあった同社の社長から、「仕事はもらうものではなく、自ら作り出すものなんだよ」と言われハッとしたそうです。そのとき、社長の会社でも良い案件があるのにプレスリリースすら発信できていない状況を見て、自分にもできることがあると入社しました。しかし、これまで与えられた環境下で仕事をこなしてきた立ち位置であったところから、自ら企画を生み出し、ビジネスとして成り立たせる力を身につけるのには相当な苦労、努力が必要でした。入社のきっかけはPR業務だったものの、事業として成立させるには、相手に伝え、理解してもらい、その成果を分かち合わなければ価値がないと、自ら営業にも挑戦。企画書の書き方を習い、飛び込み営業にも挑戦したことが今につながっています。
HIKKYでの挑戦とビジョン
大河原さんは現在、HIKKYでは営業統括として、新たな市場開拓とクリエイティブなビジネス構築に取り組んでいます。日本を代表する各業界の企業や政府、自治体など多岐にわたるクライアントと協業しながら、チームを統括し、企画・運営・製作進行を担っています。PRが得意だと思っていたけれど、実は営業に適性があったみたい!大好き!と大河原さんは満面の笑みで言います。
「技術や価値を正しく伝え、多くの人と共有すること」という会社の取り組みを軸に、メタバースを活用した新たな可能性に挑戦しています。大河原さんは、経験から培い、拡張した「伝える力」で、HIKKYの成長をこれからも支えていきたいとお話しされていました。
大河原さんのパラレル活動

大河原さんのキャリアは、ユニキャリアが掲げるパラレル活動の行動指針とも重なります。彼女は、さまざまな活動を通じて自身の“好き”や“得意”を見いだし、やりたいことやできることの幅を広げながら、独自のキャリアを築いています。また、多様な経験に触れることで、新たな挑戦や変革の原動力を育むとともに、創造力の源泉や人とのつながりを生み出しています。
実は、大河原さんの活動は伝統芸能の世界にも広がっています。結婚前から落語が大好きとは聞いていましたが、夫である落語家・桂枝太郎さんの女将として公演の運営、なんとチラシ作成や広報活動などもサポートしているというから、そのスーパーぶりには驚きです。
過去には「下関海響マラソン」でフルマラソンを完走しリポートをした、学生のときはバンドサークルに所属してギター&ボーカルを担当していたなどスキルの多彩さに感服です。育児の傍ら、食生活アドバイザー・フードアナリスト検定の資格、日本チャイルドマインダー協会特別講師を務めるなど、大河原さんのパラレル活動の拡がりからは今後も目が離せません。
